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優しい義両親
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「只今戻りました」
実家から車で15分のところに拓海の実家がある。
中高一貫校時代、婚約者という事で盆正月に行き来していた。
「お邪魔します」
玄関の中に入るとリビングから拓海のお父さんとお母さんが出てこられた。
「おかえり、凛子ちゃん、大変だったわね。中にお入り」
拓海のご両親は仲睦まじい。
政略結婚だけどお互いに恋愛感情があって夫婦になったのか、お互いを尊重し気遣っている。
リビングに通されると豪華な料理をケータリングして用意してくれてた。
「凛子、座ろう」
拓海に手を引かれ、並んで座る。
いつもは外での会食でプライベート空間での食事をした事はない。
「食べようか」
お手伝いさんが温かいお吸い物と冷えたお茶を配膳して下さり、お義父さんとお義母さんと向き合い、食事をする。
「凛子、アトランティックサーモン好きだろ、口開けて」
遠慮して手がつけられないでいたら、拓海が私の口の中に握り寿司を入れてきた。
「はい、伊勢海老グラタン」
お義父さんとお義母さんが目の前に座っていらっしゃるのに、恥ずかしがる事なく私に食べさせてくる。
「凛子さん、もっと食べてね」
「あ、ありがとうございます」
お義母さんが温かい眼差しで笑みを浮かべてくれた。
「家族になるんだから気を使わなくていい。拓海が凛子ちゃんの事を可愛がってるのは知ってるから」
5歳差の親が決めた許嫁。
相性が合わずに結婚したら私の両親みたいに不幸になる。
それを懸念し、拓海のお義父さんは常に探りを入れていた。
大学時代、会うたびに仲睦まじそうな写真をとって送っていた。
資格の勉強を教えてる写真と食事を食べさせてる写真。
拓海が私に食べさせるのが日常茶番事だと思われているようだった。
「結婚式?東京と小倉、どっちで?親戚関係が面倒臭いから海外で2人だけで挙げてきてもいいよ」
創始者一族の末裔なだけで、立場的に大規模な結婚式を挙げる必要はない。
だけど、見栄で挙げるよう言ってくる親戚が多く、挙げざる負えない気はしていた。
「創業者一族っていうしがらみから、もう解放されていいと思う。歳の差あるし2人が上手くいかないようなら時期を見て破談させるつもりでいた。凛子ちゃんのご両親とは地元中高一貫校時代に私も妻も6年間それなりに仲良くしてたから、こうなるだろうなと思っていた」
両親同士はかなり親交深かった。
中高一貫校時代の同窓で繋がりがあり、双方の祖父が子供同士仲良くさせようとしていたらしい。
「元々は凛子ちゃんのお母さんの婚約者が私で、妻の婚約者が凛子ちゃんのお父さんだったから」
私の両親は破談した同士で結婚させられたらしい。
なのに、祖父同士が産まれた子を許婚にしたから私の両親は壊れたようだった。
「凛子ちゃんが拓海と結婚する事を凛子ちゃんの両親は本心では認めてない。凛子ちゃんの扱いも酷くて、君に辛い幼少期を送らせてしまった」
私の両親は拓海との関わりを拒絶してた気はする。
義務的な婚約者同士の交流はかなり息苦しかった。
幼少期時代、普段家にいない父が母と偽善夫婦を演じて会食をする非現実に、戸惑いしかなかった。
母も私に興味なく、ただ、知育コンサルタントに分刻みで教育を任せ、同じ家に住んでいても顔を合わす事はなかった。
「凛子ちゃん、辛かったね、ごめんね」
情報量の多さに戸惑う。
拓海のご両親が私の事を受け入れてくれてるのだけは分かった。
「そろそろ帰るわ」
お盆休みの中日の帰省で宿泊を予定してなく、新幹線の最終便の時刻が近づき、お暇する。
「仕事が多忙なのはわかるけど、もっと顔を見せに帰ってきて」
拓海は両親から愛されてる。
県外の中高一貫校に進学したのは学歴主義者の祖父に言われたからで、両親は地元で育てたかったようだった。
「凛子、俺の両親は凛子との結婚は反対していない。わかっただろっ!?」
「うん」
結婚する事に対しては反対されてなかったけど、私の両親の婚約者だった2人が結婚して拓海を授かり、破棄された者同士で結婚させられて産まれた私と婚姻する。
なんとも言えない複雑な感情を抱いた。
「拓海は両親達の関係性について知ってた?」
義務的な交流に違和感を感じていた。
親同士の会話が最低限の挨拶と仕事の話しかなくギスギスしていて、拓海の両親はそうでもなかったけど、私の両親が敵意を露わにしていて居心地が悪かった。
「親同士にそんな過去があるなんて全く思ってもいなかった」
私と同じで中学から親元を離れていた拓海。
幼児期から英才教育で習い事をしていたのもあり両親との関係は希薄だ。
