今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

文月

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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

聖女に個性があるように、聖水にも個性がある?

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 一日でどうこう出来るわけではない。
 だけど、何もやらないより何かやった方がいいんじゃない? そもそも、何かやらないとLevel上がらないしね‥ってことで、「まず何かやろう計画」の意見会が開かれた。
「Level11の聖水とLevel2の聖水の違いは何か。
 味は変わらない。効果の違いも分からない。
 でも、水に込めた魔力量に違いがあるのだから、きっと違うのだろう。
 何が違うのか」
 落ち着いた声でシュナイエスが言った。ハヅキが首を傾げる。
 そういえば‥
「患者さんが治療後「痛くなかった」って言ってた。つまり、あたしの聖魔法は麻酔みたいな効果があるのってことなのでは? 」
 ハヅキが言うとオズワルドが
「ハヅキさん聖魔法には? 」
 と首を傾げた。シュナイエスがはっとした顔をする。
「そうか‥
 聖女も人間だから当たり前に性格が違うよね。当たり前に、魔力量その他の個人差もある。性格とは別に、だ。
 ということは、「得手不得手」とは別に、それぞれ能力にも個性があるのも当たり前‥ってこと? 」
 ハヅキを見て探るような口調でシュナイエスが言った。
 ハヅキもはっとした顔で「そりゃそうですよね‥」としみじみ呟き、
「確かに、
 出来ない、出来る以外にも、この人しかできないって能力もありますね」
 って言った。そして、
「怪我の治癒に強い聖女や病気の治癒に強い聖女っていうのがいます」
 と付け加えた。
 それは、「強味」であり、「個性」の問題だ。
「そして、それはハヅキさんにも当たり前にある? 」
 オズワルドがハヅキを見る。ハヅキの顔がちょっと赤くなる。
 ‥こんな時でもカッコイイオズワルドさん‥。
 って感じなんだろう。シュナイエスはそれに気付いたが苦笑いでスルーだ。
 ハヅキは、コホンと小さく咳払いすると、
「私は聖女になる為の訓練は受けていないので、そういうのは分かりません」
 って落ち着いた口調で言った。
「だけど、そういえば「麻酔効果」が私の個性なのかもしれないですね。
 初めて気付きました」
 オズワルドが「ふーん」と大きく頷き
「そういうもんなんだね」
 と感心したように呟いた。ハヅキが大きく頷いて
「ええ。当たり前にそういうものだと思いますよ。
 聖魔法が使えるなら当たり前に治癒が出来る。聖魔法学の基礎で学ぶのはこの程度です。
 結婚の際に箔がつく‥程度の普通の聖女はこれくらいの知識しか学んでいない人も多いと思いますよ。聖魔法が使えれば、簡単な治癒位出来ますから。だけど、アカデミーでガチで聖魔法を学んだ人たちはこの程度じゃ勿論ないから、区別する意味で彼らは聖魔法学履修者って言ってもいいかもしれない。
 その人たちなら、自分独自の能力ってのも知っているのでしょうね」
 つまり、この世には「結婚相手として優良な見目麗しい聖女」がいっぱいいるけど、「最後の望み」的な扱いをされるガチな聖女は少ないってわけだ。
 だけど、それでも「もともと結婚するまでって思ってたけど、思ったより長く聖女やってて数こなしたせいでベテランになってきちゃったよ」な聖女も多く居て、ある程度の水準保ってるよ、ってとこかな。
 なるほどねぇ‥とシュナイエスがしみじみ呟いて
「ハヅキさんはアカデミーでは? 専攻は聖魔法じゃなかったことなんだね? 」
 ハヅキに確認する。
 ハヅキは頷いて、
「治療魔法を専攻していました。専攻の属性は水魔法でした」 
 と言った。シュナイエスの顔を見てきっぱりと。
 シュナイエスが頷いて
