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第2章 いよいよ開幕!――物語は“影”の深層へ!
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(領騎士団本部)
11:00→
「ハンス、セルジュも待たせたな」
私は西門から領に入り、ひとまず身を清めた。
甲冑の中は凄いことになったからな、今頃私の部下が私の甲冑の手入れをしていることだろう。
悪いな……ここまで、馬に跨り走ってきたのだ。初夏とはいえ、暑さは耐え難いものがある。そこに私の汗と、…先程の鼻水と汗が混じった私の鎧兜だ。
あとで、あいつを労ってやろう。
「ルーク団長。他の団長も召集しました」
私は今いる団長達をひとりひとりに目を合わす。
第1騎士団は、ダウニー様とその一家を守る、ダウニー様直下の騎士団。
私が団長を務めている。
第2騎士団長は、屈強の男、ハンス。
第3騎士団長は、屋敷を守り、大男の見た目に反して、なかなかの策士、ミル。
このふたりは騎士団でいう“動”だ。
第4騎士団長は、領の境界を守り魔法を得意とする爆炎を操るジョルダン。
第5騎士団長は、街の治安を守る、見た目の中性さに反し、鋭い感を持つセルジュ。
このふたりは騎士団の“静”。
そして、第0騎士団、影、通称【ゼロ】。
その第0騎士団長、ルシアン。
マーシュ家、筆頭執事セバスと、待女長を務めるマールの一人息子だ。彼の能力は影のため、あまり知られてはいない。
そして、こいつは“無”
人知れず、そこに居る、傍観者だ。
ゼロ隊には任務中に名前はない。
しかし、こいつだけは、名がある。
ゼロでありながら、両親の存在で“存在価値”があるからだ。
この事を知っているのは、ダウニー様とルシアンの両親、そしてこの場にいる5人だけだ。
いずれ、ルシアンとして、カイト坊ちゃんの魔法の指導者となることは、ダウニー様と私だけが知る決定事項だ。
0~5までの騎士団を総括する任務を私は与えられている。つまりは、総括団長だ。
ハンスはその直下の総括副団長も兼任している。
今いる6名が揃うのは珍しい。
それぞれの任務で多忙だからだ。
しかし、今回は、我が領が狙われたのだ。
私と目が合うと、みんな頷いてきた。
そう、私にはわかる。
ここにいる6人の気持ちは1つ。
“ケンブルク国”の奴らへの断罪をどうするかだ。
ダウニー様がまだ眠りから覚めてない。
カイト坊ちゃんは、朝の戦闘の疲れか、朝ごはんも食べずに休んでおられる。
「さあ、今から会議を始めようか。各自報告を頼む」
先に報告したのはハンスとセルジュ。
「私とハンス副団長は、セバス様と早朝にカイト様が考えた今回の作戦に同意しました。そしてご存知の通り、これまでの戦の中で、“短時間に”、“我が領の圧勝”、そしてその手柄は全てカイト坊ちゃんが考えたあの“斬新な戦い方”の成果です。」
「いや、まさか、幼い子があのような戦い方を考えるとは。」
「いや、ジョルダン、あの子は“特別”だ。」
「そうだ。我々が思いつかないことを次々にいとも簡単に出してくる。」
「たしかに、ハンスの言う通りだな。騎士団の料理改善、訓練の底上げ、街並み改善。」
「そうだ、それだけじゃないぜ、ミル。あのゴリランを手懐けたそうじゃないか。なあ、ルーク団長、そうだよな?」
「ああ、にわか信じられない事を次々に…なっ。フッ……派手じゃなくても、どっか、なんらかの形でカイト坊ちゃんは、我々を導く存在だ」
「さあ、本題に入るぞ。捕らえた奴らにはまずカイト坊ちゃんが考えた、美味い食事を目の前にして“与えない”という拷問を実行することになった…」
「なっ…!甘い、甘いだろっ」
「落ち着けっ、ミル、まずは話を聞こう」
「いや、ジョルダン!…しかし…だな…」
「続けるぞ。いいか!?カイト坊ちゃんは、戦いが終わったあとこう言ったんだ。
石を中抜きのある四角に積み上げておくようにとの事だ。それは等間隔で20個だ。
何をするかは……さっぱり、分からん。
あとは離れたところで奴らをまとめてぐるぐる巻きにして逃げないようにすること。
そいつらに与えていいのは、今は薄い塩水だ。」
「…!?」
みんな、何がしたいのか、分からないようだ、私にもわからん。
「そして、騎士団を集めるようにとの事だ。坊ちゃんはまだ休んでいるから、お昼過ぎにみんなを集めるように、いいな。その後の指示は、カイト坊ちゃんから伺おう」
「「「「「了解しました」」」」」
ハンスと私だけが、その場に残り、あとは皆それぞれ自分たちの騎士団の元へ戻って行った。
「ルーク団長、カイト坊ちゃんはこれから何をするんですかね?」
「いや、さっぱり分からん。どう食の拷問をするのか……」
(ケンブルクの兵士たち)
捕らえられた俺たちは広場に集められた。
これから何が起こるってんだ?
俺たちには、酷く残酷な拷問が待っているのだろう。―――絶望的だ。
ここに集められて、目隠しされて、暑さの中、俺たちは自分たちの体熱でジリジリと体力を削られていく。
はぁ………喉が渇く、水が欲しい。
水を求め与えられたもの。
一気に飲み干すが、これは…塩水か?
