sugar sugar honey! 甘くとろける恋をしよう

乃木のき

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第一章 First love

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 そういえば、太一の彼女は年上の女子大生だ。ということは、もしかしたら太一はもう大人の階段を……?!

 想像してさらに顔色を変えた蜜を太一はおかしそうに弄ってくる。
「きゃー蜜くんのえっち~何考えたの~」
「ぎゃっ、ち、ちがっ、なんも、や……ごめん」
 太一のそういう姿を想像してしまった。
 素直に謝ると太一はどうとでもないように笑っている。

「蜜はないの? そういうこと。ちゅーしたいなあっとか」
「ない! うん、全然ない! ちゅ、ちゅーとか、そんなの……っ、」

 そこでなんで周防を思い出してしまったんだろうか。

 車の中で近づいた顔。
 息がかかるほどそばにいて、ふっくらとした唇はすこし乾いていて、いや、ややややっ!

「ない!!!」
 繰り広がろうとする妄想を取っ払う様に蜜は首をぶんぶんと振った。
「ない、決してそんなことは、ない」
「うっそだ~今のは絶対誰かを想像してた顔だね。ちょっと教えてよ、人のセックスライフを知っておいてさ~蜜は秘密ってずるくね?」
「セック……ス……ライフ……って、や、そこまで聞いてないし!」
「……ちょっと待って、なんか蜜が言うとやらしいね? もう一回言って」

 真顔で攻めてくる太一を押しのける。燃えるように顔は熱く火を噴きそうで蜜はパニック寸前だった。

「蜜くん?」と声をかけられたのはその時だった。

 声は路肩にすわる人から聞こえてきた。
 見ると、地面に腰を掛けて足を撫でさすっているのは同じ委員の先輩だった。
 名前は確か
「吉崎先輩?」
 図書当番が足りなかったときに蜜を呼びに来た先輩だった。

「そう! 覚えていてくれたんだね。嬉しい」
「どうしたんですか? 足痛めました?」
 見た感じ怪我をしてるわけではなさそうだ。
 でもこれだけ長い距離を走れば負担がかかるのも仕方ないだろう。

 蜜も太一と一緒にゆっくりしゃべりながら走っていたからここまで無事に来れたようなもので、一人で走っていたらどうなっていたかわからない。
 
 後半になればなるほど脱落する人が増えるのも当然と思われた。

「救護呼びますか?」
「ううん、大丈夫……」
「でも痛いんですよね? 無理しない方がいいんじゃ……」
 かがみこんで足元を見ていた蜜の顔にじっと視線が注がれる。目を上げると吉崎とバチリと視線が合った。
 瞬間、吉崎の顔が赤く染まった。

「いや、でももし蜜君が一緒に走ってくれるなら僕も進めるかも」
「えっ?!」

 咄嗟に太一を顔を見合わせた。
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