136 / 139
第90話
しおりを挟む
リアとモズは王都を出発した。
リアは女性の旅路の服装も観察して真似た。冒険者ではないが旅路に在った服装を選んだ。夏である事からブラウスに夜のための上着やストール、スカートは動きやすいように裾の広い、ボタンを留めればパンツにもなるなかなか便利なものだ。と、言っても女性や子供は稀だった。この日もリア以外は1人しかいなかった。
その女性も家族連れだ。リアも一人ではなくモズがいる。と心が温かく気持ちになるリアだった。
「住まわせて貰っている人も来るかと思っていたのに俺だけなのかい?」
「えっと、実は…森の住民の家で居候しているっていうのは、嘘なの。ごめんなさい」
「え?でも、じゃあ森でどうしていたんだい?」
「あ、えっと…」
「リア、話してくれ」
「あぅ…その…」
「リア…」
「わかったわ、でも引かないでね」
「え?」
「実は私にはオーロがいるでしょう?だから小さなテントで暮らしていたの」
「森でテント?そんな所で何週間も過ごしていたのかい?」
「ええ、宿には何泊も泊まるのは禁止だったから…仕方なく…」
またモズにウソを言ってしまった。
「通りで分からなかったわけだ…」
「え?」
「いや、何でもない」
リアはちょっとだけ違和感を感じた。
旅は順調に進み、中間地点の集落まで来た。あと半分だ。この10日間はすごく楽しかった。馬車の人たちとも交流を持ち、キャンプのような事して楽しんだ。食べ物は各自で持ってきていたので他の人たちと交え物々交換をした。
そしてテント広場の近くには屋台も出ていた。旅は面倒で疲れるだけだと思っていたリアはモズと一緒に旅が出来て幸せを感じていた。
屋台ではパンや甘味、串焼きなど彩っていた。リアとモズは屋台で串焼きを買って食べながら歩いていたとき、リアはその幸せを壊す人物を発見してしまった。
オレンジ頭のマオがいた。ガロと一緒だ。オレンジの色はとても映える。遠くからでもすぐに分かってしまった。リアは心臓が飛び出しそうなほど焦った。
モズの腕を引っ張り来た道を引き返した。そしてテント広場に逃げ込み、急いで魔法円でテントを広げ、モズを中に押し込み、リアも入った。モズは何も言わずリアの必死の形相に驚きつつ、それに付き合った。
たくさんのテントの中からリア達を見つけるのはマオの2つの目を持ってしてもムリだろうと思った。あまりマオ達に意識をせずに通り過ぎるのを待った。この中間点にいるという事はコスモポリタンに向かっているのだろうと思われた。
コスモポリタンに行くのか…嫌な予感…何しに行くのだろう。と、リアがテントの中で思っていると、
「マオ、どうした?」ガロの声が聞こえた。
「いや、なんだか知っている気の奴がいると思って…ドクがいればはっきり分かるんだが…」
「昔の知り合いでもこのテントの中に紛れているんだろう。のんびりし過ぎた。行こう」
「はぁ、そんなに急ぐ旅路ではないだろう。そもそもコスモポリタンのような大きくもない街に何の調査に行くんだよ」
「コスモポリタンは税収の滞りがない」
「滞りがないなんて、いい街じゃないか?」
「ああ、いい街だ。だがなんで高い税収の滞りがないんだ。おかしいだろう?」
「払っても払わなくてもいちゃもんを付けるのか…貴族が嫌われるわけだな…」
「貴族とはそんなものだ…」
なんの話をしていたかは聞こえなかったが、やはりコスモポリタンに向かっているようだった。
「知り合いかい?」
テントから顔を出し、マオ達が通り過ぎたのを確認しているリアにモズが聞いた。
「え?」
「さっきの…」
「…ええ、関わり合いたくない知り合いよ」
見えなくなったのを確認してテントを回収した。
「だから隠れたのか?」
「そうなの、ごめんさない。急に引っ張りして…」
「それはいいが…コスモポリタンに向かうって言ってたな。どう見ても普通の冒険者には見えなかったが…」
「なにかの調査って言ってたわね」
「ああ、まぁ心配はいらないと思うけどな。ちょいちょい王都から監査が入る。ちょっと最近時空間バックを売り過ぎていたかもしれないな…そうか…鉱山も取られて王家は新たな財源が必要としているのかもしれないな、色々と探っているのか」
モズはふうとため息を吐く。
「ギルマスには伝えておこう」
そう言うとモズはメール便を飛ばした。
マオはリアに気が付いたのだろうか。このまま王都に行っていいのか、コスモポリタンに戻った方がいいのか、リアは分からないでいた。
「モズ、コスモポリタンに戻った方がいいのではないかしら?」
「さっきの人達って、貴族だろう?」
「え?ええ、そうだけど…」
「なら兄に任せておけばいい。兄もボンクラじゃない」
モズは大丈夫だと言い、王都に向かう予定は変更しなかった。王都にマオやガロがいない事はわかったので少し安心するリアだった。
リアは女性の旅路の服装も観察して真似た。冒険者ではないが旅路に在った服装を選んだ。夏である事からブラウスに夜のための上着やストール、スカートは動きやすいように裾の広い、ボタンを留めればパンツにもなるなかなか便利なものだ。と、言っても女性や子供は稀だった。この日もリア以外は1人しかいなかった。
その女性も家族連れだ。リアも一人ではなくモズがいる。と心が温かく気持ちになるリアだった。
「住まわせて貰っている人も来るかと思っていたのに俺だけなのかい?」
「えっと、実は…森の住民の家で居候しているっていうのは、嘘なの。ごめんなさい」
「え?でも、じゃあ森でどうしていたんだい?」
「あ、えっと…」
「リア、話してくれ」
「あぅ…その…」
「リア…」
「わかったわ、でも引かないでね」
「え?」
「実は私にはオーロがいるでしょう?だから小さなテントで暮らしていたの」
