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結婚式2
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「せっかくのお化粧が崩れてしまったわね……。ミューラ」
ゆっくりと体を離したアリアが小さく笑って、ミューラを呼んだ。侍女に涙で崩れてしまった化粧を手早く直してもらい、改めて両親に向き直った。
「彼を待たせている。……行こうか」
「私も娘を送り出したいから、手を貸そうかしら」
父と母それぞれから手を差し出され、ルースレアは両手を伸ばした。右に父、左に母。まるで幼い頃のように手を引かれ、少しくすぐったい気持ちになる。
門が近づくにつれ、美しい飾りが施された真っ白な馬車が少しづつ見えてきた。
やがて門にたどり着くと、ルースレアは両親と共に歩みを止める。
「お待たせいたしましたね」
「……いえ、大丈夫です」
馬車の前に立っていたシアンがアリアに声をかけられ、ゆっくりと首を横に振る。それから両親がなにやら話し始めたが、シアンに見惚れるルースレアにはなに一つ頭に入ってこなかった。
自分とおそろいとひと目で分かる衣服は馬車と同じく純白で、襟元や袖口に金糸の刺繍が施されている。三毛の髪は後ろに撫でつけられ、きれいなオッドアイがよく見えた。
ふと、そのきれいな瞳がこちらを向いて、ルースレアは肩を跳ねさせる。
「とっても……きれいだね」
口元だけに優しい笑みを浮かべてシアンがそう告げる。一瞬で鼓動が早くなり、頬に熱が集まっていくのを感じて思わず俯いた。
「ふふっ、照れているようだ」
「ルースレア、顔を上げなさいな」
優しい両親の声に彼女は耳を動かしつつ、ゆっくりと顔を上げる。それからふわりとシアンに笑いかけた。
「……っ」
「おやおや、今度はシアン君が照れてしまったようだ」
「微笑ましくていいけれど、あなた達、そろそろ時間よ」
両親の手がルースレアを導くように彼女の手を引き、その手を今度はシアンが包み込むように握りしめた。
「はい。……アルフレット様、アリア様、この先僕はルースレア嬢をなにより大切にいたします」
「ええ、お願いね」
「頼んだぞ」
最後にもう一度両親と抱き合い、シアンとともに馬車に乗り込む。窓から顔を覗かせると家族が優しく微笑んでいた。
「……この結婚に祝福を!」
大きな鐘の音とともに花びらが舞い踊る。ゆっくりと馬車は動き出し、猫族の教会へと向かい始めた。
家族も後ろから馬車に乗って着いてくる手はずになっている。
祝福してくれる領民たちに窓から手を振りかえすと、なんだかくすぐったい気持ちになる。
「……ルースレア、一緒に幸せになろうね」
ふと優しく微笑みながらそう告げられ、ルースレアの胸がドキドキと音を立てる。返事の代わりに何度も頷くと、そっと目尻を撫でられた。
「……泣いたのかな」
少し、と素直に言えばそっと手を握られる。そのまま恥ずかしさと嬉しさを感じながら、シアンとの時間を楽しんでいると、やがて小さな教会が見えてきた。
「着いたね、手をどうぞ」
御者が馬車の扉を開きシアンがエスコートしてくれる。すぐに教会から見覚えのあるメイドが二人やってきた。フランとメイリーだ。
「この度はおめでとうございます。一度待機室にご案内します」
「ご家族様は私がご案内します……!」
ルースレアとシアンはフランの案内について行く。少し遅れて到着した家族はメイリーが案内するようだ。
待機室は簡素な作りでとりあえず椅子に座る。
「……ルースレア様、ミューラです」
少ししてミューラがやってくる。到着した家族が席について準備する間に、花嫁たちも身だしなみを整え直すのだ。
「……準備整いました」
ドレスや髪、耳や尻尾に至るまで丁寧に侍女が整えてくれた。ミューラに感謝を告げると彼女は優しく微笑む。
「……式の準備も整ったそうですわ」
「ありがとう、フラン。それでは向かおうか、ルースレア嬢」
すっと白い手袋に包まれた手を差し出される。それに手を重ね式が執り行われる聖堂へと向かう。
到着した両開きの扉の前で一つ深呼吸をする。
「ご準備はよろしいでしょうか」
扉の前に待機する執事の言葉に頷くと、ゆっくりと扉が開かれる。
ステンドグラスから入った光がキラキラと輝き赤い絨毯を照らす。正面奥には教会が讃える建国の王ウルルドの石像が飾られている。
左右に並べられた椅子にはルースレアとシアンの家族が別れて座っていた。
「……行こう」
小さく聞こえたシアンの言葉に頷いて、共に歩き出す。緊張はあったが、家族だけの式なのでまだ落ち着いている。
ゆっくりと赤い絨毯を歩き、石像の前で立ち止まった。
「偉大なる建国の王ウルルド様。我ら二人の結婚に祝福と加護をお与えください」
その場にいた全員がシアンの言葉で祈りを捧げる。そして祈りの時間が終わるとシアンとルースレアは向き合った。
「ルースレア嬢、あなたを幸せにすることを今この時より誓います」
『シアン様、あなたとともに生きることを今この時より誓います』
声は出ないが一生懸命、唇を動かす。
