ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第4章 因縁編

VSトリニティウルフ(決着編)

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 トリニティウルフ。狼の体に蜘蛛と鰐の特徴を持った異形の生物は、残念なことに理解が早かった。これから己がどうなるのかを見抜いてしまった。


 妙な壁が消えた時は3匹の人間の後ろにいた。そこから襲ったのだ。人間たちは振り返りもしなかった。勝利を確信した……はずだったのに。

 突然、立っていた人間が強い光を放ったのだ。その光を見た瞬間、八つの目が同時に焼かれるような痛みが襲ってきた。

 何が何だかわからず、もがき苦しんで倒れてしまったがそれがいけなかった。今度は何か得体のしれない何かが体に入ってきて、内側から縛られるような感覚になった。更に、足の裏に切られるような痛みが走った。いや、切られたのだ。これではうまく立てない。

 もう訳が分からなかったが、回復してきた目が最初に見た光景を見てすぐに悟った。


 自分はもう狩られるのだと。





「よし! 準備万全だ!」

 ローグはトリニティウルフがその場を動けなくなったのを遠目で確認した。ミーラとルドガーもその場から離れていた。

 ローグの右手から赤紫色の光が発生し、体全体から金色の光が発生した。二つの異なる魔力の光、【外道魔法】と【昇華魔法】の二つの魔法の同時攻撃、つまり、合体攻撃だ。その合体攻撃も二つの魔法を一つの体で使うために相当な魔力を使う。そんなものを使用するのは、トリニティウルフがそれだけ凶悪な魔物だからだ。ローグはその身で経験したからこそ分かる。

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!

「ウォッ!?」

「行くぞ、【合体魔法】『昇華螺旋槍』!」
「きれい……」
「な、なんて魔力量だ、これが切り札ってやつか!?」

 二人が見たものは、金色の光が螺旋に沿って入り込んだ赤紫の螺旋状の槍。それをローグが手にしている。ミーラはその輝きに感動すらしているが、ルドガーは槍が放つ魔力量に驚愕しているようだった。

(きれい……なんてきれいなんだろう)
(あれほどの力を秘めていたとは……!)

「さて、とどめだ!」

「ッ!?」

(こいつはここで仕留める! 魔法協会の地下に用ができたからな!)

 ローグの持つ『昇華螺旋槍』が一回り大きくなった。それは、故郷で一度使用した時のものよりも大きい。当然のことだった。あの時は人間が相手で命は奪わないでいたために手加減をしていたが、今はそんな必要もないのだ。

「さらばだ、トリニティウルフ! 食らえー!」

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!! ドッカアアアアアアアアアン!!

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオァァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「きゃあっ!」
「くっ!」

 とてつもない衝撃がミーラとルドガーに襲ってきた。ローグが放ったことは分かっているが、思わず目を閉じるほど衝撃的だった。






 決着がついた。

 ミーラとルドガーが衝撃が消えたのを確認して目を開けてみると、すさまじい光景が目に移った。

「す、すごい……!」
「これほどとは……!」

 そこにはトリニティウルフがいたはずだった……のだが、実際にあるのは黒焦げになった大きな狼の死体だった。いや、がトリニティウルフだったのだろうが緑色の鱗が特徴だったためか、すぐには分からなかった。あの巨体が一瞬でこうなるなど、二人には予想できなかったのだ。

「あの魔物が、こんな……」
「こんなことが……」
「二人とも無事のようだな」
「「っ!?」」

 二人が声のするほうを振り返ると、疲弊した顔のローグがそこにいた。

「魔物は倒した。ひとまずここを離れるぞ。誰も見ていないうちにな」


 3人はこの後、魔法協会を後にした。

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