記憶喪失ですが、夫に溺愛されています。

もちえなが

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6.くすぐり

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「くしゅん」
「ふふ、遊びすぎましたね」

氷の魔法で遊びすぎて、お湯もすっかり冷えてしまった。

オルフェが石に手をかざすとお湯が浴室へ溜まりだす。

「これは魔法石という魔力をもつ石です。
この浴槽自体が、魔法石を組み込んだ魔道具で、少しの魔力で水を出したり、温めたりしてくれるんですよ」
「へぇ~」

「リーヴェは魔力を使いすぎたから、また今度ですよ」
「むぅ」

使ってみたいのがバレてしまった。

「さぁ、身体を綺麗にしましょうね。ほらばんざいして」
「はーい」

浴室の椅子に降ろされて、するすると慣れた手つきで、服を脱がされる。

裸になっても、浴室内は温かさが保たれていた。

「これも魔法?」
「ええ、家全体を快適な温度にしてくれる魔道具を壁に組み込んでいるんです。」
「すごい!」

「ふ」

オルフェは意味深に笑うと、眼鏡を外し自分の服も脱ぎ出した。

「わ」
 
初めて見るオルフェの裸にドキドキしてしまう。

眼鏡を外したオルフェは、禁欲的な印象からワイルドな雰囲気に変わる。

そして想像以上に分厚い胸とがっしりした腕に、綺麗に割れたお腹。

何よりも気になるのは、身体中に切り傷のようなものが刻まれていることだった。

「リーヴェのえっち。」
「はわっ!」

じっと見つめているのがバレて、揶揄われる。

急いでぷいっとよそ見をすると、くすくすと笑われながらズボンを脱ぐ音が聞こえた。

「リーヴェお待たせしました、抱っこしますね」

脇に手を入れ持ち上げられると、オルフェの座る膝の上へ下ろされる。

背中から抱き込まれ、素肌と素肌が触れてドキドキが止まらない。

「ふふ、また真っ赤になってる。さっきまでの元気なリーヴェはどこに行ったんですか?」
「うぅ……」

頬をつんつんと突かれながら、からかわれた。

オルフェがシャワーヘッドを手に取ると、お湯が流れる。
 
「わ」
「まず頭を洗いましょう。目を瞑って」

頭から優しくお湯をかけられると、シャンプーをつけた両手でマッサージされる。

久しぶりにしっかりと頭を洗ってもらえて、とても気持ちがいい。

「強くないですか?」
「ううん、気持ちいい」
「よかった」

シャワーで流されて、次は香油を手に取ると髪に撫で付けて、手櫛で整えてくれる。
 
「髪、結構伸びましたね」
「そう?」

「ええ…。」

ということは、昔はもっと短かったのだろうか。
オルフェもそっちの方が好きなのかな。

「切った方がいい?」
「…いいえ。どちらも素敵ですが、長い方が俺がお手入れできますからね。お世話のしがいがあります」
「もう、なにそれ」

くすくすと笑っていると、オルフェが石鹸を泡立てて、顔を洗ってくれる。

ぬるま湯で優しく石鹸を落とすと、次は身体用の石鹸を泡立てた。
 
「それでは身体を洗いますね」
「うん」

首から耳裏、肩、腕と優しく手を滑らせて泡を伸ばす。
指の股から指先まで丁寧に撫でられ、その調子で脇に触れられるとつい声が出てしまう。

「ふ、ふは、くすぐったいよ」
「でもしっかり洗わないとダメなんですよ?ほらこしょこしょこしょ」

オルフェはそう言って、明確にくすぐってきた。

「あははは、やめ、やめてよぉっ、はは」

そうして意地悪をしてくる大きな手が胸を撫でたときに、また違ったくすぐったさが襲った。
 
「んぅっ」
 
乳首をかすめた瞬間、ビクッと胸を突き出してしまう。

オルフェに後ろから抱き込まれて、耳に囁かれる。

「リーヴェ、ここもちゃんと洗わないとね?」

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