誓いの言葉を交わした二人にリングピローを持ったミューラが近づいてきた。
ゆっくりと体を離したアリアが小さく笑って、ミューラを呼んだ。侍女に涙で崩れてしまった化粧を手早く直してもらい、改めて両親に向き直った。
「彼を待たせている。……行こうか」
「私も娘を送り出したいから、手を貸そうかしら」
父と母それぞれから手を差し出され、ルースレアは両手を伸ばした。右に父、左に母。まるで幼い頃のように手を引かれ、少しくすぐったい気持ちになる。
門が近づくにつれ、美しい飾りが施された真っ白な馬車が少しづつ見えてきた。
やがて門にたどり着くと、ルースレアは両親と共に歩みを止める。
「お待たせいたしましたね」
「……いえ、大丈夫です」
馬車の前に立っていたシアンがアリアに声をかけられ、ゆっくりと首を横に振る。それから両親がなにやら話し始めたが、シアンに見惚れるルースレアにはなに一つ頭に入ってこなかった。
自分とおそろいとひと目で分かる衣服は馬車と同じく純白で、襟元や袖口に金糸の刺繍が施されている。三毛の髪は後ろに撫でつけられ、きれいなオッドアイがよく見えた。
ふと、そのきれいな瞳がこちらを向いて、ルースレアは肩を跳ねさせる。
「とっても……きれいだね」
口元だけに優しい笑みを浮かべてシアンがそう告げる。一瞬で鼓動が早くなり、頬に熱が集まっていくのを感じて思わず俯いた。
「ふふっ、照れているようだ」
「ルースレア、顔を上げなさいな」
優しい両親の声に彼女は耳を動かしつつ、ゆっくりと顔を上げる。それからふわりとシアンに笑いかけた。
「……っ」
「おやおや、今度はシアン君が照れてしまったようだ」
「微笑ましくていいけれど、あなた達、そろそろ時間よ」
両親の手がルースレアを導くように彼女の手を引き、その手を今度はシアンが包み込むように握りしめた。
「はい。……アルフレット様、アリア様、この先僕はルースレア嬢をなにより大切にいたします」
「ええ、お願いね」
「頼んだぞ」
最後にもう一度両親と抱き合い、シアンとともに馬車に乗り込む。窓から顔を覗かせると家族が優しく微笑んでいた。
「……この結婚に祝福を!」
大きな鐘の音とともに花びらが舞い踊る。ゆっくりと馬車は動き出し、猫族の教会へと向かい始めた。
家族も後ろから馬車に乗って着いてくる手はずになっている。
祝福してくれる領民たちに窓から手を振りかえすと、なんだかくすぐったい気持ちになる。
「……ルースレア、一緒に幸せになろうね」
ふと優しく微笑みながらそう告げられ、ルースレアの胸がドキドキと音を立てる。返事の代わりに何度も頷くと、そっと目尻を撫でられた。
「……泣いたのかな」
少し、と素直に言えばそっと手を握られる。そのまま恥ずかしさと嬉しさを感じながら、シアンとの時間を楽しんでいると、やがて小さな教会が見えてきた。
「着いたね、手をどうぞ」
御者が馬車の扉を開きシアンがエスコートしてくれる。すぐに教会から見覚えのあるメイドが二人やってきた。フランとメイリーだ。
「この度はおめでとうございます。一度待機室にご案内します」
「ご家族様は私がご案内します……!」
ルースレアとシアンはフランの案内について行く。少し遅れて到着した家族はメイリーが案内するようだ。
待機室は簡素な作りでとりあえず椅子に座る。
「……ルースレア様、ミューラです」
少ししてミューラがやってくる。到着した家族が席について準備する間に、花嫁たちも身だしなみを整え直すのだ。
「……準備整いました」
ドレスや髪、耳や尻尾に至るまで丁寧に侍女が整えてくれた。ミューラに感謝を告げると彼女は優しく微笑む。
「……式の準備も整ったそうですわ」
「ありがとう、フラン。それでは向かおうか、ルースレア嬢」
すっと白い手袋に包まれた手を差し出される。それに手を重ね式が執り行われる聖堂へと向かう。
到着した両開きの扉の前で一つ深呼吸をする。
「ご準備はよろしいでしょうか」
扉の前に待機する執事の言葉に頷くと、ゆっくりと扉が開かれる。
ステンドグラスから入った光がキラキラと輝き赤い絨毯を照らす。正面奥には教会が讃える建国の王ウルルドの石像が飾られている。
左右に並べられた椅子にはルースレアとシアンの家族が別れて座っていた。
「……行こう」
小さく聞こえたシアンの言葉に頷いて、共に歩き出す。緊張はあったが、家族だけの式なのでまだ落ち着いている。
ゆっくりと赤い絨毯を歩き、石像の前で立ち止まった。
「偉大なる建国の王ウルルド様。我ら二人の結婚に祝福と加護をお与えください」
その場にいた全員がシアンの言葉で祈りを捧げる。そして祈りの時間が終わるとシアンとルースレアは向き合った。
「ルースレア嬢、あなたを幸せにすることを今この時より誓います」
『シアン様、あなたとともに生きることを今この時より誓います』
声は出ないが一生懸命、唇を動かす。
誓いの言葉を交わした二人にリングピローを持ったミューラが近づいてきた。
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