すぐ喉が渇くじゃないか。
腹も空く、塩水だけは与えられる。
よく分からない。だが、これが拷問なのか?……ぬるい。だが、嫌な予感がする。嫌な予感だけは昔からよく当たるんだ。
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「ハンス、セルジュも待たせたな」
私は西門から領に入り、ひとまず身を清めた。
甲冑の中は凄いことになったからな、今頃私の部下が私の甲冑の手入れをしていることだろう。
悪いな……ここまで、馬に跨り走ってきたのだ。初夏とはいえ、暑さは耐え難いものがある。そこに私の汗と、…先程の鼻水と汗が混じった私の鎧兜だ。
あとで、あいつを労ってやろう。
「ルーク団長。他の団長も召集しました」
私は今いる団長達をひとりひとりに目を合わす。
第1騎士団は、ダウニー様とその一家を守る、ダウニー様直下の騎士団。
私が団長を務めている。
第2騎士団長は、屈強の男、ハンス。
第3騎士団長は、屋敷を守り、大男の見た目に反して、なかなかの策士、ミル。
このふたりは騎士団でいう“動”だ。
第4騎士団長は、領の境界を守り魔法を得意とする爆炎を操るジョルダン。
第5騎士団長は、街の治安を守る、見た目の中性さに反し、鋭い感を持つセルジュ。
このふたりは騎士団の“静”。
そして、第0騎士団、影、通称【ゼロ】。
その第0騎士団長、ルシアン。
マーシュ家、筆頭執事セバスと、待女長を務めるマールの一人息子だ。彼の能力は影のため、あまり知られてはいない。
そして、こいつは“無”
人知れず、そこに居る、傍観者だ。
ゼロ隊には任務中に名前はない。
しかし、こいつだけは、名がある。
ゼロでありながら、両親の存在で“存在価値”があるからだ。
この事を知っているのは、ダウニー様とルシアンの両親、そしてこの場にいる5人だけだ。
いずれ、ルシアンとして、カイト坊ちゃんの魔法の指導者となることは、ダウニー様と私だけが知る決定事項だ。
0~5までの騎士団を総括する任務を私は与えられている。つまりは、総括団長だ。
ハンスはその直下の総括副団長も兼任している。
今いる6名が揃うのは珍しい。
それぞれの任務で多忙だからだ。
しかし、今回は、我が領が狙われたのだ。
私と目が合うと、みんな頷いてきた。
そう、私にはわかる。
ここにいる6人の気持ちは1つ。
“ケンブルク国”の奴らへの断罪をどうするかだ。
ダウニー様がまだ眠りから覚めてない。
カイト坊ちゃんは、朝の戦闘の疲れか、朝ごはんも食べずに休んでおられる。
「さあ、今から会議を始めようか。各自報告を頼む」
先に報告したのはハンスとセルジュ。
「私とハンス副団長は、セバス様と早朝にカイト様が考えた今回の作戦に同意しました。そしてご存知の通り、これまでの戦の中で、“短時間に”、“我が領の圧勝”、そしてその手柄は全てカイト坊ちゃんが考えたあの“斬新な戦い方”の成果です。」
「いや、まさか、幼い子があのような戦い方を考えるとは。」
「いや、ジョルダン、あの子は“特別”だ。」
「そうだ。我々が思いつかないことを次々にいとも簡単に出してくる。」
「たしかに、ハンスの言う通りだな。騎士団の料理改善、訓練の底上げ、街並み改善。」
「そうだ、それだけじゃないぜ、ミル。あのゴリランを手懐けたそうじゃないか。なあ、ルーク団長、そうだよな?」
「ああ、にわか信じられない事を次々に…なっ。フッ……派手じゃなくても、どっか、なんらかの形でカイト坊ちゃんは、我々を導く存在だ」
「さあ、本題に入るぞ。捕らえた奴らにはまずカイト坊ちゃんが考えた、美味い食事を目の前にして“与えない”という拷問を実行することになった…」
「なっ…!甘い、甘いだろっ」
「落ち着けっ、ミル、まずは話を聞こう」
「いや、ジョルダン!…しかし…だな…」
「続けるぞ。いいか!?カイト坊ちゃんは、戦いが終わったあとこう言ったんだ。
石を中抜きのある四角に積み上げておくようにとの事だ。それは等間隔で20個だ。
何をするかは……さっぱり、分からん。
あとは離れたところで奴らをまとめてぐるぐる巻きにして逃げないようにすること。
そいつらに与えていいのは、今は薄い塩水だ。」
「…!?」
みんな、何がしたいのか、分からないようだ、私にもわからん。
「そして、騎士団を集めるようにとの事だ。坊ちゃんはまだ休んでいるから、お昼過ぎにみんなを集めるように、いいな。その後の指示は、カイト坊ちゃんから伺おう」
「「「「「了解しました」」」」」
ハンスと私だけが、その場に残り、あとは皆それぞれ自分たちの騎士団の元へ戻って行った。
「ルーク団長、カイト坊ちゃんはこれから何をするんですかね?」
「いや、さっぱり分からん。どう食の拷問をするのか……」
(ケンブルクの兵士たち)
捕らえられた俺たちは広場に集められた。
これから何が起こるってんだ?
俺たちには、酷く残酷な拷問が待っているのだろう。―――絶望的だ。
ここに集められて、目隠しされて、暑さの中、俺たちは自分たちの体熱でジリジリと体力を削られていく。
はぁ………喉が渇く、水が欲しい。
水を求め与えられたもの。
一気に飲み干すが、これは…塩水か?
すぐ喉が渇くじゃないか。
腹も空く、塩水だけは与えられる。
よく分からない。だが、これが拷問なのか?……ぬるい。だが、嫌な予感がする。嫌な予感だけは昔からよく当たるんだ。
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