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デート/クラウディオ視点
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「だって、パーティで何か買う時は、誰が行くかでジャンケンで決めるんですよ。それをこんなスマートに……仕草ひとつひとつに品があるし、すっごく素敵!」
クラウディオはミルクの注がれた瓶を、ずっこけて落としそうになりながらも耐える。
品がない買い物とは何だ?
「買い出しの担当をジャンケンで決めるのか? どうして無……」
無駄な、と言いかけて思い止まる。
クラウディオは最短・最速を好み、効率こそを至上とする性格だ。
目的遂行のために何が必要かを考慮し、最善の選択肢を選ぶ。
無駄は嫌いだ。
だがクラウディオにとって不必要なことであっても、レオノールらにとっては別の意味があったのかもしれない。
できるなら理解して、価値観を共有したい。
「いちいち不思議だな、君の仲間たちは」
「んー、余興というか。旅の楽しみですよ。私たち、食事の量が並みじゃないので。誰が一番値切れるか勝負したり、面白いんです」
すんでのところで言い直すと、クラウディオの心中を知ってか知らずかレオノールは屈託なく笑った。
(……それもそうか。殺伐とした旅ではそういった些細な積み重ねが癒しとなるのだろうな)
「交渉ごとは、誰が一番得意なんだ?」
「交渉なら、何と言ってもフィオナ。フィオレンティーナです。後衛役の魔法使い。口も立つけど、やっぱり可愛い女の子は得ですよね~」
ふうん、とクラウディオは相槌を打つ。
レオノールのパーティは、男ばかりかと思いきやもう1人女がいた。
祝賀会で対面した、姿形を思い出す。
ショートカットの黒髪に、気の強そうなつぶらな瞳。
比較の対象にならないが、全体的にレオノールより一回り小さい。
確かに可愛らしい容貌ではあった。
「警戒心を抱かせない外見は、交渉ごとには有利だな。そういう君はどうなんだ」
「私? 私は……苦手ですねぇ」
尋ねながら牛乳の瓶を手渡すと、レオノールは恭しく受け取りながら意外な返答をする。
目抜通り沿いに設置されているベンチへと促し、2人で腰を下ろした。
レオノールは人見知りしないし、裏表もない。
誰とでも分け隔てなく接することができる性格だと思っていた。
「苦手っていうか、下手なんです。欲しいものも、手持ちの金額も全部顔に出ちゃうんですって。交渉相手の心理を読むみたいな、勘定ができないタイプみたいで。それもフィオナの評です。私は自分の表情が読まれてるとは思ってませんでした」
レオノールはペロリと舌を出し、おどける。
「それもそうか。君は駆け引きには疎そうだ」
「あんまり馬鹿にしないでくださいよ。クラウディオ様だって交渉は下手でしょう」
レオノールは不服そうに鼻を鳴らす。
「……俺は下手ではない。君は何を見てそう判断する」
しかし、露骨にムッとしたクラウディオに気をよくしたようだ。
「ふふっ。それは貴方が優秀だからですよ。どんな問題にも必ず正解を選んでる。逆に言えば、常に正攻法しか知らないでしょう? それが弱点になってたりするんです」
レオノールはクラウディオの胸を指さして、我が意を得たりと笑う。
クラウディオは、ぎくりと動揺した。
クラウディオはミルクの注がれた瓶を、ずっこけて落としそうになりながらも耐える。
品がない買い物とは何だ?
「買い出しの担当をジャンケンで決めるのか? どうして無……」
無駄な、と言いかけて思い止まる。
クラウディオは最短・最速を好み、効率こそを至上とする性格だ。
目的遂行のために何が必要かを考慮し、最善の選択肢を選ぶ。
無駄は嫌いだ。
だがクラウディオにとって不必要なことであっても、レオノールらにとっては別の意味があったのかもしれない。
できるなら理解して、価値観を共有したい。
「いちいち不思議だな、君の仲間たちは」
「んー、余興というか。旅の楽しみですよ。私たち、食事の量が並みじゃないので。誰が一番値切れるか勝負したり、面白いんです」
すんでのところで言い直すと、クラウディオの心中を知ってか知らずかレオノールは屈託なく笑った。
(……それもそうか。殺伐とした旅ではそういった些細な積み重ねが癒しとなるのだろうな)
「交渉ごとは、誰が一番得意なんだ?」
「交渉なら、何と言ってもフィオナ。フィオレンティーナです。後衛役の魔法使い。口も立つけど、やっぱり可愛い女の子は得ですよね~」
ふうん、とクラウディオは相槌を打つ。
レオノールのパーティは、男ばかりかと思いきやもう1人女がいた。
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ショートカットの黒髪に、気の強そうなつぶらな瞳。
比較の対象にならないが、全体的にレオノールより一回り小さい。
確かに可愛らしい容貌ではあった。
「警戒心を抱かせない外見は、交渉ごとには有利だな。そういう君はどうなんだ」
「私? 私は……苦手ですねぇ」
尋ねながら牛乳の瓶を手渡すと、レオノールは恭しく受け取りながら意外な返答をする。
目抜通り沿いに設置されているベンチへと促し、2人で腰を下ろした。
レオノールは人見知りしないし、裏表もない。
誰とでも分け隔てなく接することができる性格だと思っていた。
「苦手っていうか、下手なんです。欲しいものも、手持ちの金額も全部顔に出ちゃうんですって。交渉相手の心理を読むみたいな、勘定ができないタイプみたいで。それもフィオナの評です。私は自分の表情が読まれてるとは思ってませんでした」
レオノールはペロリと舌を出し、おどける。
「それもそうか。君は駆け引きには疎そうだ」
「あんまり馬鹿にしないでくださいよ。クラウディオ様だって交渉は下手でしょう」
レオノールは不服そうに鼻を鳴らす。
「……俺は下手ではない。君は何を見てそう判断する」
しかし、露骨にムッとしたクラウディオに気をよくしたようだ。
「ふふっ。それは貴方が優秀だからですよ。どんな問題にも必ず正解を選んでる。逆に言えば、常に正攻法しか知らないでしょう? それが弱点になってたりするんです」
レオノールはクラウディオの胸を指さして、我が意を得たりと笑う。
クラウディオは、ぎくりと動揺した。
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