溺愛社長の欲求からは逃れられない

鳴宮鶉子

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銀座のスイートルームにて

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社長がクリスマスイブとクリスマスに休みをとったら社員に示しがつかなくなると思う私をよそに、要は休みをとっていた。

イブの昼間は私へのクリスマスプレゼントを買いに行くと銀座に連れて行かれ、ハイブランドの服や靴、バックを買って貰った。

服や靴、バックは日常的に使う物だから有難い。

「ーー いりません。私と要はそんな関係じゃない!!」

ジュエリーショップのハイブランド HARRY WINSTONに連れていかれ、私に500万円近くするダイヤがふんだんに使われたサンフラワー リングを購入しようとした。

ーー どうみても婚約指輪

「左手薬指にはめないなら、莉愛を1人で出歩かせられない」

こんな高額な指輪をはめた方が危ない気がする。
購入しないと気が済まない要に、シンプルなネックレスと指輪を買って貰った。
店内で嬉しそうに、ピンクダイヤとダイヤが対称に2つずつ使われたクローバーの葉をモチーフにしたネックレスを首にかけ、そして、左手薬指にも控えめなダイヤのエタニティーリングをはめられた。

ーーこの2つだけで150万円以上する

1時間以上店内で買う買わないで揉めてたから、出ると外は真っ暗になってた。

ライトアップされた街並みを要と手を繋いで歩く。

初めて出会ったハイアットホテルに、要がディナー予約と宿泊予約を入れてくれた。


最上階にあるフレンチレストランでクリスマスディナーを堪能する。
五大シャトーのラトゥールとマンゴーを口にしながら、蟹・ホタテ・サーモンのオードブルと、アワビを用いたスープ、オマール海老のポワレ、松坂牛のロースとヒレとハンガリー産フォアグラを使ったステーキを頬張る。

最後にワンホールの小さなクリスマスケーキを要とフォークで突いて食べた。

ディナーを終えると、要に手を引かれ、以前泊まったスイートルームに連れてかれた。

部屋に入るとリビングルームの机の上に108本の真っ赤な薔薇の花束が置いてあった。

要が先に部屋に入り、花束を手に取り、わたしの目の前に跪いた。

「……莉愛、俺と結婚して下さい。莉愛は俺の運命の人だ。ここで莉愛と一夜を過ごしてから、俺は莉愛に身も心も奪われた。莉愛の事を一生愛して大切にする」

要と再会してから、何度もプロポーズをされた。
身分差もあるけど、私よりも魅力的な女性はたくさんいるから、要に捨てられて傷つかないよう、心にブレーキをかけてた。

要の真剣なプロポーズを受け、心の底から私の事を愛してくれてると伝わり、差し出された薔薇の花束を受け取った。
そして、「はい、ずっと一緒にいさせて下さい」と、私を見上げて見つめてる要に笑顔で答えた。




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