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第一章 幼少期編
第六十二話 第二王子の監視(セイ視点)
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「何か、久しぶりな気がする」
「? どうした? セイ?」
ふいに、何かが降りてきたような感覚に、そんな言葉を呟いてしまったが、僕自身も何が何だか分からない。コウの問いかけに僕は首を横に振って、『何でもない』というと、改めて目の前のことに集中し始める。
ユミリアの初恋、及び婚約は、僕達に少なくない衝撃を与えた。何たって、僕も、コウも、ローランも、彼女居ない歴イコール年齢という、何とも寂しい状態だったのだ。それにもかかわらず、まだ五歳になったばかりのユミリアには婚約者なんて存在ができてしまった。もう、それを知った日は、色々とショックで、自分でも分かるくらいに沈んでいた。
ただ、ユミリアの相手は黒目黒髪の第二王子、なんていう、なんとも面倒な立ち位置に居る子供だった。僕達は、お互いに話し合い、ついでにユミリアの父親にも許可をもらって、その第二王子の元へと行ってみることにした。もちろん、姿を見せるつもりはないが。
(まぁ、来て正解だったみたいだけどね)
城の中を情報収集しながら回っていると、僕達はそいつらを見つけた。
「おいおい、それって、あの忌み子宛か?」
「おうっ、アルテナ家の忌み子から、王家の忌み子へってやつだ」
二人の騎士が、一人の片手にある可愛らしい便箋を手にヘラヘラと笑っている。
「そりゃあ、何か悪巧みでも書かれてんじゃねぇのか?」
「あぁっ、そうに違いねぇっ! 俺達は国を守る騎士なわけだから、こいつは処分しねぇとなっ」
心にも思っていないであろうことを大袈裟に告げる騎士達。彼らが持つのは、正真正銘、ユミリアが第二王子へ宛てた手紙であり、『処分』という言葉で僕もコウも殺気を抑えて隠れることが辛かった。そして……。
ビリビリビリッ。
ユミリアが、必死になって選んだ便箋が、ユミリアが真剣に考えた文章が、無惨にも破り捨てられて……。
「「ギャアァァァァァァアッ!!」」
その直後、二人の騎士を電流が襲い、大きな悲鳴があがる。
(そういえば、ユミリア、便箋に何か細工してたけど……これ?)
突然、ユミリア仕込みのトラップが発動したことによって、騎士二人は完全に気絶してしまう。
「……修復、してる」
騎士の方にばかり目が行っていた僕は、そんなコウの言葉に何のことだろうかと視線をさまよわせて、先程破られたはずの手紙に気づく。
「トラップと、自動修復機能つきって……これ、普通の手紙なの?」
「……メリーに聞けば分かる」
もしかしたら、重要な手紙にはこのような細工を施すものなのかもしれないが、だとするなら騎士二人はあまりにも迂闊過ぎた。
「……あの手紙、持っていく?」
「……うーん、コウは、あれに触る勇気はある?」
「……」
「……」
地面に落ちたままになってしまった手紙。しかし、それに触れるのは、多分大丈夫だと分かっていても恐ろしいものだった。
と、その時、風もないのに、手紙がユラリと立ち上がる。
「…………」
コウが、何か訴えるような視線を向けてくるものの、僕だって、どうすべきなのかは分からない。
そして、しばらくすると、手紙はユラリ、ユラリと揺れながらどこかへ向かうのだった。
「? どうした? セイ?」
ふいに、何かが降りてきたような感覚に、そんな言葉を呟いてしまったが、僕自身も何が何だか分からない。コウの問いかけに僕は首を横に振って、『何でもない』というと、改めて目の前のことに集中し始める。
ユミリアの初恋、及び婚約は、僕達に少なくない衝撃を与えた。何たって、僕も、コウも、ローランも、彼女居ない歴イコール年齢という、何とも寂しい状態だったのだ。それにもかかわらず、まだ五歳になったばかりのユミリアには婚約者なんて存在ができてしまった。もう、それを知った日は、色々とショックで、自分でも分かるくらいに沈んでいた。
ただ、ユミリアの相手は黒目黒髪の第二王子、なんていう、なんとも面倒な立ち位置に居る子供だった。僕達は、お互いに話し合い、ついでにユミリアの父親にも許可をもらって、その第二王子の元へと行ってみることにした。もちろん、姿を見せるつもりはないが。
(まぁ、来て正解だったみたいだけどね)
城の中を情報収集しながら回っていると、僕達はそいつらを見つけた。
「おいおい、それって、あの忌み子宛か?」
「おうっ、アルテナ家の忌み子から、王家の忌み子へってやつだ」
二人の騎士が、一人の片手にある可愛らしい便箋を手にヘラヘラと笑っている。
「そりゃあ、何か悪巧みでも書かれてんじゃねぇのか?」
「あぁっ、そうに違いねぇっ! 俺達は国を守る騎士なわけだから、こいつは処分しねぇとなっ」
心にも思っていないであろうことを大袈裟に告げる騎士達。彼らが持つのは、正真正銘、ユミリアが第二王子へ宛てた手紙であり、『処分』という言葉で僕もコウも殺気を抑えて隠れることが辛かった。そして……。
ビリビリビリッ。
ユミリアが、必死になって選んだ便箋が、ユミリアが真剣に考えた文章が、無惨にも破り捨てられて……。
「「ギャアァァァァァァアッ!!」」
その直後、二人の騎士を電流が襲い、大きな悲鳴があがる。
(そういえば、ユミリア、便箋に何か細工してたけど……これ?)
突然、ユミリア仕込みのトラップが発動したことによって、騎士二人は完全に気絶してしまう。
「……修復、してる」
騎士の方にばかり目が行っていた僕は、そんなコウの言葉に何のことだろうかと視線をさまよわせて、先程破られたはずの手紙に気づく。
「トラップと、自動修復機能つきって……これ、普通の手紙なの?」
「……メリーに聞けば分かる」
もしかしたら、重要な手紙にはこのような細工を施すものなのかもしれないが、だとするなら騎士二人はあまりにも迂闊過ぎた。
「……あの手紙、持っていく?」
「……うーん、コウは、あれに触る勇気はある?」
「……」
「……」
地面に落ちたままになってしまった手紙。しかし、それに触れるのは、多分大丈夫だと分かっていても恐ろしいものだった。
と、その時、風もないのに、手紙がユラリと立ち上がる。
「…………」
コウが、何か訴えるような視線を向けてくるものの、僕だって、どうすべきなのかは分からない。
そして、しばらくすると、手紙はユラリ、ユラリと揺れながらどこかへ向かうのだった。
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