191 / 412
第二章 少女期 瘴気編
第百九十話 クリスタルロード攻略1(ミーシャ視点)
しおりを挟む
クリスタルロードの攻略メンバーは、イルト殿下、私、セイさん、ローラン先生、鋼君、メリーさんという構成だった。本当は、アルト様や、ティト様達、お姉様のお父上も来たがっていたものの、残念ながら、アルト様はもうすぐ王太子として立太子するし、ティト様達やお姉様のお父上もそれぞれの立場があるとのことで、危険を伴う可能性のあるクリスタルロード攻略には参加できなかった。
(さて、ここからが問題…………私、クリスタルロードがどんなだったか、覚えてないよぉぉおっ!!)
かろうじて、クリスタルロードの攻略が必要不可欠であることは思い出しても、その攻略方法など、何一つ覚えていない。いや、それどころか……。
「本当に、ここに入り口があるんだよね?」
一つ羽ばたけば、致死毒から眠り薬まで自在に撒き散らせる大きな翅を出して問いかけてきたセイさんに、私は『多分』とだけ答える。
クリスタルロードを攻略しなければならないことは理解していても、その入り口がどこにあるのかが全く分からなかった。
「こうまで広いと、中々見つかりませんね」
入り口に繋がる仕掛けを率先して捜してくれているメリーさんは、穏やかな物言いながら、その目は酷く鋭い。ついでに、その片手には、なぜか暗器らしきものが握られている。
「俺は、こういうのはあんまり得意じゃねぇんだよなぁ」
「きゅーん」
壁をペタペタ触りながら難しい顔をするローラン先生に、地面の匂いを嗅いでは耳をペタンと垂らす鋼君。しかし、私は忘れていない。最初、ローラン先生は壁を確認する素振りでクリスタルの壁に手を置いたかと思えば、次の瞬間には破壊していたし、鋼君は全身の毛を逆立てて地面を踏み締める度に亀裂を走らせていたことを。そして……。
「ユミリア……ふふふ、今助けるからね?」
浄化魔法は成功したはずなのに、なぜか闇のオーラを撒き散らしているようにしか見えないイルト殿下。
(う、うん? このメンバー、大丈夫、だよね?)
なぜか、私以外は破壊力だとか、危険指数だとかがかなり上位にあるような気がする。しかし、イルト殿下はともかく、メリーさんはただのメイドさんだし、セイさんは翅さえなければ非力な妖精、ローラン先生は、確かに腕っぷしは強そうだが、それは竜人由来のものであり、鋼君は……きっと、何かの見間違いだ。
(大丈夫、大丈夫……私だって、お姉様に鍛えてもらったんだからっ!)
一抹の不安を抱きながらも、今はとにかく、入り口を捜すことが先決だとばかりに壁をペタペタと確認して……ちょっと心配なので、イルト殿下に浄化魔法を飛ばすのだった。
(さて、ここからが問題…………私、クリスタルロードがどんなだったか、覚えてないよぉぉおっ!!)
かろうじて、クリスタルロードの攻略が必要不可欠であることは思い出しても、その攻略方法など、何一つ覚えていない。いや、それどころか……。
「本当に、ここに入り口があるんだよね?」
一つ羽ばたけば、致死毒から眠り薬まで自在に撒き散らせる大きな翅を出して問いかけてきたセイさんに、私は『多分』とだけ答える。
クリスタルロードを攻略しなければならないことは理解していても、その入り口がどこにあるのかが全く分からなかった。
「こうまで広いと、中々見つかりませんね」
入り口に繋がる仕掛けを率先して捜してくれているメリーさんは、穏やかな物言いながら、その目は酷く鋭い。ついでに、その片手には、なぜか暗器らしきものが握られている。
「俺は、こういうのはあんまり得意じゃねぇんだよなぁ」
「きゅーん」
壁をペタペタ触りながら難しい顔をするローラン先生に、地面の匂いを嗅いでは耳をペタンと垂らす鋼君。しかし、私は忘れていない。最初、ローラン先生は壁を確認する素振りでクリスタルの壁に手を置いたかと思えば、次の瞬間には破壊していたし、鋼君は全身の毛を逆立てて地面を踏み締める度に亀裂を走らせていたことを。そして……。
「ユミリア……ふふふ、今助けるからね?」
浄化魔法は成功したはずなのに、なぜか闇のオーラを撒き散らしているようにしか見えないイルト殿下。
(う、うん? このメンバー、大丈夫、だよね?)
なぜか、私以外は破壊力だとか、危険指数だとかがかなり上位にあるような気がする。しかし、イルト殿下はともかく、メリーさんはただのメイドさんだし、セイさんは翅さえなければ非力な妖精、ローラン先生は、確かに腕っぷしは強そうだが、それは竜人由来のものであり、鋼君は……きっと、何かの見間違いだ。
(大丈夫、大丈夫……私だって、お姉様に鍛えてもらったんだからっ!)
一抹の不安を抱きながらも、今はとにかく、入り口を捜すことが先決だとばかりに壁をペタペタと確認して……ちょっと心配なので、イルト殿下に浄化魔法を飛ばすのだった。
145
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
悪役令嬢の居場所。
葉叶
恋愛
私だけの居場所。
他の誰かの代わりとかじゃなく
私だけの場所
私はそんな居場所が欲しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※誤字脱字等あれば遠慮なく言ってください。
※感想はしっかりニヤニヤしながら読ませて頂いています。
※こんな話が見たいよ!等のリクエストも歓迎してます。
※完結しました!番外編執筆中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる