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第一章 幼少期編
第三十八話 病の原因
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メリーが、私が生まれたその日に視力を失ったことは知っていた。あれだけ私に悪意や恐怖心を持つメイド達が居て、その話が耳に入らないなんてことはあり得ない。そして、メリーが視力を失ったのは私が生まれたことによる呪いだと噂される中、それでも私を愛してくれるメリーに、何がなんでも助かってほしいと思うのは当然だろう。
(作戦その一だけで成功して良かったぁ)
メリーに万能薬を飲ませる作戦は三段階あった。一段階目は、素直に私が作ったから飲んでほしいと頼むこと。二段階目は、泣き落とし。三段階目は、ちょっと気絶してもらって、その間に飲ませてしまうというもの。
できることなら、二段階目までで飲んでほしいと思っていた私は、渋ることもなく、何やら覚悟を決めた表情で飲んでくれたメリーに安心したのだが……。
「みゅ!? めりーっ!?」
その直後、倒れてしまうのは予想外で、装備もしていない私は受け止めるどころか、そのままメリーに巻き込まれて倒れそうになる。
「「ユミリアっ」」
ただ、それは、部屋の隅で私達の様子を観察していたセイと鋼によって止めてもらえる。セイはメリーを抱き止め、鋼は私の後ろに回り込んでクッション代わりになってくれる。
「あ、ありあちょーにゃにょ(あ、ありがとうなの)」
目をパチクリさせながらもお礼を言うと、セイは私に断りを入れて、メリーをベッドに寝かせてくれる。私は、鋼から体を離して、すぐさまメリーの側に駆け寄ってみるが……私に、医術の心得はない。万能薬を飲んだから、おかしなことにはなっていないと思えるものの、心配は心配だ。
「……僕が、診てみようか?」
「みゅ?」
「僕は、その……相手の体が正常かどうかくらいの判断はできる。べ、別に、ユミリアのためにしたいとかじゃないけど……」
最後が尻すぼみになっていたものの、大切な部分はちゃんと聞き取れたため、私はセイにボテボテと駆け寄って、ギュッとセイの手を両手で包む。
「おにぇがいっ! (お願いっ!)」
「っ、わ、分かった」
少し頬を赤くして、視線をさまよわせたセイの返事に、私はセイの手を引いてメリーの側に行く。
「……それじゃあ、診るよ」
メリーを前に、手をかざして魔力を放出するセイ。その魔力は、メリーの全身に行き渡り、ポゥッと光って見える。
「万能薬が効き始めてるみたい。彼女の病気は……ポック病? 珍しいね……倒れた原因は、ただの過労みたいだね」
過労で倒れただけ、というのは、安心して良いのかどうか不明だが、とりあえず、命に別状はないらしい。ただ、それよりも、とても気になる単語があった。
「ポック病……」
ポック病は、『コツ生』でも、『モフ恋』でも出てくる病気で、唯一、人工的に発症させることができる病気として登場する。とある植物の成分が、その発症を促すものであり、また別の植物がそれを重症化させるのだが、普通はそれらを食べることなどない。そして、自然にかかるポック病は、滅多にかかる病気ではないし、重症化することもない。
(メリーは、明らかに死にかけてた。ううん、本当に、死ぬ運命だった)
『病に倒れて死ぬ』。その運命を変えたのは私だ。これで、メリーは助かるはず……なのだが、明らかに、何者かがメリーに病の発症を促すものと、それを重症化させる植物を摂取させたということになる。メリーからしてみれば、毒を盛られたようなものだ。
(誰が、どうして、何のために……?)
『モフ恋』の攻略本にも、メリーが何者かに命を狙われていたなんてことは書いていなかった。ただ、病気でユミリアが二歳の時に亡くなった、としか……。
悩んだところで、情報が少な過ぎる。とりあえず、今の私にできることは、万が一のための薬を色々と作っておくとか、セイ達の誰かにメリーを護衛してもらうことくらいだろうか。
「ん……」
と、そんな風に考えていると、メリーが小さく呻き、瞼をゆっくりと震わせる。私はその様子を、固唾を飲んで見つめた。
(作戦その一だけで成功して良かったぁ)
メリーに万能薬を飲ませる作戦は三段階あった。一段階目は、素直に私が作ったから飲んでほしいと頼むこと。二段階目は、泣き落とし。三段階目は、ちょっと気絶してもらって、その間に飲ませてしまうというもの。
できることなら、二段階目までで飲んでほしいと思っていた私は、渋ることもなく、何やら覚悟を決めた表情で飲んでくれたメリーに安心したのだが……。
「みゅ!? めりーっ!?」
その直後、倒れてしまうのは予想外で、装備もしていない私は受け止めるどころか、そのままメリーに巻き込まれて倒れそうになる。
「「ユミリアっ」」
ただ、それは、部屋の隅で私達の様子を観察していたセイと鋼によって止めてもらえる。セイはメリーを抱き止め、鋼は私の後ろに回り込んでクッション代わりになってくれる。
「あ、ありあちょーにゃにょ(あ、ありがとうなの)」
目をパチクリさせながらもお礼を言うと、セイは私に断りを入れて、メリーをベッドに寝かせてくれる。私は、鋼から体を離して、すぐさまメリーの側に駆け寄ってみるが……私に、医術の心得はない。万能薬を飲んだから、おかしなことにはなっていないと思えるものの、心配は心配だ。
「……僕が、診てみようか?」
「みゅ?」
「僕は、その……相手の体が正常かどうかくらいの判断はできる。べ、別に、ユミリアのためにしたいとかじゃないけど……」
最後が尻すぼみになっていたものの、大切な部分はちゃんと聞き取れたため、私はセイにボテボテと駆け寄って、ギュッとセイの手を両手で包む。
「おにぇがいっ! (お願いっ!)」
「っ、わ、分かった」
少し頬を赤くして、視線をさまよわせたセイの返事に、私はセイの手を引いてメリーの側に行く。
「……それじゃあ、診るよ」
メリーを前に、手をかざして魔力を放出するセイ。その魔力は、メリーの全身に行き渡り、ポゥッと光って見える。
「万能薬が効き始めてるみたい。彼女の病気は……ポック病? 珍しいね……倒れた原因は、ただの過労みたいだね」
過労で倒れただけ、というのは、安心して良いのかどうか不明だが、とりあえず、命に別状はないらしい。ただ、それよりも、とても気になる単語があった。
「ポック病……」
ポック病は、『コツ生』でも、『モフ恋』でも出てくる病気で、唯一、人工的に発症させることができる病気として登場する。とある植物の成分が、その発症を促すものであり、また別の植物がそれを重症化させるのだが、普通はそれらを食べることなどない。そして、自然にかかるポック病は、滅多にかかる病気ではないし、重症化することもない。
(メリーは、明らかに死にかけてた。ううん、本当に、死ぬ運命だった)
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(誰が、どうして、何のために……?)
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悩んだところで、情報が少な過ぎる。とりあえず、今の私にできることは、万が一のための薬を色々と作っておくとか、セイ達の誰かにメリーを護衛してもらうことくらいだろうか。
「ん……」
と、そんな風に考えていると、メリーが小さく呻き、瞼をゆっくりと震わせる。私はその様子を、固唾を飲んで見つめた。
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