悪役令嬢の神様ライフ

星宮歌

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第二章 異質な神界

第百十話 嫌がらせの日々9(ピンク頭視点)

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 ホラーというジャンルで行う嫌がらせ。そんなもの、大元になるものすら存在しないと思っていた私は、はたと気づく。


(いや、あの、どこでどうやって撮ったのか分からない写真も、ホラーの一種……?)


 思えば、不可解な現象はあまりにも多かった。上位世界の神であるにもかかわらず、悪役令嬢に設定したただのそこら辺に居そうな神に遅れをとってきたのだ。それにはきっと、何か重大な秘密が隠されているに違いない。


「とにかく、ここから出るわよ」

「っ、あぁ、そうだね」


 仕掛けてくるタイミングがいつか分からない以上、あまり破壊したくない場所に居続けるのは危険だ。そう、思っての行動だったのだが……まさか、こんなことになっているとは思わなかった。
 壊れていない方の扉を、ガラッと開けた瞬間、私達の目に飛び込んできたのはあり得ない光景。


「……え……?」

「は……?」


 確かに、私達が居た教室は一階だ。だから、その影響がなかったのも理解できる。……いや、やっぱり、理解できない。というか、したくない。

 そんな混乱した思考のまま見つめる先にあるものは…………更地だった。私達が居た教室が角に位置していたことを考えると、恐らく、私達が居た教室だけ・・を残して、全ての教室が砂になっている。


「……あはは……ねぇ、私、夢を見てるの? ふふっ、教室が、ぜーんぶ、なくなっちゃった!」


 さすがに、この光景には、頭なんて働かない。いや、働かせたくない。


「……相手は、神だってことを、俺達は忘れるべきじゃなかったのかもね……」


 聖の神の言葉なんて聞こえない。相手が神であれば、嫌がらせのレベルは段違いだということを覚悟しなきゃいけなかっただなんて、たとえそうであったとしても、これは行き過ぎだと断言できるものだ。
 ただ、悪役令嬢の嫌がらせがこれだけで終わってくれるはずなどなかった。だって……ここに、在籍していたはずの神達の姿が、今は全く見えなかったのだから……。

 ズボッという音とともに、砂となった地面から何かが飛び出る。


「っ……」


 その瞬間を、私は現実逃避のために目撃できていなかったのだが、隣に居た聖の神はバッチリ見てしまっていた。


「待って……ホラーって、まさか……」

「ふふふっ、なぁに?」


 もう、どうにでもなれ、くらいの気持ちではあったものの、聖の神の紙よりも白くなった顔を見て、少しだけ、考えを改める。と、いうより、見たくなかった現実を、そのまま直視してしまった。
 そこにあったのは、半分くらい干からびて、変色した腕。地面から生えたそれは、大地に腕を立てるようにして肘を曲げ……ズズズズズッとその本体を、現したのだった。
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