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第一章 外れスキル

166.母親

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 俺は最後の依頼を終えると、すぐにテラスに待っているアリスとアニーの元へ向かった。

「ケントってそんなに頼られてるの?」

「そうだよ」

「ちゃんとお兄ちゃんしてるんだね」

 アリスとアニーの他にミイとシルキーも一緒に座って話していた。

「でも、ケントって私を見たときなんて腰を抜かしてたわよ」

「えっ? シルキーちゃんが可愛くてかしら?」

「違うわ! 私をオバケと勘違い――」

「そーこーまーでー!」

 シルキーが正体をバラそうとしていたため、言わないように口を抑えて阻止した。

「あら、終わったの?」

「全て依頼を終わったから後は母さんと父さんの依頼だけだよ」

「じゃあ、すぐに二階に行くわね」

 アニーに伝えて俺は二階に戻った。しばらくすると、アニーが眠たそうにしているアリスを抱えてきた。

「寝ちゃったみたいだから寝かせておいてもいいかな?」

 アニーは空いているベッドにアリスを寝かせ、俺はアニーを案内した。

「まずはここに足を入れて」

 俺は樽を取り出すと水治療法を人肌温度程度まで発動させた。

 今は足湯に合わせて特注の膝下まで入る樽になった。

 アニーは言われるがまま樽に足を入れた。

「あったかいわね」

「ここで足の緊張をほぐしてからこの後マッサージするね」

「ケントが仕事をしているところを見るとなんか感慨深いわね」

 初めて会ったあの当時はボロボロの状態で連れて来られて、精神も今よりはケトに寄っていた。

「無事に仕事が出来てるのもお二人のおかげですよ」

「またまたー! 王都に来る前に本当のご両親にあってきたんでしょ?」

 アニーは事前にマルクスから王都に向かう最中に俺が住んでいた村に立ち寄ったことを話していたらしい。

「会いました……。外れスキルと言われた俺の力を見せてきたけど、やっぱり捨てられたことには変わらなかったです」

「そっか……」

「でも、俺にはたくさんの家族がいるから今はどうも思ってないよ。母さんや父さんやアリシア、そしてマルクスさんとラルフとたくさんの人達に囲まれているからね」

「ふふふ、ならいいわ」

 落ち込んだ様子もなく俺の元気な姿を見たアニーは安心していた。彼女は本当に俺のこと大事に思っている。前世の俺より少し年齢が上のだけですごく立派な人だ。

「あっ、そろそろ足を拭いてベッドに上がって」

 アニーは樽から足を取り出し、タオルで拭いてからベッドに横になった。

 足から温めたことで全身の体温が上がり余計な緊張が取れていそうだ。

「王都まで疲れたと思うから全身をほぐすね」

「助かるわ! 馬車や野営ばかりで体が痛かったのよ」

 アニーの前身は日頃の家事や仕事もあってか、前身が凝り固まっていた。

 一つずつ筋肉をほぐすように徒手でマッサージをしていると誰かが階段を登ってくる音ともに誰かが扉を開けた。

――ガチャ!

「ケントすまん!」

 扉を開けたのはロニーだった。

「別に大丈夫だよ。そんなに急ぎでどうしたの?」

「これを見てくれ」

 右手にはなにか大事そうに丸めた紙をもっていた。

「まさかそれって――」

「そのまさかだ」

 二人は何の話をしているかわかっているようだ。俺には何の話かも検討がつかない。

「これ見てみろ」

「えっ?」

 俺はロニーに渡された紙を見ると、驚きのあまり固まった。
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