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第15.5話 夜の子育て相談室
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久しぶりに会った双子の弟と意気投合していたある日のこと─
「えー二件目はいつものおでん屋さんじゃないのー?」
「もう暑いんだから、おでんではないでしょー!?」
「僕こういう所より、ゆっくり飲みたい派なんだけどぉー」
「おにぃは分かってないなぁー。ここ可愛い子多いんだから!ねっ!」
と、ガシッと腕を組まれた。
「もーキッカリ一時間だけだからね!」
通行人には、おじさん同士がちちくりあってる様にしか見えなかった。
だけど、アキヨシにとっては若い頃のままの可愛い弟におねだりされてる様に見えていた。
そう、アキヨシはブラコンだった。
(こいつ既に出来上がっちゃってるし。僕が気をけないと半端ない料金がかかりそうだから仕方なくだからね!)
なんだか弟が心配で、付いていった夜の飲み屋さん。
案内されるがまま席についた。
「ミネルヴァちゃーん!此方のお客様お願いね。」とママが手招きをした。
「ハァ~イ。オキャクさん、ゴキョウダイ?」
外国のお姉さんが、ほの暗い室内ときらびやかな照明で怪しげに輝いて見えた。
「アキヨシ、もしかしてツカレテルノ?」
「えーわかりますー?ミネルヴァさんの本物の片言いいなぁ………あの子の拙い片言とは大違い。」
「アキヨシ、オコサン居るヒト?」
「突然子持ちになったんですよー。擬人化した娘でぇー」
「ムスメさん、何のドウブツだったデスカ?」
「それめちゃくちゃ言いたいんだけどぉー秘密にしなくっちゃいけなくてーそれも疲れるぅ。」
「お話ナガクなりそうネ。アキヨシ私も飲み物タノンデヨイデスカ?」
「オーケーオーケー。」
チャリーン…と、こ手始めにお姉さんのお飲物代が課金された音がした。
「弟よ!おにぃはお前が羨ましい!綺麗な奥さんと子どもが居るくせに、大人の遊びなんか覚えやがって!同じ双子なのにおかしくないかぁー?………なんだ、お前のグラス空じゃないか……」
「ガンバった自分へのゴホウビにドウデスカ?これなんかオススメですヨ?」
「ミネルヴァさん、気が利くー!それじゃーこのボトルのやつ。晴義も飲めー。」
「イエーイ!おにぃだーい好き!だけどぉ………おにぃには俺のこの空虚な気持ち………わかんないんだろなぁー」
チャリーン。ボトル一本課金されました………。
「あの子、僕の真似ばっかりしてたのにぃ……最近生意気にも、外で色んな言葉覚えてきてさあ……僕の事たまに小馬鹿にすんのー」
「わかるわー、うちも娘だから、いつの間にか嫁と女同士の同盟結んでるからね!それで、俺のけ者にされる時あるかんね。」
「何だよぉー。それノロケにしか聞こえねーんだけどー。」
「だけどぉーおにぃは凄いよ!頭良いから、好きな事仕事にしてさぁー……俺なんて凡人……」
「おいおい……無い物ねだりかよぉー」
「それは、お互いさまだから。ほんと双子なのに、おにぃと全然同じになんなかったなぁ………」
「オキャクサンお時間デスヨ?ご延長ナサル?」
「ミネルヴァさーん、延長したらもっと話聞いてくれるー?」
「もちろんキクヨー。…………おタバコ失礼シマース。」
「おにぃは、独身だから美人に話きいてもらっても罪悪感ないからねー!良いだろうー?」
「それ、ズルいよぉー!」
「なんだよ、ポコポコ叩いてきやがってー可愛い愚弟だな!」
「気持ち悪い程仲の良い兄弟ね……」
「ミネルヴァさん、今何か言ってた?」
「言ってナイヨー。良かったら、アキヨシの娘のお話キクヨー?」
チャリーン。延長料金が課金され………
遂にアキヨシは、ミネルヴァさんの膝で号泣していた。その隣では、弟がソファにもたれて寝てしまっていた。