両親の気持ちを汲んで、私との結婚を考えたわけではないと思いたい。
だけど、祖父の呪縛から解放され婚約破棄したのに、拓海が私との結婚を辞めない理由がわからなかった。
実家から車で15分のところに拓海の実家がある。
中高一貫校時代、婚約者という事で盆正月に行き来していた。
「お邪魔します」
玄関の中に入るとリビングから拓海のお父さんとお母さんが出てこられた。
「おかえり、凛子ちゃん、大変だったわね。中にお入り」
拓海のご両親は仲睦まじい。
政略結婚だけどお互いに恋愛感情があって夫婦になったのか、お互いを尊重し気遣っている。
リビングに通されると豪華な料理をケータリングして用意してくれてた。
「凛子、座ろう」
拓海に手を引かれ、並んで座る。
いつもは外での会食でプライベート空間での食事をした事はない。
「食べようか」
お手伝いさんが温かいお吸い物と冷えたお茶を配膳して下さり、お義父さんとお義母さんと向き合い、食事をする。
「凛子、アトランティックサーモン好きだろ、口開けて」
遠慮して手がつけられないでいたら、拓海が私の口の中に握り寿司を入れてきた。
「はい、伊勢海老グラタン」
お義父さんとお義母さんが目の前に座っていらっしゃるのに、恥ずかしがる事なく私に食べさせてくる。
「凛子さん、もっと食べてね」
「あ、ありがとうございます」
お義母さんが温かい眼差しで笑みを浮かべてくれた。
「家族になるんだから気を使わなくていい。拓海が凛子ちゃんの事を可愛がってるのは知ってるから」
5歳差の親が決めた許嫁。
相性が合わずに結婚したら私の両親みたいに不幸になる。
それを懸念し、拓海のお義父さんは常に探りを入れていた。
大学時代、会うたびに仲睦まじそうな写真をとって送っていた。
資格の勉強を教えてる写真と食事を食べさせてる写真。
拓海が私に食べさせるのが日常茶番事だと思われているようだった。
「結婚式?東京と小倉、どっちで?親戚関係が面倒臭いから海外で2人だけで挙げてきてもいいよ」
創始者一族の末裔なだけで、立場的に大規模な結婚式を挙げる必要はない。
だけど、見栄で挙げるよう言ってくる親戚が多く、挙げざる負えない気はしていた。
「創業者一族っていうしがらみから、もう解放されていいと思う。歳の差あるし2人が上手くいかないようなら時期を見て破談させるつもりでいた。凛子ちゃんのご両親とは地元中高一貫校時代に私も妻も6年間それなりに仲良くしてたから、こうなるだろうなと思っていた」
両親同士はかなり親交深かった。
中高一貫校時代の同窓で繋がりがあり、双方の祖父が子供同士仲良くさせようとしていたらしい。
「元々は凛子ちゃんのお母さんの婚約者が私で、妻の婚約者が凛子ちゃんのお父さんだったから」
私の両親は破談した同士で結婚させられたらしい。
なのに、祖父同士が産まれた子を許婚にしたから私の両親は壊れたようだった。
「凛子ちゃんが拓海と結婚する事を凛子ちゃんの両親は本心では認めてない。凛子ちゃんの扱いも酷くて、君に辛い幼少期を送らせてしまった」
私の両親は拓海との関わりを拒絶してた気はする。
義務的な婚約者同士の交流はかなり息苦しかった。
幼少期時代、普段家にいない父が母と偽善夫婦を演じて会食をする非現実に、戸惑いしかなかった。
母も私に興味なく、ただ、知育コンサルタントに分刻みで教育を任せ、同じ家に住んでいても顔を合わす事はなかった。
「凛子ちゃん、辛かったね、ごめんね」
情報量の多さに戸惑う。
拓海のご両親が私の事を受け入れてくれてるのだけは分かった。
「そろそろ帰るわ」
お盆休みの中日の帰省で宿泊を予定してなく、新幹線の最終便の時刻が近づき、お暇する。
「仕事が多忙なのはわかるけど、もっと顔を見せに帰ってきて」
拓海は両親から愛されてる。
県外の中高一貫校に進学したのは学歴主義者の祖父に言われたからで、両親は地元で育てたかったようだった。
「凛子、俺の両親は凛子との結婚は反対していない。わかっただろっ!?」
「うん」
結婚する事に対しては反対されてなかったけど、私の両親の婚約者だった2人が結婚して拓海を授かり、破棄された者同士で結婚させられて産まれた私と婚姻する。
なんとも言えない複雑な感情を抱いた。
「拓海は両親達の関係性について知ってた?」
義務的な交流に違和感を感じていた。
親同士の会話が最低限の挨拶と仕事の話しかなくギスギスしていて、拓海の両親はそうでもなかったけど、私の両親が敵意を露わにしていて居心地が悪かった。
「親同士にそんな過去があるなんて全く思ってもいなかった」
私と同じで中学から親元を離れていた拓海。
幼児期から英才教育で習い事をしていたのもあり両親との関係は希薄だ。
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