ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第3章 組織編

VSメルガー(後編)

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ドッ! ゴオウッ!!

 メルガーは突然、浮かんだまま、ものすごい速さでローグに向かって飛んできた。ローグの考えた通りの戦法だった。

(このまま一気に懐に入り、【強奪魔法】『魔法強奪』を使ってお前の魔法を奪ってやる! 【反射魔法】は失われてしまうが、お前の魔法はそれに匹敵する価値があるはず! 奪ったらじっくり研究させてもらう! お前を実験台にしてな!)
(……とか、思ってんだろうな~)

ドンッ!!

 メルガーがローグの懐に入った。そして、

ガシッ!

「【強奪魔法】『魔法強奪』!」

パアァァ!

「ローグ様!」
「「「「「会長!」」」」」

 メルガーがローグの頭を掴み魔法を発動する。青い光がローグを包みこんだ。メルガーは勝利を確信した。これで終わる、新しい魔法が手に入る、メルガーはそう思った。だがここで、思いもよらないことが起こった。ローグの体が透明になって消え始めたのだ。

「な、何い!? どういうことだ!?」
「ああ、こういうことだけど」
「はっ!?」
「ええ!?」
「「「「「ええ!?」」」」」

 その後、誰もが驚いた。消えていくローグの後ろに、もう一人のローグが現れ始めたのだ。それは透明だったものに色が浮かぶように実体化していくようだった。もう一人のローグは、完全に実体化する前にメルガーの腕を掴むと、

「【外道魔法・傲慢】『動き呪い』!」

ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……

「う、うう……し、しまった」
「【外道魔法・暴食】『腹外吸収』!」

キュウウウウウウウウウウウウウン!

「う!? うぐあああああああああああ……」
「【外道魔法・憤怒】『理不尽な裁き』!」

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!

「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

ガクガクガク パッ ドサッ

「「「「「会長!?」」」」」

 腕を掴まれたメルガーは、一度目の魔法で動けなくなり、二度目の魔法で魔力を奪われ、三度目の魔法を浴びて黒焦げになって倒れてしまった。誰の目に見えてもメルガーの敗北だ。勝利したのはローグなのだが、その場にいるローグは一人だけ、後から出てきたほうだけが残っていた。

「ローグ様!」
「おい、ミーラ。こんな時に抱き着くなよ」
「だ、だって! 会長に掴まれたり、消えたり、二人になったりするんだもの! 訳が分からないけど、普通心配するでしょ!?」
「まあ、そうだな……」
「でも、本当にどうやったの? 確かに掴まれたと思ったのに……」
「それは後で話す。まだ戦いは終わってないからな」

 ローグが消えたり出てきたりしたのは、やはり【外道魔法】による効果だった。自分の分身を作り出す【外道魔法・嫉妬】『美化分身』で、自身のすぐ前に分身を作っていたのだ。つまり、メルガーが掴んだのはその分身というわけだ。
 消えていたように見えたのは、自分自身に【外道魔法・嫉妬】『認識遮断』をかけて、姿を消すのではなく周囲の認識から外れていたからだ。メルガーが分身を掴んでる間に、本体が分身から距離を取って、メルガーが魔法を使っている隙に攻撃する。そういう作戦だったのだ。
 ローグがこんな作戦を取ったのは、ルドガーの情報を参考にしたからだ。メルガーの実力は、全盛期のルドガーに一対一で勝利するほどのものだという。つまり、元騎士団に所属していた者を倒せるほどの実力者なのだ。他の幹部も相当強いらしいので、最善の策を考えた末、メルガーとの戦いは【強奪魔法】を使った隙を狙うことにしたのだ。

「そ、そんな……会長が……」
「負けてしまった……」
「ど、どうすれば……」

 戦いを見ていた構成員たちは狼狽えていた。何せ、魔法協会のトップが完膚なきまで敗北してしまったのだ。独裁者と言っていいような存在にただ従っていただけの彼らからすれば、何をすればいいのか分からない。

「おい、あんたたち」
「「「「「っ!?」」」」」
「逃げたければ、どーぞ。末端の職員に用は無いから、そのまま戦意喪失してもらったほうがこちらも助かるんだけど?」
「「「「「…………」」」」」

 ローグの言葉を聞いた構成員たちは、その場からすぐ離れていった。指示待ち人間はもろいのだ。それに、確かにローグにとって重要なのは彼らではない。

「魔法協会のトップは4人、会長のこの男と3人の幹部だ。そいつらの中で大事なことをしゃべってもらわないとな。せっかく、仕掛けも作ったんだしさ」

 ローグは魔法協会を潰すだけではなく、利用するために、別の作戦も考えていた。
 それは……
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