悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第一章 幼少期編

第百十話 情報の共有

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 応接室に通された私達親子は、陛下と王妃様に対面する形で着席させられた。そして……。


「すまなかった、ユミリア嬢っ」


 いきなり頭を下げてきた陛下を前に、私は大慌てで頭を上げるように叫ぶ。


「あ、頭をお上げください! 陛下が私ごときに頭を下げる必要はありませんっ!」

「しかし、ユミリア嬢は確かにイルトを守ってくれた。肉体だけでなく、その心まで」

「い、いえ、今回の襲撃は、主にイルト様の心を蝕むためのものだったと言いますか……と、とにかく、そのお言葉は受け入れますので、早く頭をお上げくださいっ」


 そう話せば、陛下はようやく頭を上げてくれる。そして、私の言葉から、当然の疑問を口にした。


「ユミリア嬢は、襲撃を知っていたのか? いや、それどころか、その目的まで?」


 私の言葉に驚愕を示したのは、何も陛下だけではない。お父様もお継母様も……そして、ニコニコ笑顔を浮かべているものの、その表情が固まったように見える王妃様もだ。


「はい、襲撃される日、目的、ある程度の関係者までは特定していました。しかし、肝心の方法というか、要となる物質の形状が分からず、守りを過剰にしなければならなかったという状態ではありましたね」

「いつの間に、そんな情報を……?」

「秘密、です。そもそも、情報の重要性を説いたのは、お父様ご自身ですよ?」

「それはそう、だが……」


 困惑を浮かべるお父様に、私は事実を告げて、それ以上の追及を避ける。実際、『影の耳』達のことは、今はまだ、誰にも話すつもりはなかった。万が一、この情報が漏れでもしたら、私は一気に危険人物、もしくは、利用できる手駒として一斉に狙われるのだ。私一人に対して手を打ってくる分には問題ないものの、家族やイルト王子を狙われたらたまったものではない。確実に情報をもらさないと断定できる人物にしか、今は話せなかった。


「情報源の追及は、やめておこう。だから、詳しい内容を教えてくれないか?」


 陛下は、情報を得る手段に関して何も話さない私に、何か思うところがあったのか、追及しないと宣言して、情報の詳細を求めてくる。


「そうですね。では、まずは襲撃目的から」


 私が掴んだ情報は、第一王子派の過激派がイルト王子を排除すべく、その心を壊すという暴挙に出たというものだ。使用するものは、『呪言の石』。ただし、その形状は不明であり、この襲撃を企んだ黒幕も、今はまだ確定できるだけの証拠がない。確実に関わったと分かる人物に関しては、今は、ローランと鋼、メリーが証拠を集めてくれているはずだった。
 あまりにもエグい排除方法に、陛下達は一様に顔をしかめていた。そして、話が進むにつれて、その眉間のシワはどんどん深くなっていく。


「それは……随分と不自然だな」


 一通り私が知る情報を暴露した後、最初に声をあげたのは、お父様だった。
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