突然ですが、侯爵令息から婚約破棄された私は、皇太子殿下の求婚を受けることにしました!

星ふくろう

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終章 終焉への幕開け

第七十九話 最後に笑う女大公

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  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「さて、そうなるともう帰還することが第一の問題となるわけだが‥‥‥」
 シェイルズがそう言葉を発する。
「この上を見るかどうするか。
 そういうことを言いたいんだろ、お前は?」
 グレンが親友の意図を読み取って答えた。
 二人の目はシルドに向けられる。 
「で、どうなんだ?
 新ハーベスト大公殿。
 最上階には何がある?」
 グレンの問いに、シルドは首を振った。
「ない。
 というよりは、開かない門がある。
 いつか誰かが、その門を開けるだろう。
 だが、僕では開かなかった。
 多分、ここにいる誰が行っても開かない」
「それはなんだ?
 法王猊下でないと駄目と。そういうことか?」
 いや、違う。
 そうシルドは首をふる。
「法王猊下はその門の前まで行き、戻る。 
 それだけが仕事だ。
 いつか戻られる、もしくは目覚められる。
 その御方の様子を見に行く。
 それが仕事だと、先代の法王猊下から僕は聞いている」
「先代の法王猊下ですか、シルド様?
 なぜそのような御方とお知り合いに?」
 ユニスが不思議そうな顔をする。
「それはですね‥‥‥。
 僕がこの通路を見つけたのが、騎士団見習いのある日。
 まだ十歳だった頃。
 そしてここに辿り着くと、猊下が登城する時とたまたま。
 重なったのですよ」
 そんなぐうぜんがあるとはな。
 まったく飛んでもない魔導士だ、お前は。
 グレンとシェイルズが嫌味を言う。
「つまり、この先はまだ人が訪れる場ではない。
 そういうことですね?」
 多分。
 他の三人も同意見だった。
「では、帰りましょう。
 もう夫は手に入りました。
 あとは、先程までの画策の通りに。
 みなさま、どうぞあと十年。
 お付き合いくださいね?」
 ユニスのその笑顔に、帝国の新しい一日が始まった。
 この日を境に、王国、枢軸、帝国の三国は大きくその勢力を変えることになる。
 それは、伝説となる女大公の始まりの物語。
 その序章が終わり、新章が始まる産声をあげた日でもあった。
 しかし、それはまた別のお話‥‥‥。


 長らくのご愛顧、ありがとうございました。


                           (了)



 
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