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第一章 外れスキル

139.居場所

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 俺達は気づくと冒険者ギルドの前で立っていた。正確に言えば俺が無理やり連れて来たんだけどな。

「本当に入るんか?」

「そのために今日歩いたようなもんですよ」

 実は元々体力的に問題がなければ冒険者ギルドに行くつもりだった。

 ただ、人との関わりを避けていた人を無理やりその場に連れて行くのもリスクが高い。

 それでも露店の状況やこの間の受付嬢の反応からして俺は大丈夫だと思っている。

「早く行きますよ」

 扉を開けた瞬間、いつもと変わりなく冒険者達の声が聞こえて来ていた。

 若干無理やりフェーズを引っ張るように介助して冒険者ギルドの中に入れた。

「あっ、ケント!」

 そこにはガレインとラルフが立っていた。

「ん? ガレイン?」

 ガレインが珍しく冒険者ギルドに来ていた。

 以前冒険者ギルドに登録をして、稀に少しずつ依頼を受けたりしていたのだ。

 社会勉強だと言ってお店の手伝いをしているところを見ると王族が職場体験をしているような感覚だ。

 今日もガレインとラルフは一緒に依頼を受ける予定だったらしい。

「フェーズさんこちら友達のガレインとラルフです」

「ガレイン……? どこがで聞いたこと――」

「きっと気のせいですよ。ほら!」

 あの反応はガレインのことを知っているのかもしれない。咄嗟に正体がバレると思い、フェーズを冒険者ギルドの奥に連れて行くと周りの冒険者達は驚いていた。

「おい、あれはフェーズじゃねーか!」

 所々でフェーズを呼ぶ声が聞こえて来た。

 その中には冒険者ギルドのギルドマスターであるカタリーナがいた。

「久しぶりなのじゃ」

「カタリーナさん……」

「やっと冒険者に戻る気になったか? 最近のギルドの新人はすごいじゃろ」

 カタリーナは俺を見て笑っていた。すごいって俺のことを言っているのだろうか。

「それはまだ……」

「みんなフェーズを待っておるぞ?」

 周りを見渡すと他の冒険者達も温かい目でこちらを見ていた。

「ネロやドランも待っておるぞ」

 カタリーナからその名前を聞いた瞬間フェーズの目には涙が溜まっていた。

「冒険者か……」

 フェーズが呟くと同時に勢いよく冒険者ギルドの扉が開けられた。

「誰か回復魔法を使えるやつを頼む! 教会から人を呼んでくれ!」

 扉から開けて入って来たのは見たこともない見た目の男だった。その手には血だらけの女性を抱えている。

 やはり冒険者ギルドに運ばれることは多いのだろう。

「ドラン?」
「フェーズ?」

 男はフェーズの顔を見ると驚いていた。ひょっとしたら知り合いなんだろう。

「フェーズ! ネロが死んじまう」

「えっ……おい、どうしたんだよ!?」

 フェーズはそのまま足を引きずりながらも走るように彼らに近づいた。

 彼らはフェーズとともにパーティーを組んでいたメンバーだった。
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