「ソコニ居ると灰カカルヨー。」
「ミネルヴァちゃんのなら、かかっても良い!」
ミネルヴァさんは、ふぅーとため息の様に煙をはいた。
「うちの娘さぁ、ちょー不気味でぇ、僕にトラウマを─」
「うちの娘さぁ、自分の命の尊さとかわかってんのかなぁ………」
「うちの娘さぁ、いつまで一緒に居てくれるのかなぁ………」
「うちの娘さぁ、強風の日はほんとに飛ばされるからね。だからいつも送り迎えを─」
「うちの娘さぁ、食費かかんないから良い─」
(娘の愚痴と心配とよくわからない自慢が交互にくるわね………。)
ミネルヴァさんは、面倒な客だけどその話自体は興味を持って聞いていた。
「そんな子が………また増えたらどうしよう!」
「アキヨシ………それはちょっと考えスギヨ?一家にヒトリ居るダケデ奇跡デスカラ。」
「うちの娘さぁ、最近凄い自分だけモテててズルいんだよ?」
「アキヨシはまだまだワカイ。これからデスカラ大丈夫デス!」
「いいもん。僕は結婚出来なくても美人のお手伝いさんを雇って─」
「あっそだ、ソレはイイとオモウヨ?私のカワイイ姪も擬人化ですガ、カジダイコウし始めたのデス!ゼヒご指名シテアゲテ下サイ。」
「家事代行の人はもう間に合ってて………ごめんねえ。」
「うちの姪はとにかくカワイイですし、ご紹介割引付きヨ?イチオウ名刺ワタシテオキマスネ!」
と、ミネルヴァさんの両手で包まれるように渡され、アキヨシは悪い気がしなかった。
むしろ、一気に疲れが吹き飛んだ気がした。
(まあ私って、人を見る目はあるのよね。色々ダメな男だったけど、悪いやつじゃないし。羽振りも良いし。何より擬人化の娘を持ってところが好感が持てる。姪の仕事場として悪くないわ。)
そして会計の時間…………その金額を見てアキヨシの酔いが一気に覚めた。
「弟よ………タクシー代は出せ!」
「えーおにぃんち遠いじゃん。」
「じゃぁ……これ、割り勘にするか?」
「…………おにぃ、優しい…………」
その後アキヨシは、今夜の反省をし、家計の見直しと仕事の方針やら考えるのに忙しくなった。
「えー二件目はいつものおでん屋さんじゃないのー?」
「もう暑いんだから、おでんではないでしょー!?」
「僕こういう所より、ゆっくり飲みたい派なんだけどぉー」
「おにぃは分かってないなぁー。ここ可愛い子多いんだから!ねっ!」
と、ガシッと腕を組まれた。
「もーキッカリ一時間だけだからね!」
通行人には、おじさん同士がちちくりあってる様にしか見えなかった。
だけど、アキヨシにとっては若い頃のままの可愛い弟におねだりされてる様に見えていた。
そう、アキヨシはブラコンだった。
(こいつ既に出来上がっちゃってるし。僕が気をけないと半端ない料金がかかりそうだから仕方なくだからね!)
なんだか弟が心配で、付いていった夜の飲み屋さん。
案内されるがまま席についた。
「ミネルヴァちゃーん!此方のお客様お願いね。」とママが手招きをした。
「ハァ~イ。オキャクさん、ゴキョウダイ?」
外国のお姉さんが、ほの暗い室内ときらびやかな照明で怪しげに輝いて見えた。
「アキヨシ、もしかしてツカレテルノ?」
「えーわかりますー?ミネルヴァさんの本物の片言いいなぁ………あの子の拙い片言とは大違い。」
「アキヨシ、オコサン居るヒト?」
「突然子持ちになったんですよー。擬人化した娘でぇー」
「ムスメさん、何のドウブツだったデスカ?」
「それめちゃくちゃ言いたいんだけどぉー秘密にしなくっちゃいけなくてーそれも疲れるぅ。」
「お話ナガクなりそうネ。アキヨシ私も飲み物タノンデヨイデスカ?」
「オーケーオーケー。」
チャリーン…と、こ手始めにお姉さんのお飲物代が課金された音がした。
「弟よ!おにぃはお前が羨ましい!綺麗な奥さんと子どもが居るくせに、大人の遊びなんか覚えやがって!同じ双子なのにおかしくないかぁー?………なんだ、お前のグラス空じゃないか……」
