悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第二章 少女期 瘴気編

第百八十九話 思い出した記憶(ミーシャ視点)

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「うーん、魔王に関する記憶が戻ったは良いけど、肝心の、何でお姉様が魔王の器にされたのかとか、魔王に乗り移られてどんな影響が出るのかとか、その辺りがまだ分かりません」


 ひとまず、イルト殿下が落ち着くまでは、外で待っていようというアルト様の言葉で、私は今、多くの果物が実るという庭に来ていた。ちなみに、今の季節はイチゴがあるらしく、ちょっと心が惹かれてたりする。


「そうか……まぁ、ユミリア嬢が本気になって隠れたら、私達に捜す手だてなどないのだが……王家の書庫にすら、魔王に関する情報はなかったからなぁ」


 お姉様のことを思うのは、イルト殿下だけではない。お姉様の家族はもちろん、私やアルト様、側近メンバーに、陛下や使用人達も心配して、必死に捜していた。


「王家の書庫、ですか……なんだか、すごそうなところなのに、そこにもないんですね」

「あぁ、あそこには、クリスタルロードと言われる道もあって、そこはすごくきれいな場所だぞ?」

「へぇ、クリスタル、ロー……ド……? ん? んん?」

「うん? どうした? ミーシャ嬢?」


 アルト様の言葉が、なぜか引っかかる。しかし、それがなぜなのか、中々分からない。


「んー……アルト様、その、クリスタルロードについて、知っていることを教えてもらえませんか?」


 何が引っかかるのかは分からないが、恐らくは、前世の記憶だろうと思って、手がかりを求めてアルト様に説明をしてもらうことにする。


「知っていることと言われてもな……あれは、いつからできたのか不明だと言われている、水晶でできた美しい道だ。代々、我がリーリス王家で管理している場所で、稀に魔力が溜まって光ることもあ「それですっ!」る?」


 アルト様の説明によって、私は、また一つ思い出す。


「魔王は、二つに分けて封印されているんですっ。一つは虚ろな魔王。人から人へと乗り移り、破滅のみをもたらすもの。そして、もう一つは、輝きの魔王。優しい性根であった本来の魔王の性格そのもので、虚ろな魔王を止めるための唯一の対抗手段!!」

「っ、なら、その輝きの魔王とやらをどうにかすれば、もしかしたら……」

「えぇっ、お姉様が帰ってきてくれるかもしれませんっ!」


 お互いに手と手を取り合い、私達は、希望の光を歓迎する。


「それでっ、どうすれば良い? その輝きの魔王とやらは、どこに封印されているんだ?」


 そう、問題は、そこなのだ。


「輝きの魔王は、クリスタルロードの最深部。強力な魔物が守護する結界の奥に存在します」


 どうやら、『モフ恋』にはRPG要素もあったらしい。
 しかし、お姉様を助ける手だてを見つけた私達に憂いはなかった。何が何でも、お姉様を助け出してみせるのだ。
 そうして、翌日には、即席でクリスタルロード攻略パーティーが組まれたのだった。
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