66 / 84
66
しおりを挟む
宿の一室で、三人は後宮に入る方法を検討していた。
「正面から行くのは無理です」
久世が地図を見ながら言った。
「兵士の数は少ないですが、中庭には遮蔽物がありません」
「別のルートは?」
ユリナスが尋ねた。
「後宮は守りが固いですからね。私が知っている抜け道は、あれだけです」
「困りましたね」
久世が頭を抱えた。
その時、瀬崎が顔を上げた。
「ひょっとしたら、できるかもしれません」
「何か方法があるんですか?」
久世が期待を込めて尋ねた。
「以前、サミアさんが佐野さんに見せた炎の幻覚、覚えていますか?」
瀬崎が説明を始めた。
「あれに近い方法です」
「幻覚ですか?」
ユリナスが興味深そうに身を乗り出した。
「私も防衛大学で学んだ程度の知識しかありませんが、実は人間の目は、構造上見えていない部分があるんです」
瀬崎が熱心に語り始めた。
「マリオット盲点といって、網膜にある視神経が集まる部分で、光を感じる細胞がないため、もともと見えない部分なんです」
「見えない部分……視野にそんなところはないぞ」
久世が呟いた。
「通常は、両目で見て互いの盲点を補い合ったり、脳が周囲の情報を補ったりするため、日常生活で気になることはありません。写真の修正をするときに、不要部分を削除しても、AIがその部分を補って自然に見えるように加工してくれますよね。人の脳も、勝手にそれと同じ働きをしているので私たちは気づかないんです」
瀬崎が続けた。
「そこで、この盲点を脳が勝手に補う機能を利用できないでしょうか」
「どういうことですか?」
「人が消える魔法って、映画やアニメで出るじゃないですか」
瀬崎が興奮した様子で言った。
「以前、サミアさんに炎を見せられた時から、それを使って再現できないかと思ってたんです」
ユリナスと久世が驚いた顔をした。
「自分の目では試したんです」
瀬崎が付け加えた。
「手を伸ばした状態でグーにしていたら、消すことはできました。でも、パーにすると指がなんとなくわかります」
「つまり?」
「兵士たちから見て、それよりも自分たちが小さく見えるような距離なら、できそうなんです」
瀬崎が真剣な表情で言った。
「試してみていいですか?」
久世が頷いた。
「じゃあ、これを見てください」
瀬崎が目の前にあったカップを指差した。
次の瞬間、カップが消えた。
「え……」
久世が驚いて、元々カップがあった位置に手をやった。
確かに、そこにカップはあった。触ることができる。しかし、目には見えない。
「すごい……」
久世が感嘆の声を上げた。
「大丈夫そうですね。今は、カップの部分に盲点があると認識するように久世さんに魔法をかけました」
瀬崎が魔法を解くと、カップが再び姿を現した。
「ただ、私はマナを操る力が弱いんで離れた位置にいる兵士にこの魔法をかける自信がありません」
瀬崎がユリナスを見た。
「だから、ユリナスさんがこれをできないかと思うんです」
「私が……」
ユリナスが考え込んだ。
「なんとなく理屈は理解できました。しかし、実際にできるかどうか」
「練習しましょう」
瀬崎が提案した。
「レクチャーしますよ」
その夜、ユリナスは瀬崎からレクチャーを受けていた。
「まず、マリオット盲点の位置を理解する必要があります」
瀬崎がノートに図を描いた。
「視神経が集まる部分は、視野の中心から少し外側、鼻側にあります」
「つまり、見ている対象の少し横ということですね」
ユリナスが確認した。
「そうです。そこに、周囲と同じ情報を送り込むんですが、マリオット盲点の位置を体験してもらいましょう」
瀬崎はそう言うと、小さな紙に〇と×を描いた。
「左目を左手で隠してください。そして、右手でこの紙を腕いっぱいに伸ばして持ち、右目で×をじっと見つめてください」
「そうです。そのまま、×から視線を外さずに、紙をゆっくりと顔に近づけていきます。すると、ある特定の距離に達すると、視野の端にあった○が見えなくなるはずです。このとき、○の像が右目の盲点に入ったことを意味します。」
「すごい。本当に見えなくなった」
驚くユリナスの声を聴きながら、瀬崎が説明を続けた。
「さらに紙を近づけると、再び○が見え始めます。つまり、その見えなかった位置に盲点があるということです」
「脳は、盲点の部分を周囲の情報で自動的に補完します。その補完を盲点以外でも行うようにするんです」
「なるほど」
ユリナスが頷いた。
「面白い現象ですね。では、試してみます」
ユリナスが集中し、目の前のカップに意識を向けた。
マナを操り、カップの周囲の視覚情報を盲点に送り込む。
しかし、カップは消えなかった。
「難しいですね」
ユリナスが額の汗を拭った。
「そうですね。私もなかなか消せませんでした」
瀬崎が励ました。
「コツは、カップを消そうとするのではなく、周囲の背景を延長させるイメージです」
「背景を延長……」
ユリナスが再び集中した。
カップの後ろにある壁の模様。それを延長させるイメージ。
次の瞬間、カップが微かに揺らいだ。
「今、少し消えかけました!」
久世が興奮して言った。
「もう一度、やってみてください」
ユリナスが深く息を吸い、再び集中した。
そして、ゆっくりとマナを操る。
カップが消えた。
「成功です!」
瀬崎が拍手した。
ユリナスが魔法を解くと、カップが再び現れた。
「できました……」
ユリナスが信じられないという表情で自分の手を見た。
「素晴らしいです」
久世が頷いた。
「これなら、中庭を渡れるかもしれません」
「ただし」
瀬崎が釘を刺した。
「完璧ではありません。早く動くと見破られる可能性があります。魔法操作を正確にするだけでなく、我々もゆっくり、慎重に動く必要があります」
「わかりました」
ユリナスが真剣な表情で頷いた。
「これから精度を高められるように練習します。できれば、明日にでも、試してみましょう」
二人は、明日の作戦に備えて休むことにした。
窓の外では、月が皇宮を照らしていた。
そこに捕らわれている皇帝たちを、必ず救出する。
ユリナスは、その決意をもち、魔法の組み立てを何度も確認した。
「正面から行くのは無理です」
久世が地図を見ながら言った。
「兵士の数は少ないですが、中庭には遮蔽物がありません」
「別のルートは?」
ユリナスが尋ねた。
「後宮は守りが固いですからね。私が知っている抜け道は、あれだけです」
「困りましたね」
久世が頭を抱えた。
その時、瀬崎が顔を上げた。
「ひょっとしたら、できるかもしれません」
「何か方法があるんですか?」
久世が期待を込めて尋ねた。
「以前、サミアさんが佐野さんに見せた炎の幻覚、覚えていますか?」
瀬崎が説明を始めた。
「あれに近い方法です」
「幻覚ですか?」
ユリナスが興味深そうに身を乗り出した。
「私も防衛大学で学んだ程度の知識しかありませんが、実は人間の目は、構造上見えていない部分があるんです」
瀬崎が熱心に語り始めた。
「マリオット盲点といって、網膜にある視神経が集まる部分で、光を感じる細胞がないため、もともと見えない部分なんです」
「見えない部分……視野にそんなところはないぞ」
久世が呟いた。
「通常は、両目で見て互いの盲点を補い合ったり、脳が周囲の情報を補ったりするため、日常生活で気になることはありません。写真の修正をするときに、不要部分を削除しても、AIがその部分を補って自然に見えるように加工してくれますよね。人の脳も、勝手にそれと同じ働きをしているので私たちは気づかないんです」
瀬崎が続けた。
「そこで、この盲点を脳が勝手に補う機能を利用できないでしょうか」
「どういうことですか?」
「人が消える魔法って、映画やアニメで出るじゃないですか」
瀬崎が興奮した様子で言った。
「以前、サミアさんに炎を見せられた時から、それを使って再現できないかと思ってたんです」
ユリナスと久世が驚いた顔をした。
「自分の目では試したんです」
瀬崎が付け加えた。
「手を伸ばした状態でグーにしていたら、消すことはできました。でも、パーにすると指がなんとなくわかります」
「つまり?」
「兵士たちから見て、それよりも自分たちが小さく見えるような距離なら、できそうなんです」
瀬崎が真剣な表情で言った。
「試してみていいですか?」
久世が頷いた。
「じゃあ、これを見てください」
瀬崎が目の前にあったカップを指差した。
次の瞬間、カップが消えた。
「え……」
久世が驚いて、元々カップがあった位置に手をやった。
確かに、そこにカップはあった。触ることができる。しかし、目には見えない。
「すごい……」
久世が感嘆の声を上げた。
「大丈夫そうですね。今は、カップの部分に盲点があると認識するように久世さんに魔法をかけました」
瀬崎が魔法を解くと、カップが再び姿を現した。
「ただ、私はマナを操る力が弱いんで離れた位置にいる兵士にこの魔法をかける自信がありません」
瀬崎がユリナスを見た。
「だから、ユリナスさんがこれをできないかと思うんです」
「私が……」
ユリナスが考え込んだ。
「なんとなく理屈は理解できました。しかし、実際にできるかどうか」
「練習しましょう」
瀬崎が提案した。
「レクチャーしますよ」
その夜、ユリナスは瀬崎からレクチャーを受けていた。
「まず、マリオット盲点の位置を理解する必要があります」
瀬崎がノートに図を描いた。
「視神経が集まる部分は、視野の中心から少し外側、鼻側にあります」
「つまり、見ている対象の少し横ということですね」
ユリナスが確認した。
「そうです。そこに、周囲と同じ情報を送り込むんですが、マリオット盲点の位置を体験してもらいましょう」
瀬崎はそう言うと、小さな紙に〇と×を描いた。
「左目を左手で隠してください。そして、右手でこの紙を腕いっぱいに伸ばして持ち、右目で×をじっと見つめてください」
「そうです。そのまま、×から視線を外さずに、紙をゆっくりと顔に近づけていきます。すると、ある特定の距離に達すると、視野の端にあった○が見えなくなるはずです。このとき、○の像が右目の盲点に入ったことを意味します。」
「すごい。本当に見えなくなった」
驚くユリナスの声を聴きながら、瀬崎が説明を続けた。
「さらに紙を近づけると、再び○が見え始めます。つまり、その見えなかった位置に盲点があるということです」
「脳は、盲点の部分を周囲の情報で自動的に補完します。その補完を盲点以外でも行うようにするんです」
「なるほど」
ユリナスが頷いた。
「面白い現象ですね。では、試してみます」
ユリナスが集中し、目の前のカップに意識を向けた。
マナを操り、カップの周囲の視覚情報を盲点に送り込む。
しかし、カップは消えなかった。
「難しいですね」
ユリナスが額の汗を拭った。
「そうですね。私もなかなか消せませんでした」
瀬崎が励ました。
「コツは、カップを消そうとするのではなく、周囲の背景を延長させるイメージです」
「背景を延長……」
ユリナスが再び集中した。
カップの後ろにある壁の模様。それを延長させるイメージ。
次の瞬間、カップが微かに揺らいだ。
「今、少し消えかけました!」
久世が興奮して言った。
「もう一度、やってみてください」
ユリナスが深く息を吸い、再び集中した。
そして、ゆっくりとマナを操る。
カップが消えた。
「成功です!」
瀬崎が拍手した。
ユリナスが魔法を解くと、カップが再び現れた。
「できました……」
ユリナスが信じられないという表情で自分の手を見た。
「素晴らしいです」
久世が頷いた。
「これなら、中庭を渡れるかもしれません」
「ただし」
瀬崎が釘を刺した。
「完璧ではありません。早く動くと見破られる可能性があります。魔法操作を正確にするだけでなく、我々もゆっくり、慎重に動く必要があります」
「わかりました」
ユリナスが真剣な表情で頷いた。
「これから精度を高められるように練習します。できれば、明日にでも、試してみましょう」
二人は、明日の作戦に備えて休むことにした。
窓の外では、月が皇宮を照らしていた。
そこに捕らわれている皇帝たちを、必ず救出する。
ユリナスは、その決意をもち、魔法の組み立てを何度も確認した。
20
あなたにおすすめの小説
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
【アラウコの叫び 】第1巻/16世紀の南米史
ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎日07:20投稿】 1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。
マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、
スペイン勢力内部での覇権争い、
そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。
※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、
フィクションも混在しています。
また動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。
HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。
公式HP:アラウコの叫び
youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス
insta:herohero_agency
tiktok:herohero_agency
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
異世界ランドへようこそ
来栖とむ
ファンタジー
都内から車で1時間半。奥多摩の山中に突如現れた、話題の新名所――「奥多摩異世界ランド」。
中世ヨーロッパ風の街並みと、ダンジョンや魔王城を完全再現した異世界体験型レジャーパークだ。
26歳・無職の佐伯雄一は、ここで“冒険者A”のバイトを始める。
勇者を導くNPC役として、剣を振るい、魔物に襲われ、時にはイベントを盛り上げる毎日。
同僚には、美人なギルド受付のサーミャ、エルフの弓使いフラーラ、ポンコツ騎士メリーナなど、魅力的な“登場人物”が勢ぞろい。
――しかしある日、「魔王が逃げた」という衝撃の知らせが入る。
「体格が似てるから」という理由で、雄一は急遽、魔王役の代役を任されることに。
だが、演技を終えた後、案内された扉の先にあったのは……本物の異世界だった!
経営者は魔族、同僚はガチの魔物。
魔王城で始まる、まさかの「異世界勤務」生活!
やがて魔王の後継問題に巻き込まれ、スタンピードも発生(?)の裏で、フラーラとの恋が動き出す――。
笑えて、トキメいて、ちょっと泣ける。
現代×異世界×職場コメディ、開園!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
35歳バツイチオッサン、アーティファクト(美少女)と共に宇宙(ソラ)を放浪する
エルリア
SF
35歳バツイチ。
長年勤めていた清掃会社をクビになり、その日のうちに家族にも見放され。
更にはしがない辺境のボロ商店を運営していた親が急に亡くなり、急遽その船を引き継ぐことに。
そんな中、船の奥を片づけていると倉庫の奥にヒューマノイドを発見。
それが実はアーティファクトと呼ばれる超文明の遺産だと判明したその時から彼の新たな目標が決定した。
そうだ、自分だけの星を買おう。
そこで静かに余生を過ごすんだ、そうだそうしよう。
かくして、壮大すぎる夢に向かって万能美少女ヒューマノイドとの旅が始まったのだった。
剣客逓信 ―明治剣戟郵便録―
三條すずしろ
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞:痛快! エンタメ剣客賞受賞】
明治6年、警察より早くピストルを装備したのは郵便配達員だった――。
維新の動乱で届くことのなかった手紙や小包。そんな残された思いを配達する「御留郵便御用」の若者と老剣士が、時に不穏な明治の初めをひた走る。
密書や金品を狙う賊を退け大切なものを届ける特命郵便配達人、通称「剣客逓信(けんかくていしん)」。
武装する必要があるほど危険にさらされた初期の郵便時代、二人はやがてさらに大きな動乱に巻き込まれ――。
※エブリスタでも連載中
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる