12 / 16
一夜限りの関係から始まる恋
しおりを挟む
“バトル探偵”コラボのアフタヌーンティー。
「キャーー!!相良慎治くんだ!!」
ラテアートのカフェラテを注文し、大好きなキャラクターのイラストが浮かんでいて大興奮する。
「……理音、本当に“バトル探偵”、好きだね」
コミュニケーション能力が低い私は、中高一貫校時代、クラスメイトとの関わりより、漫画や小説、アニメなどにのめり込んでいた。
女子校特有の女子力高い女子のご機嫌とりをしながら戯れる事ができず、いじめのターゲットになり、無視や嫌がらせを受けた事もある。
だけど、動じず、学業は疎かにせずに毎日通学してたらイジメの対象から外れ、好きな事にのめり込んでいたら同じオタク系女子と仲良くなった。
「“バトル探偵”、傑作だよね。高校時代、この作品に出会わなかったら、私、引きこもってニートになってたと思う」
中学高校時代のクラスメイトとの人間関係構築は難しい。
女子は群れる傾向はあるがその群れの中にいる為には同調しないといけなく、違和感しかなかった。
気を抜くと叩かれ、排除される。
性格的に1人でいる事をなんとも思わなかったから、学校には勉強しにいくと割り切り、プライベートで好きなオタク活動を満喫してた。
でも、学校生活がつらかったのもあり、“バトル探偵”のストーリーにのめり込み、リアルでは無理なバーチャルだから可能な展開に感動した。
私は、“バトル探偵”の作品に救われた。
「“バトル探偵”の続編、嬉しいよね。高校時代にこの作品に出会わなかったら、今の私、いない」
コロン対策で予約しないと入れないコラボカフェ。
運良く予約でき、美月ちゃんと“バトル探偵”の世界観に浸り、中学高校時代の思い出の記憶を思い出す。
「理音、あの環境下でよく不登校にならなかったと思う」
学校生活は仕事と割り切れたのと、“バトル探偵”の世界観に浸りクラスメイトとの関わりに対して割り切れたから耐えれたんだと思う。
「嫌な奴と……目が合ってしまった」
突然、美月ちゃんが顔をしかめた。
週末のオタクしか集まらない場で、天敵に遭遇してしまったらしい。
「杉瀬さん、こんにちは」
いきなり背後から声をかけられ、振り向くと神崎遥輝代表取締役CEOがいて、目が合ってしまった。
「こ、こんにちは」
コラボカフェ初日なのもあり、親友らしい落ちぶれ御曹司と様子見で来ていた。
私の背後の席に座ってコーヒーを飲んでいて、焦る。
一連の恥ずかしい言動を見られてしまったと思うと恥ずかしくて堪らない。
「誰?」
「親会社の代表取締役社長CEO
美月ちゃんは自分の一夜限りの相手の顔は覚えていても、その連れの顔は覚えてなかった。
落ちぶれ御曹司の連れが親会社の代表取締役社長CEOだと小声で伝えた。
神崎遥輝代表取締役社長CEOが近くの席に居るからアホ発言は自粛し、無言でアフタヌーンティーを食べ終え、席を立つ。
美月ちゃんと落ちぶれらしい御曹司は本当に仲が悪いようで、美月ちゃんは彼の事をずっと睨んでいた。
****
「美月ちゃん、あのね。実はあの親会社の代表取締役CEO、BARで会った神坂一輝なの」
『ハッ!?』
コラボカフェを出てから美月ちゃんと別れ、家に帰ってからLINEをかけて打ち明けた。
『……代表取締役CEO、理音の事、気づいてないの?』
「BARで飲んでた時、美月ちゃんに服とか借りてメイクして貰って別人だったから、気づいてないのかもしれない。それに再会したの1年半後だし、覚えてないと思う」
初めて会ったあの夜からずっと神崎遥輝代表取締役社長CEOの事が好き。
2度と会えないと思っていたけど、忘れる事ができずに想いを寄せてた。
「神崎遥輝代表取締役CEOと一夜限りの関係を持った事を私は後悔していないし、付き合って欲しいとも厚かましくて言えない。だから、気まずくなったら仕事やりにくくなるし、このまま気づかれずにいたい」
サイバープロジェクトは大企業でノベルスター以外の子会社もたくさんある。
ノベルスターに月に2~3回来てくれてたけど、“バトル探偵”が完結したら、もうノベルスターと直接関わる事はなくなると思う。
『理音、彼の事が本気で好きなんだね』
「……うん、好き。大好き」
時々会えている事が、とても嬉しい。
「キャーー!!相良慎治くんだ!!」
ラテアートのカフェラテを注文し、大好きなキャラクターのイラストが浮かんでいて大興奮する。
「……理音、本当に“バトル探偵”、好きだね」
コミュニケーション能力が低い私は、中高一貫校時代、クラスメイトとの関わりより、漫画や小説、アニメなどにのめり込んでいた。
女子校特有の女子力高い女子のご機嫌とりをしながら戯れる事ができず、いじめのターゲットになり、無視や嫌がらせを受けた事もある。
だけど、動じず、学業は疎かにせずに毎日通学してたらイジメの対象から外れ、好きな事にのめり込んでいたら同じオタク系女子と仲良くなった。
「“バトル探偵”、傑作だよね。高校時代、この作品に出会わなかったら、私、引きこもってニートになってたと思う」
中学高校時代のクラスメイトとの人間関係構築は難しい。
女子は群れる傾向はあるがその群れの中にいる為には同調しないといけなく、違和感しかなかった。
気を抜くと叩かれ、排除される。
性格的に1人でいる事をなんとも思わなかったから、学校には勉強しにいくと割り切り、プライベートで好きなオタク活動を満喫してた。
でも、学校生活がつらかったのもあり、“バトル探偵”のストーリーにのめり込み、リアルでは無理なバーチャルだから可能な展開に感動した。
私は、“バトル探偵”の作品に救われた。
「“バトル探偵”の続編、嬉しいよね。高校時代にこの作品に出会わなかったら、今の私、いない」
コロン対策で予約しないと入れないコラボカフェ。
運良く予約でき、美月ちゃんと“バトル探偵”の世界観に浸り、中学高校時代の思い出の記憶を思い出す。
「理音、あの環境下でよく不登校にならなかったと思う」
学校生活は仕事と割り切れたのと、“バトル探偵”の世界観に浸りクラスメイトとの関わりに対して割り切れたから耐えれたんだと思う。
「嫌な奴と……目が合ってしまった」
突然、美月ちゃんが顔をしかめた。
週末のオタクしか集まらない場で、天敵に遭遇してしまったらしい。
「杉瀬さん、こんにちは」
いきなり背後から声をかけられ、振り向くと神崎遥輝代表取締役CEOがいて、目が合ってしまった。
「こ、こんにちは」
コラボカフェ初日なのもあり、親友らしい落ちぶれ御曹司と様子見で来ていた。
私の背後の席に座ってコーヒーを飲んでいて、焦る。
一連の恥ずかしい言動を見られてしまったと思うと恥ずかしくて堪らない。
「誰?」
「親会社の代表取締役社長CEO
美月ちゃんは自分の一夜限りの相手の顔は覚えていても、その連れの顔は覚えてなかった。
落ちぶれ御曹司の連れが親会社の代表取締役社長CEOだと小声で伝えた。
神崎遥輝代表取締役社長CEOが近くの席に居るからアホ発言は自粛し、無言でアフタヌーンティーを食べ終え、席を立つ。
美月ちゃんと落ちぶれらしい御曹司は本当に仲が悪いようで、美月ちゃんは彼の事をずっと睨んでいた。
****
「美月ちゃん、あのね。実はあの親会社の代表取締役CEO、BARで会った神坂一輝なの」
『ハッ!?』
コラボカフェを出てから美月ちゃんと別れ、家に帰ってからLINEをかけて打ち明けた。
『……代表取締役CEO、理音の事、気づいてないの?』
「BARで飲んでた時、美月ちゃんに服とか借りてメイクして貰って別人だったから、気づいてないのかもしれない。それに再会したの1年半後だし、覚えてないと思う」
初めて会ったあの夜からずっと神崎遥輝代表取締役社長CEOの事が好き。
2度と会えないと思っていたけど、忘れる事ができずに想いを寄せてた。
「神崎遥輝代表取締役CEOと一夜限りの関係を持った事を私は後悔していないし、付き合って欲しいとも厚かましくて言えない。だから、気まずくなったら仕事やりにくくなるし、このまま気づかれずにいたい」
サイバープロジェクトは大企業でノベルスター以外の子会社もたくさんある。
ノベルスターに月に2~3回来てくれてたけど、“バトル探偵”が完結したら、もうノベルスターと直接関わる事はなくなると思う。
『理音、彼の事が本気で好きなんだね』
「……うん、好き。大好き」
時々会えている事が、とても嬉しい。
0
あなたにおすすめの小説
偽りの愛に囚われた私と、彼が隠した秘密の財産〜最低義母が全てを失う日
紅葉山参
恋愛
裕福なキョーヘーと結婚し、誰もが羨む生活を手に入れたはずのユリネ。しかし、待っていたのはキョーヘーの母親、アイコからの陰湿なイジメでした。
「お前はあの家にふさわしくない」毎日浴びせられる罵倒と理不尽な要求。愛する旦那様の助けもなく、ユリネの心は少しずつ摩耗していきます。
しかし、ある日、ユリネは見てしまうのです。義母アイコが夫キョーヘーの大切な財産に、人知れず手をつけている決定的な証拠を。
それは、キョーヘーが将来ユリネのためにと秘密にしていた、ある会社の株券でした。
最低なアイコの裏切りを知った時、ユリネとキョーヘーの関係、そしてこの偽りの家族の運命は一変します。
全てを失うアイコへの痛快な復讐劇が、今、幕を開けるのです。
婚約破棄ブームに乗ってみた結果、婚約者様が本性を現しました
ラム猫
恋愛
『最新のトレンドは、婚約破棄!
