ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり

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第2章 いよいよ開幕!――物語は“影”の深層へ!

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さっきリュックの中身を取り出して、使用者登録をした。その取り出した中身にボクが祐仁さんに渡したかった物がある。

「祐仁さん、これを」

ボクが差し出したものを見て、祐仁さんが目を見張る。

「こっ、これはっ――黒糖か?」

そう言いながら、ボクの顔と黒糖に目線を何度も行き来しているよ、やっぱり喜んでくれたみたい。
祐仁さんも、ボクも元々は同郷、沖縄出身。

沖縄の家には必ずと言っていいほど、黒糖がある。沖縄県産品。

「はい、黒糖です。シュガー竹から作りました。ヒロヒトさんが教えてくれた本にあったシュガー竹を見つけました。そして黒糖を作りました。それ、懐かしいでしょ?」

「あぁ……懐かしいな。私は、シュガー竹がサトウキビだとわかっていたが、黒糖の作り方がわからなくてな。ただ幹をかじっていただけだった。当時、それでもとても貴重でな。…………黒糖、作ったんだな」

「はい、お土産です。」

今にも泣き出しそうに、嬉しそうにする祐仁さんの表情を見て、お土産にしてよかったと思う。喜んでもらえて、良かった。

「…………あり…がとう…何よりの土産だ。」

あまり多い量じゃないけど、またいつか届けようと思う。

「また、次の機会が来たら、その時にまた持ってきますね」

ん?ちょっと困惑してる?

「いや…黒糖、嬉しい。だが、もし可能なら………沖縄料理が食べたい」

そうか、そうだね。次になにか持って来よう!何がいいかな?

「わかりました。次、またここに来る機会があれば、その時に何かもってきますねっ!」

「ああ、よろしく頼むよ、楽しみだ。……では、そろそろ帰りなさい」

「はい、ありがとうございます」

ボクが言い終わると同時に、祐仁さんの肖像画の前に戻されていた。
時間停止も、すぐに動き出した。

「カイト?」

パパは不思議な顔をしている。
時間が停止していたんだから、ボクがただ立ち止まっているようにしか見えないはず。

「今ね、行ってきたの。祐仁さんに使用者登録をボクに変更してもらったよ、だから、これからはこのリュックはボクの物だよ」

「そうか、ちゃんと譲り受けたんだな。大事にしなさい。」

「うん!」

「さて、そろそろ、マーシュ領へ帰ろうか?」

パパのこの一言が嬉しい。
パパのこの一言で、ママとアリと屋敷のみんなの所へ帰るんだって思う――パパと一緒に!

そして、その一言で、執事がおじいちゃんを迎えに行く。

しばらく王宮の使用人たちとお別れの挨拶をしてると、おじいちゃんとおばあちゃんがやって来た。

あれ?おばあちゃんも?

ボクがキョトンとしていると、イタズラが成功したような顔をしてる。

「カイトちゃん、おばあちゃんもあなた達のマーシュ領へ連れて行ってくれないかしら?久しぶりにアマナとアリアーナにも会いたくなっちゃったわ」

そう言ってにこやかに笑うおばあちゃんは、いたずらが成功した時にするパパの表情によく似ていた。

バタバタバタ!
ドアの向こうでこちらに駆けてくる足音。
同時にバタンと大きく開くドア。

そこには息を切らしたジルバートおじさんがいた。

息を整えながら、パパとボクのところに歩み寄って来て、パパと顔を合わせてお互いに頷き合う。

「ダウニー、色々迷惑を掛けた、この通りだ、すまなかった。」

「兄上、顔を上げてください。また来ます。その時はアマナもアリアーナも、カイトも一緒に――会いに来ます」

「………ああ……」

兄弟の間に見えなくても、力強い“絆”がある――そう、だから未来は明るい。

そして、ジルバートおじさんは僕の前で膝を折り、目線を合わせてくれた。

「カイト、色々迷惑掛けて、すまなかったな。申し訳なかった」

ボクにも頭を下げる。

「ジルバートおじさん……」

王太子殿下とはあえて言わないでおくね。

「…ん?」

「また遊びに来ます。その時はボクに勉強を教えてください。そして、この国のこと、世界のこと。あとは、おじいちゃん、おばあちゃん、ジルバートおじさん、そしてパパのこと、ボクの知らない家族のこと教えて欲しいです。」

「…ああ。」

優しくはにかむジルバートおじさんは、少しやつれた顔をしていたけれど、ボク達のために駆けつけてくれた。

ここでボクができることをしよう。

「ジルバートおじさん、抱っこして下さい」

ボクのお願いに、一瞬目を見開いたけど、そして、その手が戸惑っていたけど、ゆっくり広げられていく。

その腕の中にボクは飛び込んだ。
パパと似てる骨格、けどパパは武骨、ジルバートおじさんはスマートな感じ。

うん、温かいね。

ジルバートおじさんや王宮のみんなに見送られて、おじいちゃんに抱き上げられて、そしておじいちゃんの転移移動に身を任せた。

すぐに、懐かしい我が家の匂いがした。
懐かしい気温や空気に、マーシュ領に、そして我が家に、“帰ってきたんだ”と実感する。

「ただいまー」

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カイト、やっと帰ってきました。
またいつもの日常が始まるのでしょうか?😆

次回をお楽しみに!

あんり
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