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第一章 外れスキル

56.回復ポイント

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 昨日は帰りが遅かったため、寝坊した俺はいつもより遅めにギルドに向かった。

 冒険者ギルドはいつも通り……ではなかった。ギルドで働く職員の様子がおかしい。異様に動くスピードが速かったのだ。

「はい、依頼はこの二点でいいですね。ではステータスに汎化させるので確認してくださいね」

 っというゆったりした感じが普段の受付だった。

 しかし今日は明らかに焦っているのかスピードが早いのだ。

「はい、依頼ですね。登録しました!」
「次の人、依頼はこれがおススメです」
「はい次!」

 いつもより動きのスピードが明らかに早く動作に無駄がない。依頼を受けにきた冒険者がオドオドしているぐらいだ。

 そしてそれは解体屋のベネットも同様だった。いつもは夕方ごろに解体し終わるはずが、昼前には終わって冒険者ギルドでゆっくりとしている。

 今までギルド内で見たことないなかったベネットに声をかけた。

「こんにちは!」

「ああ、ケントか! 昨日は助かったよ。おかげで今日は体が軽くていつもと別人だ」

「流石にそれは言い過ぎじゃないんですか?」

「実際にみんなもそう思っているのか、プラナスを見てみろよ」

 ベネットはプラナスを指差すと、明らかに動く速さがいつもの1.5倍ほど増している。

「たしかに皆さん元気そうですね」

「元気どころじゃないがな」

 ベネットはゲラゲラと声を出して笑っていた。

「今日は依頼どうするんだ?」

「特に決めてはないですね」

 寝坊してギルドに来たためいつもより少なく一つぐらいしかできないだろう。

「なら俺が依頼を出すから今日もお願いしていいか?」

 ベネットは自身で依頼書を書き受付の方へ持っていった。

「あっ、ケントくーん!」

 その頃ちょうどベネットを担当したプラナスが声をかけてきた。

「ベネットさんから依頼が来たけど、指名依頼になる可能性があるから今ここで受けてもらってもいいかな?」

 アスクレ治療院の依頼と同様でその場での依頼受付となった。

 ちなみに依頼は夕方からだった。

「じゃあ、後で頼むぞ」

 そう言ってベネットは解体屋に戻った。

「私もお願いしてもいいかしら? こんなに体が動かしやすいなんて初めてよ。今日はちょうど夜にギルドマスターが帰ってくるからギルド治療院についても頼んでおくわね」

 そのままプラナスも依頼を書き、勝手に依頼を受けることになっていた。

 実際指名依頼になるギリギリのラインだが他の人が依頼を見なければ問題ないのだろう。






 その後依頼の時間まで待っていると、昨日マッサージをした人全てが依頼の希望があり、依頼を受けることになった。

 ギルド職員は仕事後に受けることになっており、手が空いている時間にステータスを開くことにした。

 昨日は忙しく今日も寝坊したためステータスは一度も開いていない。

――――――――――――――――――――

《スキル》 
固有スキル【理学療法】
回復ポイント:34
医療ポイント:1
Lv.1 慈愛の心
Lv.2 異次元医療鞄
Lv.3 水治療法 
Lv.4 ????
Lv.5 ????

――――――――――――――――――――


 明らかに見たこともない回復ポイントという項目ぎ増えていた。

 画面をタップやフリック、ピンチをしてみるが詳細の説明は載っていなかった。

 そして相変わらず画面をスワイプをすると回復ポイントがわかる手がかりをみつけた。

――――――――――――――――――――

スキルツリー『Lv.1 慈愛の心』
 医療系スキルの基本の心得。魔力量に応じて回復魔法が可能となる。
Lv.1 慈愛の心→順従の心→支援の心

――――――――――――――――――――

 Lv.1慈愛の心シリーズに新しく"支援の心"が追加された。いつも通りにスワイプすると順従の心からさらに詳細が確認できた。

――――――――――――――――――――

スキルツリー『Lv.1 支援の心』(回復ポイント入手時で自動習得)

 労う心でスキルを使用すると追加効果が発生される。

[回復ポイント消費]
※回復ポイント100を消費することで追加効果を増やすことが可能。

回復ポイント100消費
1.スピード増加(1.5倍)半日

――――――――――――――――――――

「またわからんポイントだし、これっていわゆるバフスキルってことだよな」

 "支援の心"は名前の通りバフスキルだった。

 まだ検証はしていないが、説明通りだとスキル使用時に汎化されるか、何かしらの影響が出るのだろう。

 そもそも回復ポイントがいつの間に入手して、"支援の心"を覚えたのかわからなかった。





 ふとマルクスとの会話を思い出した。マルクスとラルフが食事を食べてる所にちょうど合流した後だ。

「最近全く痛みがなくなったな」

「あれだけリハビリやってたら良くなりますよ」

 リハビリは毎日欠かさずやっている。今は魔物討伐の依頼も受け、そろそろBランクの依頼を受けようか迷っている段階だ。

「ほんとにケントのおかげだな」

「これで回復してたら良いですけど無理はしないでくださいね」

「おう!」





「あの時って確かマルクスさんは全く痛みがなくなったって言ってたよな」

 症状の落ち着きか治った人が回復ポイントに影響を与えているのではないかと思った。

 ただ、治療をしっかりしているのはマルクスのみで詳しくはわからなかった。

「まぁ、バフスキルってことは今日のお風呂にも入れて効果あるかやってみよう」

 この時は入浴剤程度であったらいいなぐらいとしか思っていなかった。

 後々このバフスキルが冒険者や街の人達に影響しているのをこの時は気づきもしなかった。
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