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第二章 少女期 瘴気編
第百七十四話 瘴気の中(ミーシャ視点)
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あろうことか、アルト様にお姫様だっこされた私は、この先に待ち受けるであろう存在のことを考えると気絶することもできず、ただただ、必死に無の境地へ到ろうと心の中で素数……は分からないから、南無阿弥陀仏とだけ唱え続ける。後になって、これは絶対におかしいと気づきはするのだが、今の混乱した頭では、この選択肢しか思い浮かばなかった。
アルト様に抱えられながらも、黒いもやはどんどん濃くなっていく。浄化魔法を応用して、私の魔法に反発するもののみ、黒いもやとして認識する方法は、お姉様に教わったものだ。幼い頃、お姉様と出会った私は、お姉様の下で魔力制御に明け暮れることとなり、無事に浄化魔法を開花させた後は、どこまでそれを応用できるのか実験し続けた。その結果、今は、辺り一帯が黒いもやに覆われている非常に危険な状態だと理解できる。
(このもやの感じは、セイさんと、ローランさん。あ、イルト殿下のも? あと、多分、鋼のもある、かなぁ? ……あれ? 冗談抜きで、国が滅んだりしない?)
私にできて、お姉様にできないこと。それは、もやの感じ方で、相手を特定することだった。そしてその結果、目の前に最悪の未来が迫っていることに気づいて、更に青くなる。ただでさえ、ここまで濃い瘴気の中では、浄化魔法を持つ私には毒だというのに、瘴気に侵された相手が簡単に国を滅ぼせる存在ばかりという事実に眩暈がする。
「ミーシャ嬢、大丈夫か? このまま走っても問題ない?」
無意識に、アルト様の服を握っていた私は、いつの間にか足を止めて、しっかりと私を見つめる優しい緑の目と視線が合う。
「大、丈夫です。だから、早く」
「っ、分かった」
一瞬、アルト様は辛そうな表情を浮かべたものの、それ以上何かを告げることなく、しっかりとうなずいて走り出す。そして、もうすぐ謁見の間というところで、アルト様が悲痛な叫びをあげる。
「っ、母上!!」
その叫びに、アルト様が視線を向けた方向へと顔を向ければ、そこには、王妃様が壁にもたれる形で倒れていた。その側には、メイドや騎士の姿もあって、彼らも一様に倒れている。
そうして、アルト様が一歩踏み出せば、アルト様が持つ指輪がキラリと光り、その直後、私やアルト様の周りから瘴気が退き、体が軽くなる。
「これは……」
しかし、アルト様はそれに気づいていないらしく、どんどんと王妃様の下へと走っていく。
「母上っ、聞こえますかっ? 母上っ」
「アルト様、私を下ろしてください。多分、この方達は、瘴気にやられたのでしょうから、私がすぐに浄化魔法を使いますっ」
そう言えば、アルト様は大きくうなずいて、私を地面に立たせてくれる。
「頼む」
「はいっ、お任せくださいっ」
そうして、私は、王妃様とメイドや騎士達に、浄化魔法を用いた。
アルト様に抱えられながらも、黒いもやはどんどん濃くなっていく。浄化魔法を応用して、私の魔法に反発するもののみ、黒いもやとして認識する方法は、お姉様に教わったものだ。幼い頃、お姉様と出会った私は、お姉様の下で魔力制御に明け暮れることとなり、無事に浄化魔法を開花させた後は、どこまでそれを応用できるのか実験し続けた。その結果、今は、辺り一帯が黒いもやに覆われている非常に危険な状態だと理解できる。
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「っ、母上!!」
その叫びに、アルト様が視線を向けた方向へと顔を向ければ、そこには、王妃様が壁にもたれる形で倒れていた。その側には、メイドや騎士の姿もあって、彼らも一様に倒れている。
そうして、アルト様が一歩踏み出せば、アルト様が持つ指輪がキラリと光り、その直後、私やアルト様の周りから瘴気が退き、体が軽くなる。
「これは……」
しかし、アルト様はそれに気づいていないらしく、どんどんと王妃様の下へと走っていく。
「母上っ、聞こえますかっ? 母上っ」
「アルト様、私を下ろしてください。多分、この方達は、瘴気にやられたのでしょうから、私がすぐに浄化魔法を使いますっ」
そう言えば、アルト様は大きくうなずいて、私を地面に立たせてくれる。
「頼む」
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そうして、私は、王妃様とメイドや騎士達に、浄化魔法を用いた。
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