フィアンセに婚約破棄を提示して、相手の反応で本心を知ってみましょう。これにより、仲が深まったと答えたカップルは大勢います!
※結果がどうなろうと、我々は責任を負いません』
……という特設ページを親友から見せられたエレアノールは、なかなか距離の縮まらない婚約者が自分のことをどう思っているのかを知るためにも、この流行に乗ってみることにした。
彼が他の女性と仲良くしているところを目撃した今、彼と婚約破棄して身を引くのが正しいのかもしれないと、そう思いながら。
しかし実際に婚約破棄を提示してみると、彼は豹変して……!?
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています
エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
如月 そら
恋愛
「二度目は偶然だが、三度目は必然だ。三度目がないことを願っているよ」
(三度目はないからっ!)
──そう心で叫んだはずなのに目の前のエリート役員から逃げられない!
「俺と君が出会ったのはつまり必然だ」
倉木莉桜(くらきりお)は大手エアラインで日々奮闘する客室乗務員だ。
ある日、自社の機体を製造している五十里重工の重役がトラブルから莉桜を救ってくれる。
それで彼との関係は終わったと思っていたのに!?
エリート役員からの溺れそうな溺愛に戸惑うばかり。
客室乗務員(CA)倉木莉桜
×
五十里重工(取締役部長)五十里武尊
『空が好き』という共通点を持つ二人の恋の行方は……
旦那さま、誘惑させていただきます!
永久(時永)めぐる
恋愛
オタクで、恋愛には縁のない生活を送っていた佐久間桃子は、弁護士の久瀬厳と見合いの末、めでたく結婚した。
顔良し(強面だけれど)、スタイル良し、性格良し。非の打ちどころがない完璧な旦那様との新婚生活は楽しくて幸せいっぱい。
しかし、ひとつだけ気がかりがあった。
悩んだ彼女は大胆な計画を立てたけれど……?
※書籍化のため、2016年9月17日をもちまして本編及び一部番外編を引き下げました。
※書籍化にあたりタイトルを少々変更いたしました。
お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。
渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!?
合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡――
だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。
「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき……
《エブリスタ、ムーンにも投稿しています》
Catch hold of your Love
天野斜己
恋愛
入社してからずっと片思いしていた男性(ひと)には、彼にお似合いの婚約者がいらっしゃる。あたしもそろそろ不毛な片思いから卒業して、親戚のオバサマの勧めるお見合いなんぞしてみようかな、うん、そうしよう。
決心して、お見合いに臨もうとしていた矢先。
当の上司から、よりにもよって職場で押し倒された。
なぜだ!?
あの美しいオジョーサマは、どーするの!?
※2016年01月08日 完結済。
お前は俺の指示に従え〜意地悪な外科医との契約結婚
ラヴ KAZU
恋愛
鶴巻梨花 三十九歳
コンビニでバイトしながらギリギリの生活をしている冴えないアラフォー。
ある日めまいを起こし、ふらついた時足首を捻って立ち上がれなくなった。
救急車で搬送されたのが最上総合病院だった。
そこで意地悪な外科医最上丈一郎と出会う。
最上丈一郎 三十二歳
最上総合病院の天才的外科医、父親が医院長を務めるこの病院をゆくゆくは継ぐ立場である。
結婚を余儀なくされるが、意地悪な性格が災いして、また恋愛が苦手なため梨花に契約結婚を申し出る。
コンビニでギリギリの生活をしているアラフォー鶴巻梨花はある日足首を骨折し、手術を余儀なくされた。ところがお金を払えないと言うと天才的外科医最上丈一郎は契約結婚を持ちかける。俺の指示に従えと意地悪な言葉を投げつける。しかし、お互いに惹かれ合うことになるが、素直になれない。丈一郎の本心がわからず悩む梨花。
果たして二人は結ばれるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる