菰野るり

菰野るり

京都市在住。市バスは206番と37番、地下鉄は烏丸線だけで生きていける。好きな作家は荻原規子さんと阿部智里さん。

申し訳ない②

前の近況ボードの続き。

朝比奈なら、月の服装や顔つきより、男に見られた時の反応が変わったことに気づく。

初期の月は、綺麗だと見られると警戒した。性的な意味を向けられると、理解できないから、固まった。
自分が何を起こしているか分からず、男の欲望に巻き込まれていた。

今の月は、見られても目を逸らさない。

榊原が自分を見れば、少し嬉しそうにする。蓮司が拗ねれば、身体を寄せて近づけばいいと知っている。

容姿を褒められれば、素直に笑う。
相手が自分を可愛いと思っていることを前提に甘える。

朝比奈なら、多分月が榊原の横で何気なく身体を寄せるだけで分かるんじゃないかな。

月が榊原を見上げる。
榊原の目が変わる。
月はそれに気づいて、少し笑う。

そこで朝比奈はたぶん思う。

あ、月くん、自分が何をしてるか分かるようになった。

榊原には、相手の本性を欲しがる。
蓮司には、可愛く甘えて快楽をねだる。

それぞれの男が最も弱い形で差し出してる。
朝比奈は、月を「計算高くなった」とは見ないと思う。むしろ、

「計算してたら、まだ対処できるんだけどな」

と感じるんじゃないかなー。

月は罪悪感も悪意もなく、本心で二人を欲しがっている。自分の本心を見せれば二人が喜ぶことを覚えた。

怖いよね。

朝比奈から見ると、初期の月は本当にもういない

ただし、傷つきやすい月が消えたわけではない。

寂しがる。
捨てられることを怖がる。
セックスで愛を確かめたがる。
所有されることで安心する。

そこは残っている。
だからより、やばい。セックス依存して、愛着障害あるまま、男が自分に堕ちるのを知ったから。
今はその傷も欲望も美貌も、月自身のもの

今の月は、自分が欲しがれば、相手も欲しがると知っている。
今の月は、自分の顔と身体で榊原の理性も、蓮司の意地も崩せると知っている。

朝比奈なら、なんて言うかなー。

「月ちゃんさ、自分が可愛いって、ついに分かっちゃった?」

「え、確かに榊原さんとか、みんな、可愛いっていっぱい言ってくれるから、そう思っていいのかなって」

「いや、顔だけの話じゃなくて。みんなが月ちゃんに何されたら駄目になるか、分かっちゃったでしょ」

月は少し考える。

「俺、よくわかんないです」

「それが一番怖いんだよなあ」

まあ、朝比奈には東堂がいるので!
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登録日 2026.07.22 12:48

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