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第一章 帰還と波乱
第四十三話 到着と疑念(アメリア視点)
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「妄想を司る邪神、か……さすがに、侮り過ぎたらしい」
崩れゆく時計台を眺めながら私は後悔を漏らす。しかし、後悔先に立たず。今はとにかく、暴走したセイを止めて、邪神を捕まえることが最優先だ。
「誰だ、妄想を司る神が弱いなどと言ったのは」
そんな不満を漏らしながらも、私はそっと、猛毒の針を構えた。
全員の意見の一致によって、ティアルーン国へ向かった私達。その滑り出しは、順調だったのだ。ティアルーン国に最短で到着した私達は、入国手続きを自らの姿を模した自分の天使に入国手続きの列に並ばせて、姿を消した状態で入国した。全ては、時間短縮のため。全ては、ユレイラ様やイリアス様を犯罪神にしないため。神が人の作る法になど縛られるわけもないのだが、人間界で暮らす以上ある程度は守っておかなければ、後々が厄介だ。
「とにかく、妄想の邪神とやらの居場所を特定しよう。ミーシャが来るまでに、それができていることが理想だよ」
このメンバーの中では、もっとも人間界に詳しいと思われるセイの言葉に、私達は素直に従う。いや、従おうとして、すぐに、それに気づいてしまう。
「もしかして、その邪神、あそこに居るのでは……?」
妄想を司る邪神は、自身の居場所を隠すことなく、街の中心に聳え立つ時計台に濃厚な気配を漂わせていた。
フィオナ様の指摘で、明確に全員がその場所を意識する。当然、ことが順調に進むのは良いことだ。良いこと、なのだが……私はどうにも、聞いている話に出てきた妄想を司る邪神と、現在感知できる邪神が同じ存在なのかという疑念をわずかに抱く。
(いや、考え過ぎ、か……?)
ユレイラ様達を助けることが一番の目的である以上、順調であることは喜ばしいことだし、今、異を唱えてそれが遅れることだけは避けたい。
「っ、予定変更だよっ。さっさと邪神を捕まえる。そして、ミーシャが来る頃には、ユレイラ達を迎えに行けるように準備しておこう」
セイの言葉もあり、私はわずかな不安を振り払い、姿を消したまま先行することにする。
(妄想を司る邪神……その能力までは分からないが、昏倒させてしまえば、何の意味もない)
眠り薬も麻痺毒も、しっかりと常備している。一柱の邪神ごときに遅れをとるわけがない。この時は、本当にそう思っていた。その邪神の能力を実体験するまでは……。
崩れゆく時計台を眺めながら私は後悔を漏らす。しかし、後悔先に立たず。今はとにかく、暴走したセイを止めて、邪神を捕まえることが最優先だ。
「誰だ、妄想を司る神が弱いなどと言ったのは」
そんな不満を漏らしながらも、私はそっと、猛毒の針を構えた。
全員の意見の一致によって、ティアルーン国へ向かった私達。その滑り出しは、順調だったのだ。ティアルーン国に最短で到着した私達は、入国手続きを自らの姿を模した自分の天使に入国手続きの列に並ばせて、姿を消した状態で入国した。全ては、時間短縮のため。全ては、ユレイラ様やイリアス様を犯罪神にしないため。神が人の作る法になど縛られるわけもないのだが、人間界で暮らす以上ある程度は守っておかなければ、後々が厄介だ。
「とにかく、妄想の邪神とやらの居場所を特定しよう。ミーシャが来るまでに、それができていることが理想だよ」
このメンバーの中では、もっとも人間界に詳しいと思われるセイの言葉に、私達は素直に従う。いや、従おうとして、すぐに、それに気づいてしまう。
「もしかして、その邪神、あそこに居るのでは……?」
妄想を司る邪神は、自身の居場所を隠すことなく、街の中心に聳え立つ時計台に濃厚な気配を漂わせていた。
フィオナ様の指摘で、明確に全員がその場所を意識する。当然、ことが順調に進むのは良いことだ。良いこと、なのだが……私はどうにも、聞いている話に出てきた妄想を司る邪神と、現在感知できる邪神が同じ存在なのかという疑念をわずかに抱く。
(いや、考え過ぎ、か……?)
ユレイラ様達を助けることが一番の目的である以上、順調であることは喜ばしいことだし、今、異を唱えてそれが遅れることだけは避けたい。
「っ、予定変更だよっ。さっさと邪神を捕まえる。そして、ミーシャが来る頃には、ユレイラ達を迎えに行けるように準備しておこう」
セイの言葉もあり、私はわずかな不安を振り払い、姿を消したまま先行することにする。
(妄想を司る邪神……その能力までは分からないが、昏倒させてしまえば、何の意味もない)
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