今回は、瑠唯子お嬢様が愛用しているもう一つの銃、ワルサーモデル４についてです。例によって、私自身は全然銃の知識がないので、調べた情報の受け売りです。
　ドイツの有名な銃器メーカー、カール・ワルサー社が開発した自動拳銃で、1910年頃から1920年代初頭まで（特に第一次世界大戦中から戦後にかけて）製造されたものです。本作の時代（大正六年（1917年））における、ワルサー社のハイエンドモデルです。瑠唯子がどうやって、この銃を入手できたのか、謎ですね。
　口径は32口径。ブローバック方式のセミオートマチック拳銃で、着脱式シングルカラムマガジンに8発装填可能です。スライド上部には排莢口が露出していて、

　１本の動画を見ていただきましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=R7dNoCVlmJM

　ご覧の通り、非常にコンパクトなのが特徴です。全長約135mm、重量約510g。隠し持ちや携帯に適していました。動画に出てくる女性の手にもすっぽりと収まる銃であること、昨日紹介したＳ＆Ｗモデル２アーミーとは違って、セミオートマチックであることが最大の特徴です。

　もう１本。こちらの動画では、ワルサーモデル４を分解、組み立てしています。

https://www.youtube.com/watch?v=_sxbnC82RYk

　構造も至ってシンプルで、それだけに信頼性の高い拳銃でもありました。ただ、現代から見ると、後発のワルサーＰＰやワルサーＰ３８といったモデルには及ばず、あくまで当時としては最新って感じではあるようですね。
　世界的にも、同時期に登場した銃として、コルトＭ１９１１や、ルガーＰ０８の方が知名度や革新性で勝っている部分も多いです（これらの銃も今後登場したら、ご紹介します）。
　というわけで、ワルサーモデル４は、ワルサー社の技術力を示す初期の傑作であり、第一次世界大戦期に活躍したコンパクトな自動拳銃です。本作の時代には、最新鋭の部類に入りはするものの、世界的に名銃と言われる他の銃と比較して地味めな存在ではあります。それでも、そのシンプルさと実用性は、当時広く支持されていました。見た目に華はなく、どちらかというと地味で、無骨な印象の銃なのですが、瑠唯子がお気に入りなのは、その信頼性なのかもしれません。