77 / 281
第一章 外れスキル
77.生活チート
しおりを挟む
しばらく待っているとマルクスとラルフが大量に木材や葉を持って帰ってきた。
「今日の夜ご飯を作ることになったので、焚き火を先に準備してもらっていいですか?」
「ほんとか!」
俺に餌付けされているマルクスとラルフは素早く火を起こし焚き火を作った。食事になるとこの二人の速度は異常なぐらい速くなる。
「ケント準備出来たぞ!」
「ありがとうございます」
俺は鍋に入れたお湯の中に干し肉を入れ焚き火で温めた。
干し肉は保存するために塩が多く使われているため辛めに出来ている。
「はぁー、疲れたわ」
リモン達は血抜きをした兎と鳥数匹、あとは数種類の葉物と果実を持って帰ってきた。
「おっ、ケントが飯作ってるんか?」
「そうです」
「ケントくんって女性じゃないのに料理できるの?」
俺は頷くとリモンのパーティーの人達も驚いていた。それよりもなぜか胸を張っているマルクスとラルフが気になった。
「飯も作れるってすごいな。肉と葉物はどうする?」
「肉を捌けるのなら分けてもらってもいいですか? 解体はしたことないので……」
「おー、それは俺に任しておけ!」
リモンは兎と鳥を持って水が入った樽の方へ向かった。
葉物と果実を受け取った俺は一度そのまま一口食べた。
持ってくるということは食べれるものだが、見たことないものは味も全く想像できない。
いくつか葉物は入れてその中で唐辛子のような形の果実があった。
見た目通りピリッとした刺激があったため味付けとして小さく刻み、最後は調味料で味を整えた。
「ケント肉はどうすればいい?」
肉は軽く切れ込みを入れ、筋を切ってから棒に刺して焼いて食べることにした。
単純に調味料やハーブなどが足りないため何もすることができないのだ。
あとはスープの味を整えて完成したのが干し肉が入ったピリ辛スープと兎と鳥の塩焼きだった。
想像とは違ってキャンプ飯にも程遠いがサバイバル飯よりは食べやすいだろう。
さっそくみんなを呼び、食べることにしたが俺の食事を食べたことない御者とリモン達はなぜか驚いていた。
「いやー、まともな食事じゃなくてすみません」
事前に謝るがどこか反応は異なっていた。
「やっぱ俺のパーティーに入れ!」
「私にも料理教えてください。このままじゃ、マルクスさんの胃袋掴めないわ」
リモンはパーティーへの勧誘、カレンは料理を教えて貰えないかと頼み込んできた。
どうやら俺のサバイバル飯でも評価が高いようだ。異世界の胃袋掴むのは結構簡単なんだろうか。
「パーティーはそのうちですね。料理はマルクスさんの好みのやつでいいですか?」
「おい、ケント!」
「はい!」
カレンの即答にどこかマルクスは照れていた。いい加減早くくっついてしまえ。
今日のテントを二人同じ部屋にして、既成事実を作った方が早いだろう。
俺はそんなことを思っているといつのまにかみんな必死にスープと肉を食べていた。やっぱりそこは脳筋の冒険者と変わりなかった。
あれだけ料理を作ると言っていたカレンでさえもガツガツと食べていた。
その後は見張りをしながらも順番にお風呂に入ることにした。
お風呂の準備は一つしか出来なかったため、夜に見張りをするリモン達から先に入り、一度休んでもらった。
全員入り終わる頃には深夜になっていた。
「やっぱり容器もう一つ必要ですね」
「次の村に寄ったら数個用意して貰いましょうか。野営もあと一日ありますからね」
「お願いします。あとは僕も何か調味料準備しておきますね。やっぱりあれだけだと味も同じになってしまいますしね」
「おー、また作ってもらえるんですね」
御者も普段では味わえない地味なサバイバル料理でも生活チートに魅了されていた。
考えてみれば毎回移動している御者からしてみれば硬い干し肉を齧るよりはいいからな。
そして、一番生活チートに魅了されていたのはリチアだった。彼女はパーティーのもう一人の女性でおっとりした魔法使いだ。
よっぽどお風呂が気に入ったのかリモンを超える勢いでパーティーの勧誘がすごかった。
その晩も特に動物や魔物が出てくることもなく再び俺達は王都に向けて出発した。
「今日の夜ご飯を作ることになったので、焚き火を先に準備してもらっていいですか?」
「ほんとか!」
俺に餌付けされているマルクスとラルフは素早く火を起こし焚き火を作った。食事になるとこの二人の速度は異常なぐらい速くなる。
「ケント準備出来たぞ!」
「ありがとうございます」
俺は鍋に入れたお湯の中に干し肉を入れ焚き火で温めた。
干し肉は保存するために塩が多く使われているため辛めに出来ている。
「はぁー、疲れたわ」
リモン達は血抜きをした兎と鳥数匹、あとは数種類の葉物と果実を持って帰ってきた。
「おっ、ケントが飯作ってるんか?」
「そうです」
「ケントくんって女性じゃないのに料理できるの?」
俺は頷くとリモンのパーティーの人達も驚いていた。それよりもなぜか胸を張っているマルクスとラルフが気になった。
「飯も作れるってすごいな。肉と葉物はどうする?」
「肉を捌けるのなら分けてもらってもいいですか? 解体はしたことないので……」
「おー、それは俺に任しておけ!」
リモンは兎と鳥を持って水が入った樽の方へ向かった。
葉物と果実を受け取った俺は一度そのまま一口食べた。
持ってくるということは食べれるものだが、見たことないものは味も全く想像できない。
いくつか葉物は入れてその中で唐辛子のような形の果実があった。
見た目通りピリッとした刺激があったため味付けとして小さく刻み、最後は調味料で味を整えた。
「ケント肉はどうすればいい?」
肉は軽く切れ込みを入れ、筋を切ってから棒に刺して焼いて食べることにした。
単純に調味料やハーブなどが足りないため何もすることができないのだ。
あとはスープの味を整えて完成したのが干し肉が入ったピリ辛スープと兎と鳥の塩焼きだった。
想像とは違ってキャンプ飯にも程遠いがサバイバル飯よりは食べやすいだろう。
さっそくみんなを呼び、食べることにしたが俺の食事を食べたことない御者とリモン達はなぜか驚いていた。
「いやー、まともな食事じゃなくてすみません」
事前に謝るがどこか反応は異なっていた。
「やっぱ俺のパーティーに入れ!」
「私にも料理教えてください。このままじゃ、マルクスさんの胃袋掴めないわ」
リモンはパーティーへの勧誘、カレンは料理を教えて貰えないかと頼み込んできた。
どうやら俺のサバイバル飯でも評価が高いようだ。異世界の胃袋掴むのは結構簡単なんだろうか。
「パーティーはそのうちですね。料理はマルクスさんの好みのやつでいいですか?」
「おい、ケント!」
「はい!」
カレンの即答にどこかマルクスは照れていた。いい加減早くくっついてしまえ。
今日のテントを二人同じ部屋にして、既成事実を作った方が早いだろう。
俺はそんなことを思っているといつのまにかみんな必死にスープと肉を食べていた。やっぱりそこは脳筋の冒険者と変わりなかった。
あれだけ料理を作ると言っていたカレンでさえもガツガツと食べていた。
その後は見張りをしながらも順番にお風呂に入ることにした。
お風呂の準備は一つしか出来なかったため、夜に見張りをするリモン達から先に入り、一度休んでもらった。
全員入り終わる頃には深夜になっていた。
「やっぱり容器もう一つ必要ですね」
「次の村に寄ったら数個用意して貰いましょうか。野営もあと一日ありますからね」
「お願いします。あとは僕も何か調味料準備しておきますね。やっぱりあれだけだと味も同じになってしまいますしね」
「おー、また作ってもらえるんですね」
御者も普段では味わえない地味なサバイバル料理でも生活チートに魅了されていた。
考えてみれば毎回移動している御者からしてみれば硬い干し肉を齧るよりはいいからな。
そして、一番生活チートに魅了されていたのはリチアだった。彼女はパーティーのもう一人の女性でおっとりした魔法使いだ。
よっぽどお風呂が気に入ったのかリモンを超える勢いでパーティーの勧誘がすごかった。
その晩も特に動物や魔物が出てくることもなく再び俺達は王都に向けて出発した。
12
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる