記憶喪失ですが、夫に溺愛されています。

もちえなが

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海の中で揺蕩う海月のような心地だった。

真っ暗闇の中で、水の中のようにひどく体が重く、息苦しい。
 
自分が今どこにいるのか、そもそも自分は誰なのか、全ての輪郭がはっきりとしない。

ただ、体の内側から広がる熱く痺れるような快感だけはたしかなものとして感じ取ることができた。

「あぁんっ、んぁあっやあああっ、こわぁぃぃっ」
「はっ、は、ん、、リー、ヴェ」

だからこそ、目の前にある大きな身体にしがみついていないと、荒波に飲まれて消えてしまいそうで怖かった。

「リーヴェ、大丈夫、俺を見て、俺だけを感じて」
「っ、はっ、、ぁっ、、、オ、ルフェ、、、オルフェ、オルフェ!」

やだ、見失いたくない。怖い。
快感さえも何もわからなくなるのが怖い。
消えてしまわないように、確かなもので刻みつけてほしい。

「リーヴェ、はっ、絶対離さない、愛してる!」
「あぁぁっ、オルフェ、オルフェ、~~~~っ!」

オルフェ。私の命。
貴方に愛されていないと、私は息もできない。
貴方に愛されていないと、私は人の形を保てない。

貴方に愛されていないと――、いや、
貴方の愛を失ったら――、

ああ、想像しただけで、四肢が切り裂かれるほど痛くて苦しい。
 
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