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決着
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しかし、襲いくる攻撃を躱せば躱すほど、レオノールの胸には憐憫の情が沸いてくる。
オークの群れ、ゴブリンにゴーレム。
どの魔物も、オーグレイルの命令に従順だ。
しかし、その攻撃は雑で鈍く、単調で単純。どこまで行っても烏合の衆。
無秩序に降り注ぐ雷撃も、意図した攻撃ではなく掌握できていない危うさを露呈していた。
「セレス、ブルネン!」
レオノールが指示を出すと、前方のセレスとブルネンは二手に分かれ、レオノールの進路を開く。
「任せろ、来い!」
ブルネンは目にも留まらぬスピードで、十連撃を繰り出してゴーレムを粉砕する。
レオノールはそのブルネン目掛けて加速した。ブルネンも同時に跳躍する。
「レオ、飛べ!!」
レオノールはブルネンを踏み台に、高く跳び上がる。
「小癪な、空も飛べぬ貧弱な人間が、私に近づけると思うなよ」
オーグレイルの右手がレオノールへ向けられ、炎の槍が雨となって襲ってくる。
炎の礫を剣で払い、払えぬ分は甘んじて受け入れる。
武具で覆われている部位は無事だが、燃えるような赤髪が、頬が、ジュゥッと焼け焦げた。
レオノールの技の射程まであと数メートル。だがそこへ妨害を食らい、あと少しのところで減速する。
……近づける。いいや、確実に攻撃は届くと確信していた。
セレスの呪文詠唱と共に、地上から凍てつく風と氷の刃が吹きつける。
レオノールはその氷に乗り猛スピードで上昇した。
「くっ……馬鹿な!」
一瞬で間合いを詰める。
オーグレイルは眼前だ。
「オーグレイル、アンタは勘違いしてる。人間の姿を手に入れて、最強になったって」
レオノールは、最後の1歩分、オーグレイルと距離を詰める。
「今のアンタは中途半端よ。以前のほうが、よっぽど強かった」
両脚を軸に半身を捻って構えをとり、しかし危機を感じ取ったオーグレイルは咄嗟に喉を逸らした。
フードが頭から落ちて、黒々とした前髪が冷風で舞い上がる。
「グ! 思い上がるなよ、私はーー」
それでも魔竜王は、威丈高な態度を崩せない。
不敵な笑みを引きつらせ、両の腕をレオノールへと伸ばす。
掌には禍々しい色のエネルギーの塊が集束しつつある。
だが一連の仕草はレオノールを滅するべき仇として狙い定める一方で、救済を求め縋り付く求愛行動のようでもあった。
レオノールはその目に宿る畏怖と憧憬を、真正面から受け止める。
オーグレイルが攻撃を放つ前に、方がつく。
ーー次の生があるのなら、どうか一からやり直せますように。
レオノールは左に半身を引き、渾身の斬撃を放つ。
『女帝の裁定』
祈りの気持ちが呼応して、剣身から光が迸った。
「私は! レオノールーーーー!」
レオノールの繰り出した一撃は、左逆袈裟にオーグレイルを斬り裂いた。
裂け目からは鮮血の代わりに光が溢れる。
攻撃も防御も間に合わず、断末魔を上げる間もない。
オーグレイルは両腕を伸ばした体勢のまま、眩い光に呑み込まれて姿をかき消される。
それは、束の間に訪れた静寂だった。
オークの群れ、ゴブリンにゴーレム。
どの魔物も、オーグレイルの命令に従順だ。
しかし、その攻撃は雑で鈍く、単調で単純。どこまで行っても烏合の衆。
無秩序に降り注ぐ雷撃も、意図した攻撃ではなく掌握できていない危うさを露呈していた。
「セレス、ブルネン!」
レオノールが指示を出すと、前方のセレスとブルネンは二手に分かれ、レオノールの進路を開く。
「任せろ、来い!」
ブルネンは目にも留まらぬスピードで、十連撃を繰り出してゴーレムを粉砕する。
レオノールはそのブルネン目掛けて加速した。ブルネンも同時に跳躍する。
「レオ、飛べ!!」
レオノールはブルネンを踏み台に、高く跳び上がる。
「小癪な、空も飛べぬ貧弱な人間が、私に近づけると思うなよ」
オーグレイルの右手がレオノールへ向けられ、炎の槍が雨となって襲ってくる。
炎の礫を剣で払い、払えぬ分は甘んじて受け入れる。
武具で覆われている部位は無事だが、燃えるような赤髪が、頬が、ジュゥッと焼け焦げた。
レオノールの技の射程まであと数メートル。だがそこへ妨害を食らい、あと少しのところで減速する。
……近づける。いいや、確実に攻撃は届くと確信していた。
セレスの呪文詠唱と共に、地上から凍てつく風と氷の刃が吹きつける。
レオノールはその氷に乗り猛スピードで上昇した。
「くっ……馬鹿な!」
一瞬で間合いを詰める。
オーグレイルは眼前だ。
「オーグレイル、アンタは勘違いしてる。人間の姿を手に入れて、最強になったって」
レオノールは、最後の1歩分、オーグレイルと距離を詰める。
「今のアンタは中途半端よ。以前のほうが、よっぽど強かった」
両脚を軸に半身を捻って構えをとり、しかし危機を感じ取ったオーグレイルは咄嗟に喉を逸らした。
フードが頭から落ちて、黒々とした前髪が冷風で舞い上がる。
「グ! 思い上がるなよ、私はーー」
それでも魔竜王は、威丈高な態度を崩せない。
不敵な笑みを引きつらせ、両の腕をレオノールへと伸ばす。
掌には禍々しい色のエネルギーの塊が集束しつつある。
だが一連の仕草はレオノールを滅するべき仇として狙い定める一方で、救済を求め縋り付く求愛行動のようでもあった。
レオノールはその目に宿る畏怖と憧憬を、真正面から受け止める。
オーグレイルが攻撃を放つ前に、方がつく。
ーー次の生があるのなら、どうか一からやり直せますように。
レオノールは左に半身を引き、渾身の斬撃を放つ。
『女帝の裁定』
祈りの気持ちが呼応して、剣身から光が迸った。
「私は! レオノールーーーー!」
レオノールの繰り出した一撃は、左逆袈裟にオーグレイルを斬り裂いた。
裂け目からは鮮血の代わりに光が溢れる。
攻撃も防御も間に合わず、断末魔を上げる間もない。
オーグレイルは両腕を伸ばした体勢のまま、眩い光に呑み込まれて姿をかき消される。
それは、束の間に訪れた静寂だった。
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