「ガンバった自分へのゴホウビにドウデスカ?これなんかオススメですヨ?」
「ミネルヴァさん、気が利くー!それじゃーこのボトルのやつ。晴義も飲めー。」
「イエーイ!おにぃだーい好き!だけどぉ………おにぃには俺のこの空虚な気持ち………わかんないんだろなぁー」
チャリーン。ボトル一本課金されました………。
「あの子、僕の真似ばっかりしてたのにぃ……最近生意気にも、外で色んな言葉覚えてきてさあ……僕の事たまに小馬鹿にすんのー」
「わかるわー、うちも娘だから、いつの間にか嫁と女同士の同盟結んでるからね!それで、俺のけ者にされる時あるかんね。」
「何だよぉー。それノロケにしか聞こえねーんだけどー。」
「だけどぉーおにぃは凄いよ!頭良いから、好きな事仕事にしてさぁー……俺なんて凡人……」
「おいおい……無い物ねだりかよぉー」
「それは、お互いさまだから。ほんと双子なのに、おにぃと全然同じになんなかったなぁ………」
「オキャクサンお時間デスヨ?ご延長ナサル?」
「ミネルヴァさーん、延長したらもっと話聞いてくれるー?」
「もちろんキクヨー。…………おタバコ失礼シマース。」
「おにぃは、独身だから美人に話きいてもらっても罪悪感ないからねー!良いだろうー?」
「それ、ズルいよぉー!」
「なんだよ、ポコポコ叩いてきやがってー可愛い愚弟だな!」
「気持ち悪い程仲の良い兄弟ね……」
「ミネルヴァさん、今何か言ってた?」
「言ってナイヨー。良かったら、アキヨシの娘のお話キクヨー?」
チャリーン。延長料金が課金され………
遂にアキヨシは、ミネルヴァさんの膝で号泣していた。その隣では、弟がソファにもたれて寝てしまっていた。
「ソコニ居ると灰カカルヨー。」
「ミネルヴァちゃんのなら、かかっても良い!」
ミネルヴァさんは、ふぅーとため息の様に煙をはいた。
「うちの娘さぁ、ちょー不気味でぇ、僕にトラウマを─」
「うちの娘さぁ、自分の命の尊さとかわかってんのかなぁ………」
「うちの娘さぁ、いつまで一緒に居てくれるのかなぁ………」
「うちの娘さぁ、強風の日はほんとに飛ばされるからね。だからいつも送り迎えを─」
「うちの娘さぁ、食費かかんないから良い─」
(娘の愚痴と心配とよくわからない自慢が交互にくるわね………。)
ミネルヴァさんは、面倒な客だけどその話自体は興味を持って聞いていた。
「そんな子が………また増えたらどうしよう!」
「アキヨシ………それはちょっと考えスギヨ?一家にヒトリ居るダケデ奇跡デスカラ。」
「うちの娘さぁ、最近凄い自分だけモテててズルいんだよ?」
「アキヨシはまだまだワカイ。これからデスカラ大丈夫デス!」
「いいもん。僕は結婚出来なくても美人のお手伝いさんを雇って─」
「あっそだ、ソレはイイとオモウヨ?私のカワイイ姪も擬人化ですガ、カジダイコウし始めたのデス!ゼヒご指名シテアゲテ下サイ。」
「家事代行の人はもう間に合ってて………ごめんねえ。」
「うちの姪はとにかくカワイイですし、ご紹介割引付きヨ?イチオウ名刺ワタシテオキマスネ!」
と、ミネルヴァさんの両手で包まれるように渡され、アキヨシは悪い気がしなかった。
むしろ、一気に疲れが吹き飛んだ気がした。
(まあ私って、人を見る目はあるのよね。色々ダメな男だったけど、悪いやつじゃないし。羽振りも良いし。何より擬人化の娘を持ってところが好感が持てる。姪の仕事場として悪くないわ。)
そして会計の時間…………その金額を見てアキヨシの酔いが一気に覚めた。
「弟よ………タクシー代は出せ!」
「えーおにぃんち遠いじゃん。」
「じゃぁ……これ、割り勘にするか?」
「…………おにぃ、優しい…………」
その後アキヨシは、今夜の反省をし、家計の見直しと仕事の方針やら考えるのに忙しくなった。
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