「聖魔法、それだけ強いんなら当たり前にスカウトもあったでしょう。というか多分‥ハヅキさんの持ってる中で一番強い属性は聖魔法じゃない? 」
 また確認するように聞いた。ハヅキもまた真剣な顔で一度大きく頷いて「確かにそうです」と断言してから、
「でも、したかったことは治療学ですから。
 だけど、聖魔法学もほんの基礎だけ学びましたよ。
 持ってる属性は一通り使い方を知ってた方がいいって思ったから」
 にこっと微笑んで言った。
 ハヅキにはいつも迷いがない。
 したいことをしたいってはっきり言う。世間的にいえば「勿体ない」って思われようが、それよりハヅキにとっては「したいこと」が優先なんだ。
 そして、それを実現する為に彼女は人一倍努力をして来た。初等科から教会で治療補助のボランティア活動をして来たって聞いた時には、正直「こいつマジか」って思った。
 きっと得意(聖属性)を極めた方が道は険しくなかっただろう。治癒にしか出来ないことの方がきっと多かっただろう。治療にこだわって‥正直「そこまでする必要があるかな」と思う気持の方がまだ強いけど、それを言うのはダメかなって思う。
 彼女の人生を他人が否定するいわれはない。だから‥
 シュナイエスは「その話はここまで」って心にしまって、にこっと微笑んだ。
『うわ、男前。流石にこれは、ハヅキさんも見惚れちゃうんじゃない!?(※ この世界的感想です)』
 オズワルドは焦った。そして、次の瞬間咄嗟に
「話を元に戻すんだけど、ハヅキさんの聖魔法の個性は「痛みを消す」ってことなのかな? 」
 無理やりシュナイエスとハヅキの間に割って入って言った。シュナイエスの顔をハヅキから隠すように、だ。
 大人気ないと言われようが、こっちは必死だ。なりふりなんて構ってられない。
 ハヅキはちょっと驚いて、でも、次の瞬間、オズワルドの顔がいつもより近いことに赤面して俯いた。
「そ‥そうなりますかね? 」
 うつむいたまま、小声で言った。
 一方オズワルドもそんなハヅキの様子に『そういえば距離近くね?? 』って今更気付いて慌てて飛び退いた。
 傍から見たらきっと「ういういしいわ~。甘酸っぱいわ~」な光景なんだけど、そんなことに疎いシュナイエスは全然見ていない。
「ふむ。ハヅキさんの場合で言うと、魔力量の違いは麻酔の効果の強さって言えるわけだな」
 って落ち着いた口調で言った。
「‥! そういうことになりますね」
 ハヅキがはっとした顔をする。シュナイエスが頷いて、
「麻酔の効果が強い方がより痛くないから、出来る限りLevelの高い聖水の糸を使えばいい‥って単純にそういうわけではない可能性もあるね。例えば、単純に「作るのに手間がかかる」ってこともあるだろう。手間がかかって大量生産に向かない。それ以外には‥例えば患者の身体に与える影響はどうかとかいう問題も考えられるね」
 と言うとハヅキも大きく頷いて、
「それはあると思います。聖魔法は無属性とはいえ、やっぱり他人の魔法が身体に入るのには違いないわけですからね」
 って言った。
『うん。何となくそれはそうなような気もする』『何らかの手が加わったんだから、全くないってことは絶対ないよね』
 分からないなりに話を聞いて理解しようと努力するオズワルドも頷いた。
「あの」
 ハヅキがオズワルドを見る。
 真剣な顔で。
 真剣‥というか、懇願するような表情だ。
「治療の糸のことに並行して‥私は治療師のランクを上げなければいけないのです。あの‥無理だったら勿論断ってもらっても構わないのですが‥」
「え? 」
 真剣なハヅキの顔に、ドキドキオズワルド。『お願いなら、出来る限り叶えるけど? 』って顔になってる。
「俺に出来ることなら‥」
 って言いかけたオズワルドの言葉に重なるようにハヅキが「お願い」を言う。
「治療師ランクアップのために沢山治療をしないといけないので‥オズワルドさんの騎士団でボランティアでいいので治療させてもらえないでしょうか!? 」
「ええ!? 」

 急にドキドキ展開来ましたよ? オズワルドの職場で、ハヅキとオズワルド急接近の予感‥! は、あるか?!
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