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第一章 外れスキル
253.キャルロの兄
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しばらくするとガレインが顔を出しにきた。
「ガレイン兄ちゃんどう?」
「ミィちゃん似合ってるねー! その辺の令嬢よりも綺麗だよ」
「へへへ、ありがとう」
ミィは嬉しそうに走って行った。
「みんな随分と変わりましたね」
「ガレインのおかげだな」
「いやいや、あれは父上からのプレゼントだよ。私は手配したに過ぎません」
今回、パーティーに参加することになった孤児院の子ども達には服がなかったのだ。
常にみんなのお下がりを着ているためだいぶ生地もボロボロになり、とてもパーティーに行ける服装ではなかった。
そこで王様は褒賞の一つとして孤児院の子ども全員に新品の服を提供してくれた。
貴族みたいなしっかりしたものではないが、平民の中ではしっかりとした服で日常でも使えそうな見た目ととても配慮してあった。
子ども達のことを考えて、動きやすく日常使いできるようなものを選んだのはガレインだ。
「いつも助かるよ! そういえば、さっき執事の人が兄の治療をしてくれて助かりましたと言っていたが全く覚えがなくて……」
「ルーカスですか」
どこかガレインの表情は暗くなった。
「たぶんその人なのかな?」
「あの人は私の執事だった人です。私とケントが初めてあった日のことを覚えてますか?」
「初めてあった日?」
たしか俺がガレインと初めて会ったのは、王都に向かっている最中で遭遇したゴブリンに襲われていた馬車だった。
「あの時に御者をしていたのがキャルロの兄であるルーカスだったんです」
「ただあの人って助からなかったよね?」
「うん。だけど必死に治療をして傷を塞いだ綺麗な姿で帰ってきたことにキャルロは喜んでいたよ」
「そっか……でも助けられる命はたくさんあった方がいいもんな」
あの時は命を救えなかったことで自分の未熟さを感じた時だった。
だからそんなことを思われていたとは思ってもみなかった。
「私も頑張るよ」
「ガレインがそう言ってくれて助かるよ」
「じゃあ、もうそろそろキャルロが迎えに来ると思うから先に行くよ。そういえば、アスクリス公爵家の当主は今日体調不良で欠席するかもしれないって話を聞いたけど変に近づかないようにね」
「わかった」
「パーティー会場のご飯はもっと美味しいから食べすぎないようにね!」
そう言ってガレインは部屋から去って行った。
「ラルフ今の話聞いていたか?」
「ああ、会わないならそれでいいけどね。ただオラにはやらないといけないことがあるからな」
「やらないといけないこと?」
「まぁ、リハビリだな!」
きっと克服しなきゃいけないことをラルフなりにどうやって解決すればいいのかを考えているようだ。
「そういえばやっぱりガレインはさすがだな」
「ああ、そうだな」
「ん? 本当に気づいてる?」
「えっ? 服のことだろ?」
「はぁー」
俺はまたラルフにため息をつかれてしまった。
「ケントはもう少し女心を勉強した方がいいよ?」
ラルフが指を差した方にはくるくると回ってスカートをひらひらさせているミィがいた。
「もう少し服が可愛いって褒めてあげろってことか」
「はぁー、ケントに期待したオラが間違えていたよ」
そんなに俺は間違っているのだろうか。だってガレインはただミィの服が可愛いって言っただけのはずだが……。
――トントン!
「皆さんお待たせしました。今からパーティー会場に向かいますので準備をお願いします」
キャルロが扉を開けて俺達はパーティー会場へ案内されることとなった。
「ここからが戦いだ」
「頑張れよ!」
「ああ」
ラルフの顔はどこか複雑な表情をしていた。
亡くなった家族のことを思っているのだろうか……。
それともアスクリス公爵家に復讐を願っているのか……。
それを知っているのはラルフだけだ。
「ガレイン兄ちゃんどう?」
「ミィちゃん似合ってるねー! その辺の令嬢よりも綺麗だよ」
「へへへ、ありがとう」
ミィは嬉しそうに走って行った。
「みんな随分と変わりましたね」
「ガレインのおかげだな」
「いやいや、あれは父上からのプレゼントだよ。私は手配したに過ぎません」
今回、パーティーに参加することになった孤児院の子ども達には服がなかったのだ。
常にみんなのお下がりを着ているためだいぶ生地もボロボロになり、とてもパーティーに行ける服装ではなかった。
そこで王様は褒賞の一つとして孤児院の子ども全員に新品の服を提供してくれた。
貴族みたいなしっかりしたものではないが、平民の中ではしっかりとした服で日常でも使えそうな見た目ととても配慮してあった。
子ども達のことを考えて、動きやすく日常使いできるようなものを選んだのはガレインだ。
「いつも助かるよ! そういえば、さっき執事の人が兄の治療をしてくれて助かりましたと言っていたが全く覚えがなくて……」
「ルーカスですか」
どこかガレインの表情は暗くなった。
「たぶんその人なのかな?」
「あの人は私の執事だった人です。私とケントが初めてあった日のことを覚えてますか?」
「初めてあった日?」
たしか俺がガレインと初めて会ったのは、王都に向かっている最中で遭遇したゴブリンに襲われていた馬車だった。
「あの時に御者をしていたのがキャルロの兄であるルーカスだったんです」
「ただあの人って助からなかったよね?」
「うん。だけど必死に治療をして傷を塞いだ綺麗な姿で帰ってきたことにキャルロは喜んでいたよ」
「そっか……でも助けられる命はたくさんあった方がいいもんな」
あの時は命を救えなかったことで自分の未熟さを感じた時だった。
だからそんなことを思われていたとは思ってもみなかった。
「私も頑張るよ」
「ガレインがそう言ってくれて助かるよ」
「じゃあ、もうそろそろキャルロが迎えに来ると思うから先に行くよ。そういえば、アスクリス公爵家の当主は今日体調不良で欠席するかもしれないって話を聞いたけど変に近づかないようにね」
「わかった」
「パーティー会場のご飯はもっと美味しいから食べすぎないようにね!」
そう言ってガレインは部屋から去って行った。
「ラルフ今の話聞いていたか?」
「ああ、会わないならそれでいいけどね。ただオラにはやらないといけないことがあるからな」
「やらないといけないこと?」
「まぁ、リハビリだな!」
きっと克服しなきゃいけないことをラルフなりにどうやって解決すればいいのかを考えているようだ。
「そういえばやっぱりガレインはさすがだな」
「ああ、そうだな」
「ん? 本当に気づいてる?」
「えっ? 服のことだろ?」
「はぁー」
俺はまたラルフにため息をつかれてしまった。
「ケントはもう少し女心を勉強した方がいいよ?」
ラルフが指を差した方にはくるくると回ってスカートをひらひらさせているミィがいた。
「もう少し服が可愛いって褒めてあげろってことか」
「はぁー、ケントに期待したオラが間違えていたよ」
そんなに俺は間違っているのだろうか。だってガレインはただミィの服が可愛いって言っただけのはずだが……。
――トントン!
「皆さんお待たせしました。今からパーティー会場に向かいますので準備をお願いします」
キャルロが扉を開けて俺達はパーティー会場へ案内されることとなった。
「ここからが戦いだ」
「頑張れよ!」
「ああ」
ラルフの顔はどこか複雑な表情をしていた。
亡くなった家族のことを思っているのだろうか……。
それともアスクリス公爵家に復讐を願っているのか……。
それを知っているのはラルフだけだ。
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