「森でテント?そんな所で何週間も過ごしていたのかい?」
「ええ、宿には何泊も泊まるのは禁止だったから…仕方なく…」
またモズにウソを言ってしまった。
「通りで分からなかったわけだ…」
「え?」
「いや、何でもない」
リアはちょっとだけ違和感を感じた。
旅は順調に進み、中間地点の集落まで来た。あと半分だ。この10日間はすごく楽しかった。馬車の人たちとも交流を持ち、キャンプのような事して楽しんだ。食べ物は各自で持ってきていたので他の人たちと交え物々交換をした。
そしてテント広場の近くには屋台も出ていた。旅は面倒で疲れるだけだと思っていたリアはモズと一緒に旅が出来て幸せを感じていた。
屋台ではパンや甘味、串焼きなど彩っていた。リアとモズは屋台で串焼きを買って食べながら歩いていたとき、リアはその幸せを壊す人物を発見してしまった。
オレンジ頭のマオがいた。ガロと一緒だ。オレンジの色はとても映える。遠くからでもすぐに分かってしまった。リアは心臓が飛び出しそうなほど焦った。
モズの腕を引っ張り来た道を引き返した。そしてテント広場に逃げ込み、急いで魔法円でテントを広げ、モズを中に押し込み、リアも入った。モズは何も言わずリアの必死の形相に驚きつつ、それに付き合った。
たくさんのテントの中からリア達を見つけるのはマオの2つの目を持ってしてもムリだろうと思った。あまりマオ達に意識をせずに通り過ぎるのを待った。この中間点にいるという事はコスモポリタンに向かっているのだろうと思われた。
コスモポリタンに行くのか…嫌な予感…何しに行くのだろう。と、リアがテントの中で思っていると、
「マオ、どうした?」ガロの声が聞こえた。
「いや、なんだか知っている気の奴がいると思って…ドクがいればはっきり分かるんだが…」
「昔の知り合いでもこのテントの中に紛れているんだろう。のんびりし過ぎた。行こう」
「はぁ、そんなに急ぐ旅路ではないだろう。そもそもコスモポリタンのような大きくもない街に何の調査に行くんだよ」
「コスモポリタンは税収の滞りがない」
「滞りがないなんて、いい街じゃないか?」
「ああ、いい街だ。だがなんで高い税収の滞りがないんだ。おかしいだろう?」
「払っても払わなくてもいちゃもんを付けるのか…貴族が嫌われるわけだな…」
「貴族とはそんなものだ…」
なんの話をしていたかは聞こえなかったが、やはりコスモポリタンに向かっているようだった。
「知り合いかい?」
テントから顔を出し、マオ達が通り過ぎたのを確認しているリアにモズが聞いた。
「え?」
「さっきの…」
「…ええ、関わり合いたくない知り合いよ」
見えなくなったのを確認してテントを回収した。
「だから隠れたのか?」
「そうなの、ごめんさない。急に引っ張りして…」
「それはいいが…コスモポリタンに向かうって言ってたな。どう見ても普通の冒険者には見えなかったが…」
「なにかの調査って言ってたわね」
「ああ、まぁ心配はいらないと思うけどな。ちょいちょい王都から監査が入る。ちょっと最近時空間バックを売り過ぎていたかもしれないな…そうか…鉱山も取られて王家は新たな財源が必要としているのかもしれないな、色々と探っているのか」
モズはふうとため息を吐く。
「ギルマスには伝えておこう」
そう言うとモズはメール便を飛ばした。
マオはリアに気が付いたのだろうか。このまま王都に行っていいのか、コスモポリタンに戻った方がいいのか、リアは分からないでいた。
「モズ、コスモポリタンに戻った方がいいのではないかしら?」
「さっきの人達って、貴族だろう?」
「え?ええ、そうだけど…」
「なら兄に任せておけばいい。兄もボンクラじゃない」
モズは大丈夫だと言い、王都に向かう予定は変更しなかった。王都にマオやガロがいない事はわかったので少し安心するリアだった。
32
あなたにおすすめの小説
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
水精姫の選択
六道イオリ/剣崎月
ファンタジー
見た目が美しくも奇異な小国の王女パルヴィは、財政難から大国に身売りすることになったのだが、道中で買うと言った王が死亡したと聞かされる。
買われ故国を救いたいと願う王女は引き返さずに大国へと赴き
平民に転落した元令嬢、拾ってくれた騎士がまさかの王族でした
タマ マコト
ファンタジー
没落した公爵令嬢アメリアは、婚約者の裏切りによって家も名も失い、雨の夜に倒れたところを一人の騎士カイルに救われる。
身分を隠し「ミリア」と名乗る彼女は、静かな村で小さな幸せを見つけ、少しずつ心を取り戻していく。
だが、優しくも謎めいたカイルには、王族にしか持ちえない気品と秘密があり――
それが、二人の運命を大きく動かす始まりとなるのであった。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。
まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。
泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。
それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ!
【手直しての再掲載です】
いつも通り、ふんわり設定です。
いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*)
Copyright©︎2022-まるねこ
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる