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αの中のα ①
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京極家のαは、“αの中のα”とよく言われる。
長い歴史の中で幾多の名門αが興ろうとも、常に京極家は別格とされてきた。
彼等は数少ないαの中でも更に特殊な人々だったからだ。
京極のαには、“唯一”が存在した。
通常のαの前に 100人のΩがいたと仮定する。すると、そのαはその全てのΩと番うことが可能だ。
そこに必要なのは、Ωがヒートを起こしていることだけ。
Ωのヒートに反応したαは ラットを起こして性交をする。
その最中にαがΩの項を噛むことで番契約が成立する。
αとΩが番う条件はそれだけで、それ以上でも以下でもない―――本来は。
しかし 京極のαだけは違った。
京極家のαは 並み居るΩのフェロモンの中から 自分の唯一のΩのフェロモンを嗅ぎ分けることが出来た。
そして自分の“唯一”を前にした時にだけ ラットを起こし、そうして生まれてくるαには特徴があった。
必ず最上位のαが生まれてきたのだ。
そんな 京極のαにとっての“唯一”の存在のことを、いつしかαの世界では《京極の花嫁》と呼ぶようになっていた。
京極のαでも、“唯一”ではない普通のΩのフェロモンを嗅ぐこと自体は問題なく出来る。更には ヒートを起こしたΩと性交することも可能だ。
だが その場合 京極のαはラットを起こさない。
番同士の発情期中の性交でなければ、Ωの妊娠はまず望めないと言われる中で、そのような不完全な性交では通常のαの子供はおろか、子供を授かることそのものが無理な話だった。
だから 京極のαが番うのは、“唯一”のΩのみ。やがてそのΩからは必ず最上位のαが誕生する―――。
この事から 京極とはすなわち 最上位のαの家系であるとされてきたのであった。
しかも どういった仕組かは分からないが、京極のαのもう一つの性質として、彼らは常日頃から非常に理性的で 強靭な自制心を備えていた。
そこに最上位αが持つ天性の支配力も加わることで、京極家は αの世界で ずっとαの頂点と見なされてきたのだった。
しかし皆が 京極を“αの中のα”と呼ぶ理由は 実はそれではない。
《αの性とは、番を守り慈しむこと。京極の血が流れるαには そのαの性が最も強く現れる―――。》
その事実こそが 「京極は “αの中のα”」と 彼らをして言わしめてきたのだった。
長い歴史の中で幾多の名門αが興ろうとも、常に京極家は別格とされてきた。
彼等は数少ないαの中でも更に特殊な人々だったからだ。
京極のαには、“唯一”が存在した。
通常のαの前に 100人のΩがいたと仮定する。すると、そのαはその全てのΩと番うことが可能だ。
そこに必要なのは、Ωがヒートを起こしていることだけ。
Ωのヒートに反応したαは ラットを起こして性交をする。
その最中にαがΩの項を噛むことで番契約が成立する。
αとΩが番う条件はそれだけで、それ以上でも以下でもない―――本来は。
しかし 京極のαだけは違った。
京極家のαは 並み居るΩのフェロモンの中から 自分の唯一のΩのフェロモンを嗅ぎ分けることが出来た。
そして自分の“唯一”を前にした時にだけ ラットを起こし、そうして生まれてくるαには特徴があった。
必ず最上位のαが生まれてきたのだ。
そんな 京極のαにとっての“唯一”の存在のことを、いつしかαの世界では《京極の花嫁》と呼ぶようになっていた。
京極のαでも、“唯一”ではない普通のΩのフェロモンを嗅ぐこと自体は問題なく出来る。更には ヒートを起こしたΩと性交することも可能だ。
だが その場合 京極のαはラットを起こさない。
番同士の発情期中の性交でなければ、Ωの妊娠はまず望めないと言われる中で、そのような不完全な性交では通常のαの子供はおろか、子供を授かることそのものが無理な話だった。
だから 京極のαが番うのは、“唯一”のΩのみ。やがてそのΩからは必ず最上位のαが誕生する―――。
この事から 京極とはすなわち 最上位のαの家系であるとされてきたのであった。
しかも どういった仕組かは分からないが、京極のαのもう一つの性質として、彼らは常日頃から非常に理性的で 強靭な自制心を備えていた。
そこに最上位αが持つ天性の支配力も加わることで、京極家は αの世界で ずっとαの頂点と見なされてきたのだった。
しかし皆が 京極を“αの中のα”と呼ぶ理由は 実はそれではない。
《αの性とは、番を守り慈しむこと。京極の血が流れるαには そのαの性が最も強く現れる―――。》
その事実こそが 「京極は “αの中のα”」と 彼らをして言わしめてきたのだった。
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