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第一章 外れスキル

252.貴族との違い

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 俺達は城に向かうと初めての貴族街に子ども達の目は輝いていた。

「お兄ちゃんここが貴族街?」

「ああ、そうだよ。ミィも興味あるのか?」

「ううん。私のお父さんがここに住んでいるんだろうなって思って……」

「ミィはお父さんのことを覚えているの?」

「お母さんが毎日"あなたのお父さんは誇り高き貴族だよ"って言ってたのを覚えているぐらい」

「そうか……」

 幼いミィでもその言葉を覚えているということは常に言われ続けたんだろう。

 そんなミィも今は孤児院の孤児として生活している。自分の子どもを捨てるぐらいだから、誇り高き貴族ってのは名だけなんだろう。

 しばらくすると馬車は止まり扉が開いた。

「皆さまお疲れ様でした。本日案内させて頂くキャルロです」

 燕尾服にピシッと整えられた髪型。どこからみても執事にしか見えない姿に子ども達も見惚れていた。

「特にケントさんにはお礼をお伝えしたく今回私が担当させて頂くことになりました」

「俺ですか?」

「はい。兄のルーカスを最後まで諦めずに治療して頂きありがとうございました」

 兄のルーカスと言われたが、誰のことを言っているのかわからなかった。

 俺達はキャルロに案内されるが貴族達の視線は子ども達に向いていた。

「しばらくはこの部屋をお使いください。軽食も準備してあるので、何かありましたら給仕に一言声をかけてください」

「ありがとうございます」

 俺達は会場の準備ができるまで部屋で待つことになった。

「やっぱ俺達はお呼びじゃないってことだな」

「孤児だから仕方ないよ」

「結局は建前だけでもやっておかないと国民に示しがつかないからね」

 しばらく経ってリハビリ少年三人組が話しているところを俺は聞いていた。

 きっとここに来るまでの貴族達の対応について言っているのだろう。

 ジロジロ見られるまでは本人達も気にしていなかった。

 ただ、コソコソとコチラを見て話しているのが気になったのだろう。

「ガレイン先生だけが特別なんだろうね」

「でもそれってケント師匠がいるからであって――」

「俺がどうかしたか?」

 流石に見過ごせなくて俺は会話に入ることにした。

「いや、貴族達は俺達のことをあまり良い目で見てないと思って……」

「あー、それは仕方ないよな」

「仕方ない?」

「だって俺ですらガレインと居たとしてもあんな感じだぞ?」

「そうなんですか! 俺はてっきりもう少し祝い事だから歓迎してくれると思いました」

「世の中理不尽なことが多いからね。この世界は全てが身分とスキルで決まってるし、ガレインもそれで悩んでいたぐらいだからね」

?」

 言語聴覚士のリュクが俺の言葉に反応した。

「ああ、この国だったな! 他のところはもう少し違うって聞いたぞ。魔法国は魔法の実力で変わるらしいしな。世界が広がればもっと考え方が変わるんじゃないか?」

「ふーん」

「ケント先生って突然難しいこと言いますね」

 咄嗟に誤魔化したがどうにかフォローできたようだ。

「それよりもせっかく来たんだから美味しいものを食べて帰ろうよ。考えても変わらないことは変わらないからな」

「そうだな! 師匠ありがとうございました」

 リハビリ少年三人組は軽食がある方まで走って行った。

 そんな俺達の会話を後ろでラルフは聞いていた。

「前から思ってたけどケントって時々大人みたいなこと言うよね」

「えっ!? そうか?」

「基本はどこか抜けているけどね」

「いや、俺はどこも抜けてない……あっ、またため息をつく気だろう」

「ははは、そんなことないよ」

 俺は改めて異世界から転生したことについて考えないといけないと感じた。

 今度ガレインに異世界転生者がいないかバレないように確認してみるか。

 
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