平穏なβ人生の終わりの始まりについて(完結)

ビスケット

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日曜日の夜明け前

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ふと目が覚めると、最早見慣れた感のあるホテルのベッドの上だった。
部屋の主照明は暗く落とされ、壁の間接照明が辺りを柔らかく照らしていた。

薄暗闇の中、時間を確認したくて身じろぎすると、今回は 横から抱きつく感じのホールドスタイルであることに気がついた。

しかし今となってはそれも既に通常運転だ。今さらなにを言うこともない・・・くはないけど一旦保留だ。
ほ~、今回は奴も入れっぱなしにはせず、ちゃんと自分のモノを仕舞ったようで 感心感心、じゃねぇわ。

とにかく、俺は風呂に入りたかった。20代成人男性が1週間以上もの間 風呂無しだったのだ。自分では分からなくても匂っているだろうし、いい加減さっぱりしたい。あと、奴と俺のあれやこれやにまみれた寝具に横になるのも限界だった。
あと各方面への連絡と謝罪・・・非常に気が重くなる。

とりあえず風呂が先だと、奴の腕に手を掛けて解除しようとしたら、逆に奴のホールドがきつくなる。
そちらを見やると俺を見ている京極と目が合った。

「・・・」
どこに行くんだと、奴の目が言っていたので、
「風呂入るんだよ。お互い鼻が麻痺してて分からないかもしれないけど、さすがに体とか臭ってるはずだ。」

「・・・匂いが・・・」
「あん?」
「消えてしまう。私だけのΩの・・・せっかくの濃い匂い・・・。」
そう言うと 俺の耳の下辺りに頭を突っ込んで来て、フンスフンスと鼻息を荒くしている。

一目で極上クラスと分かる程の男のはずが、今はマタタビにじゃれつく大型の猫にしか見えなかった。

しかし忘れてはいけない。猫は猫でもこいつは猛獣だと、俺はこの1週間 実地じっちで学んだのだ。

・・・でも。すぐそこにある色素の薄い毛髪が俺を誘惑してくる。
長毛種の茶色い猫毛のように柔らかそうで、いい匂いもして・・・
気がついたら、京極の髪を手ぐしの要領で撫でてしまっていた。その感触につい夢中になっていたが、
肩口で頭をグリグリしていた奴から、くぐもった声が聞こえてきた。

「・・・あなたに非道いことをしました。
許されないと、自分でも分かっていたのに 止まれなかった。」

「・・・そうか。」
ようやく、まともに話せるらしい。まずは謝罪からか。

「これまでずっと、あなたに嫌われるのが怖いとは思ってきたけれど、やったことを後悔したことはない。」

「・・・? ・・・・・・そうなのか。」

「だから私は謝らない。謝るくらいなら初めからこんなことをするべきではなかったし、でも そうする事なしに あなたとこんな風になることはなかった。」

「・・・!? ・・・、・・・、・・・・・・・・・・・そうか。」

「これからは守と、呼びたい。」
何で今それ。



このお話は、順番を繰り上げての投稿です。
なんとなく日曜日に投稿したくなってしまいました☆
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