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第一章 外れスキル

257.敵 ※ラルフ視点

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 オラはパーティーで食事を食べているとガレインが声をかけてきた。

「ハワードさんのせいで散々な目にあったよ」

「これで貴族達にバレちゃったね」

 やっと貴族達に解放されたようだ。パーティーが始まった時とは異なり、顔がだいぶげっそりとしていた。

「あれ? ケントはどこに行ったの?」

「ミィとトイレに行くって言ってたけど……」

 トイレに行くと言ってから少ししか時間が経っていたため、戻ってくるには時間がかかるだろう。

「そうか……セヴィオン兄さんが話をしたいと言っていたから声をかけようと思ったのに」

「ならオラが呼んでこようか?」

「私も疲れたから外の風を浴びにいくよ」

 異世界病院の子ども達はハワードと話しているから離れても問題ないだろう。

 ハワードが常連になってから子ども達とはカタリーナより顔見知りになっている。

「そういえば異世界病院の移店ってどうしようね?」

「私は学園に通っているから離れることはできないからな……」

 むしろ学園に通いながら異世界病院で冒険者の依頼を行なっているほうがガレインを同い年ながら尊敬できる。

「ハワードさんは俺のスキルとケントの知識で外れスキルの人を救いたいらしいけど限度があるからね」

「あの人は少し変わってるからね。あっ、ケントがい……」

 オラ達はケントが突然目の前を通り過ぎたため、近寄ろうとすると目の前の光景に唖然とした。

 ミィを突然押し倒したと思ったらケントが動かなくなったのだ。

「ケント……」

「ガレイン今すぐオラにスキルを使え!」

「えっ!?」

「早く!」

 オラは咄嗟に何かあると判断した。ガレインがスキルを発動するタイミングで俺は二人がいるところに駆け寄りスキルを発動させた。

 スキルを発動したらやはり二人以外に誰かがいることが判明した。

「アスクリス公爵家!!」

 何か存在を阻害しているように感じるが、オラの目にはその正体が詳細に見えていた。


――――――――――――――――――――

《ステータス》
[名前] マーベラス・アスクリス
[種族] 魔人/男
[固有スキル] 騎士(魔人スキル)
[職業] アスクリス公爵家、殺人鬼
[罪状] 家族殺害、奴隷殺害、幼児殺害、一家殺害、冒険者殺害、市民殺害、貴族殺害、動物による殺害、魔物による殺害

――――――――――――――――――――

「グリッド!」

 オラはグリッドを二人を守るために設置した。

 また、オラの家族を奪う気なのか。罪状は詳細に表示されており、オラの家族の名前も一家殺害の中に含まれていた。

「ほう、またまた魔力が優れた子どもに会えるとはね。それにしても勝手に見られるのは許し難いな」

「グリッド!」

 何か嫌な感じがしたためグリッドを重ねるように配置した。オラはケント達を守るために前に立ち塞がった。

「ダークボール」

 オラ達に向かって魔法を発動させた。

 魔法であればオラのスキルであれば……。
 
「ぐぁ!?」

 グリッドをそのまま貫通してオラの元まで魔法が飛んで来たのだ。

「なんで魔素にならないんだ……」

「へぇ……この板魔法を魔素にできるんか! 君も便利だね」

 アスクリス公爵はオラの方を見てニヤリと笑っていた。

 オラの全身の毛が逆立つように感じた。

 あの時家族を殺した時の顔と全く同じだ。

「ラルフそんなに急いでどうした……ケント!?」

 どうやら遅れてガレインがケントに近づいてきた。

「ははは、第三王子が到着するとはね。私は甘美な魔力が吸収できるからここで去るよ。楽しいパーティーを過ごせるといいね」

 そう言ってアスクリス公爵は姿を消した。いや、再び存在を阻害させたのだろう。オラには追うことはできなかった。

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