悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第三章 少女期 女神編

第三百二十五話 再びクリスタルロード(セイ視点)

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「ここって……クリスタルロードか?」


 そこはかつて、ユミリア救出のために潜ったダンジョンであり、メリーとローランの方向音痴が発覚した場所の入り口。
 王家の書庫から向かえるその場所に、僕達はなぜか、ユミリアの転移によって移動できていた。


「そういえば、ローラン達はここに来たことがあるんだったね」

「我も居たぞ」

「わ、私は、居なかった、です」


 マルディックとスーちゃんが答える傍ら、僕は、ユミリアがどうしてここに来たのかを尋ねる。


「ユミリア、どうしてここに?」

「みゅ? 多分だけど、ここの最深部に何かあると思うから?」

「「「最深部……」」」

「みゅっ、そうなの。それで、ちょっと準備があるから、少し待ってて」


 僕達は、最深部までの道のりを思って遠い目になる。


(色々、あったなぁ……)


 マルディックとの出会いに、バラバラでの探索、方向音痴二人組の発見と、最深部までのぶち抜き。そして……。


(あれ? ……その後、どうしたんだっけ?)


 最深部まで辿り着いたのは覚えている。マルディックが行方不明ということで、探して見つけたことも、そして、全員で最深部の扉の前に立ったことも。


(輝きの魔王の封印を解いて、虚ろの魔王をどうにかしようってコンセプトだったし、実際、あの扉を開けたのは確か。そして、その目標を達成したと勝手に・・・思い込んで……やっぱり、扉の中でのことが、思い出せない)


 ユミリアに説明した時は、その思い込みのままに説明していた。そして、その時には全く違和感はなかったはずなのに、今は、何があったのか、気になる。


「……なぁ、誰か、最深部の扉を開けてからの記憶って、あるか?」


 ユミリアが作業している間、その場は沈黙で包まれていたが、不意に、ローランがそう発言する。


「ローランも、ですか。実は、私もその記憶が抜けているようです」

「我もだな」

「ぼくも」

「……僕も、だよ」

「???」


 話についていけないのは、その場に居なかったスーちゃんのみ。どうやら、この現象は偶然ではないらしい。


「あった!」


 そんな確認をしているうちに、何かを見つけたらしいユミリアが声をあげる。


「皆、こっちに来て! これで、最深部まで一直線だよっ」

「「「え゛っ」」」


 何かと思って見に行けば、何やら黒い紋様が壁に大きく書かれていた。


「こんなの、前に来た時はなかったはずだけど……」


 入り口が分からなかった僕達は、壁も床も、ガッツリと調べていた。だからこそ断言できる。こんな紋様はなかったと。


「これは、ちょっと条件を満たさないと出せないからね。あのメンバーで出せるとしたら、セイとローラン、あと、イルト様くらいじゃないかな?」


 そう言いながら、ユミリアはペタリと、その紋様の中心に片手を当てる。


「この紋様のどこでも良いから手を当てておいて? 全員が手を当てたら、魔力を流して行き先をコントロールするから、すぐに最深部に行けるよっ」


 笑顔で告げるユミリアに、僕達は顔を見合わせると、先程の気付きに関して先に説明することにした。
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