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第一章 外れスキル

122.謎の箱

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 朝食を食べているとマルクスに声をかけられた。

「今日予定大丈夫か?」

「大丈夫ですよ? 何かありました?」

「ちょっとギルドマスターがケントとラルフを連れて来て欲しいって言ってたからな」

 どうやらカタリーナに呼び出されているようだ。

「分かりました」

「ラルフには伝えてあるから準備ができ次第一緒に行くぞ」

 その後準備を終えると二人とともに冒険者ギルドに向かった。





 冒険者ギルドは今日も朝から賑わっている。

 普段より武器や防具がしっかりしたランクの高そうな冒険者が増えてきており、どこも魔物討伐の話をしていた。

 俺達は受付に向かうとすぐに別の部屋に通された。

「カタリーナ二人を呼んできたぞ」

 部屋に入るとそこには既に破滅のトラッセンメンバーもいた。

「皆さん久しぶりですね」

「ケントくーん、久しぶりだね」

 俺に抱きついてきたのは最近ダブルウィッチと言われるようになったリチアだった。今日も相変わらず機嫌が良い。

「リチアさんはこの前会いましたよね?」

「それは……」

「ケントくんお久しぶりです」

 次に声を掛けてきたのはカレンだった。カレンとは王都に来てから、マルクスと色々あったのを知っていたがあれから会うことはなかった。

「カレンさんお久しぶりです。体調はどうですか?」

「体調……もう!」

 カレンは顔を赤く染めていた。マルクスの方を見るとマルクスも目を逸らしていたため、最近はうまくいっているのであろう。

「リモンさんとカルロさんもおはようございます」

「俺らはついで扱いか」

 男性二人とは時折冒険者でも会っているからな。最近顔を見なかったのはカレンのみだった。

「みんな集まったのじゃな」

 カタリーナは勉強会でも使っている魔力ボードを持ってくるとみんなの前に立った。

 どこかキョロキョロしていたため、俺は近場にあった椅子を運んだ。どうやら魔力ボードに手が届かないようだ。
 
 椅子に乗ったカタリーナは魔力ボードに何かを貼り付けた。

「今から話すことは重要な緊急依頼である」

「えっ?」

「ちょっと待ってください。私達はCランク以上の冒険者ですけど、ケントくんとラルフくんはまだEランクですよね?」

 この場にいるのはBランク冒険者のマルクスとリモン、カルロで女性人二人はCランクだ。

 基本的に緊急依頼などの冒険者ギルドから直接依頼されるものはCランク以上が対象となる。

「今回もケントとラルフのスキルが必要になりそうなのじゃ。ケントこの前の首輪を出して貰えるか?」

 俺はカタリーナに言われた通りに異次元医療鞄から妖精の池で拾った"強制進化の首輪"を取り出した。

「この前の物と全然違う!」

 スキル【魔法使い】であるリチアには違いがわかるのだろう。

「この箱に入れるのじゃ」

 カタリーナは小さな箱を持ち出すとケントにその中に入れるように指示をした。蓋には何かを取り付けるような凹みがあった。

 箱に入れ蓋をすると突然箱が輝いた。

「これで魔力は遮断されて魔石に変換されるはずだ」

 どうやら蓋の凹みに魔石を付けることで魔力が魔素になり魔石に吸収されるらしい。魔石で有れば魔道具に使うことが出来るため問題はない。

「今のはどうしたんだ?」

 そういえばマルクスに強制進化の首輪を拾ったことを伝えていなかった。流石にボスと遊ぶために森に行ったとは言いづらい。

「あれは装備前の強制進化の首輪じゃ」

「装備前?」

「偶然池の中に入っているその首輪を拾ったのじゃ。ケントの話しではその首輪を目指してスライムが大量発生していると言ってたのじゃ」

「ほん? それで?」

 やはりマルクスはどこか怒っていた。魔物が出てきたら話は違う。

「勝手なことしてすみません」

「いや、そこまで縛る気はないが魔物がたくさんいるところに行く時は何か言ってくれ。これでもロニーとアニーから大事な息子を預かっているんだからな」

 マルクスはちゃんと俺達の保護者としての勤めを果たしていた。
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