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9.新婚旅行 ⑥ *
しおりを挟むのぼせ気味で温泉から上がり、冷たいお水を飲んでいた。
「俺にも飲ませて?」
訳の分からないことを言うフィーロ。
「ご自分でどうぞ」
お水を渡すと、フィーロは、ちょっと拗ねた顔をしたが、それもまた新鮮だった。
窓から見える星が綺麗で、私はしばらく頬杖をついて眺めていた。
あの日も今夜も星は綺麗だ。
捉え方一つで、ものの見方は変わってくる。
わざわざ正解を求めなくてもいいのかもしれないなと、ふと思った。
「何を考えている?」
あまりに私が外ばかり眺めているので、フィーロが心配しているようだ。
体が冷えないように、ブランケットも掛けてくれた。
「特に何も。」
「そうか…」
何か言いたそうにしているフィーロだが、それ以上は何も言わない。
「そろそろ横になりましょう。」
黙って私を抱き上げて、ベッドに連れて行ってくれる。
フィーロが横になり、私はその上に乗せられ、夜着を脱がされる。
「レイは綺麗だな。体は華奢なのに胸は大きいし、肌は滑らかだ。」
「褒めても何も出ませんよ?」
「褒美ならここにある。」
フィーロは微笑んで胸の蕾に吸い付く。
両の蕾を交互にしゃぶられ、腰を揺すると陰唇と肉棒が擦れて切ない。
「そのまま腰を動かしてくれ。」
ぬちゃ、ぬちゃと湿った音が恥ずかしくて、フィーロから目を逸らす。
「レイ、俺の顔を見て。目を逸らさず、俺だけを見て!」
その目は鋭く金色に輝き、一度目が合ったら逸らせない。
残酷なまでに私、を惹きつけるその瞳。
ああ、こんなにもこの人を愛してしまったんだな。
急に涙が出そうになって、フィーロの胸に倒れ込む。
「レイ?」
震える肩で察したのか、フィーロは私をぎゅーっと抱き締めた。
そして、ぽつりぽつりと語り始めた。
「アンジュとは、もう会わない。兄上と、また出て行った。行き先も聞かなかった。恐らく、この国を出るつもりだろう。あの夜、レイが俺とアンジュの話を聞いていた時だが、懐かしさに感情が昂って抱き寄せた。」
私はその先を聞きたいのか、聞きたくないのか分からずに、フィーロの目を見つめた。
「でも、それだけだ。今にも口付けしそうな距離と表情に、欲深さを感じた。ああ、この女は、兄上も俺も捨てられないのだなと、酷く欲張りなアンジュに気付いたんだ。レイの澄んだ瞳はいつも俺だけに向いている、とも気付いた。だから、アンジュを振り払って部屋に戻ったら、レイがいなくて、必死に探した。もうレイを手放せない自分を自覚したよ。だから、兄上に抱かれている君を見て、頭に血が上ったんだろう…」
「私とジョゼフさんは、何もしていないわ。本当に躓いて、支えていただいただけ。」
「分かってる。同時に気付いたんだ。こんな些細なことで嫉妬する自分に。そして、俺を愛してると言ってくれる君に、どれだけ酷い仕打ちをしてきたんだろうと。すまなかった…」
フィーロは私に口付けた。
切ないほどに、深く深く。
唇が離れ、その瞳は柔らかな金色に光る。
「俺が、君が好きだと伝えたら、まだ間に合うだろうか…」
「それは愛ではなく、友情とか恋ですか?」
「愛ってやつが分からないんだ。いや、分からなくなったというのが正しいかも…俺が愛だと思ってきた感情は、手に入らないものに執着していたのかもしれない。レイへの気持ちは、可愛くて、一緒にいると楽しくて、安らげて、もっと抱きたくて。レイの喜ぶ顔が見たくて、何でもしてあげたくなる。この気持ちは、今まで知らなかったものだから。」
戸惑いながら話すフィーロの目に、嘘はないと思えた。
思い込みが激しくて、ちょっと逸れたら混乱するような人だったのね。
「あなたは意外とお馬鹿さんなんですね…いちいち正解を見つけなくていいです。このまま、良き夫でいてください。今の気持ちでいてくれるなら、私があなたを幸せにしてあげるし、私もそれが幸せだと思うから。」
フィーロは「そうか…」と呟いて、また深い口付けをしてきた。
私もそれに応えると、フィーロの肉棒がまた大きくなった。
「ちょっ、すぐ反応するくせに!よくアンジュさんを押し倒さなかったわね?」
「あっ…そうだな。レイにはすぐこうなってしまうのに…」
「やっぱりあなた、お馬鹿さんだわっ!私のこと、大好きじゃない!ほらほら言ってごらん。レイシアが大好きだ!!って。」
「レイ、大好きだ!愛してる!!」
フィーロの肉棒がぐぃんと弾けんばかりに、更に存在感を発揮する。
「そうか…これは愛だったのか…言葉にしてみて分かった。レイ、俺は君を愛している。」
不埒な状況で顔を真っ赤にするフィーロに、胸がきゅんとして、私は自ら肉棒を受け入れた。
そこからは、気が狂ったかのようにお互いの腰をぶつけ合い、絡め合い、果てるまで求め合った。
「はぁ…いぃ…凄く…フィーロ、愛してる…」
「くっ…と、溶けそうだ…レイ、愛してる…溶け合いたい…はぁっ、くぅっ…で、出るっ!」
気持ちが通じたと思える瞬間だった。
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