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第5章 外国編
外国の暗殺者
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「ローグ・ナイト。奴は帝国の諜報部隊の者だ。暗殺や対魔法に特化した戦士でもある」
「何だと?」
「いかにも」
リオルが男の正体について明かすと、壁から出てきた男の全身が見えてきた。その男は上から下まで全身に真っ黒な装束を身にまとっていた。ローグもかつては黒ずくめの格好をしたことがあったが、ここまで黒を強調した格好ではない。
「我らは貴様ら魔法使いどもに対抗する技を駆使する戦闘集団。通称『クロズク』」
「クロズク……!?」
「……そういうことだ」
ローグは黒装束の男と組織名を知って最初にこう思った。
(そのまんまじゃねえか! っていうか、どっからどう見ても忍者だし!)
男の姿は前世の漫画に出てくるような『忍者』にそっくりだったのだ。ローグも前世で忍者系の漫画やアニメが好きだったので、心の中でツッコまずにはいられなかった。
「ふん。もっとも、対魔法に特化と言っても魔法の真似事のようなものだがな」
「おやおや、これは手厳しいですなリオル様は。我らの磨いてきた技は魔法に後れを取っていないというのに」
「それならば表の戦場で役立ててほしいものだな。こそこそ裏から敵を背後から切るのではなくてな」
「そういわれましても、我らの技は裏方のほうにこそ力を発揮するのです。わざわざ不利な条件で披露するなど愚かしいですぞ」
「……ふん」
ローグが心の中で勝手なことを思っている間にも話は進む。そして、リオルは男に嫌そうな顔で問いかける。
「クロズクが出向くということは私が目当てか?」
「さよう。帝国の混乱を防ぐためにもお命頂戴させてもらいます」
「誰の命令だ、妹か? 兄上か?」
「「…………!」」
リオルは己を殺そうとする男に、怒りと悲しみが入り混じった声で質問した。家族の中で誰が自分の死を望んでいるのか。ローグとミーラは静かに聞く。しかし、男の口からは意外な答えが返ってきた。
「いいえ。我らの意志です」
「何? どういうことだ!?」
「へ?」
「何?」
「リオル様が反逆者ということが決まった時、我らが独断で判断して行動に移してもらったのですよ。『今の』リオル様はい無くなったほうがいいと」
「何だと! 貴様らの独断でそんなことを進めていいと思っているのか!?」
「「…………!?」」
リオルは激昂する。それに対して男はさらに煽るかのように余裕な調子で語る。
「さようでございます。我らほどの組織ならば独断行動さえもある程度は目をつむってもらえましょう」
「ふざけるな! 貴様らのやり口は気に入らなかったが、そこまで思い上がるとはな!」
「我らを軽んじるあなた様こそ思い上がってはいませんか? いや、もはや皇族全体でしょうか」
「我ら皇族をそこまで軽んじるか! はっ! まさか、父上の病は貴様らが……!?」
「何、どういうこと……?」
「そういうことか……」
皇帝の病は毒によるもの。毒ということは人の手が加えられたことを意味する。皇帝ほどの重要人物に毒を盛ることができる者はかなり限られてくる。それは血のつながった親族や信頼される家臣が思い浮かぶところだ。帝国では誰もが親族の手によると思うだろう。第一皇女のリオルですら同じ思いだった。
「……それに関しては一切お答えできませんな。そもそも、今のあなた様が知って何になるのですかね。ここで死ぬというのに」
「「「っ!」」」
男は言い終わったと同時に、地面を蹴ってリオルと距離を詰めた。そして、
ガッキーン!
男の小刀とリオルの剣がぶつかった。男の攻撃をリオルが上手く防いだのだ。
「……ひえ?」
「まだあんな動きができたのか。疲弊してると思ったのだが」
「ほう。我が技を受け止めるだけの余力を残していようとは」
「舐めるなよ。私がどれほどの戦場に立ったと思っている!」
「それもそうですな。単なるおてんば姫というわけではないことは承知でした」
「ほざけ!」
男とリオルはほぼ同時に地面を蹴って後ろへと下がった。男はさっきの位置に戻り、リオルはローグのすぐ真横に移動した。
「ローグ・ナイト! 手を貸してもらおう。奴に見つかってしまった以上、お前も狙われることだろうからな。今は私と共に戦ってもらおう。帝国の正義のために!」
「んなっ!? ちょっ、皇女様!?」
「……ちっ、まあ、利害は一致するから協力はしてやろう」
ローグとミーラとリオル。この3人の運命共同体がここに出来上がった。
「何だと?」
「いかにも」
リオルが男の正体について明かすと、壁から出てきた男の全身が見えてきた。その男は上から下まで全身に真っ黒な装束を身にまとっていた。ローグもかつては黒ずくめの格好をしたことがあったが、ここまで黒を強調した格好ではない。
「我らは貴様ら魔法使いどもに対抗する技を駆使する戦闘集団。通称『クロズク』」
「クロズク……!?」
「……そういうことだ」
ローグは黒装束の男と組織名を知って最初にこう思った。
(そのまんまじゃねえか! っていうか、どっからどう見ても忍者だし!)
男の姿は前世の漫画に出てくるような『忍者』にそっくりだったのだ。ローグも前世で忍者系の漫画やアニメが好きだったので、心の中でツッコまずにはいられなかった。
「ふん。もっとも、対魔法に特化と言っても魔法の真似事のようなものだがな」
「おやおや、これは手厳しいですなリオル様は。我らの磨いてきた技は魔法に後れを取っていないというのに」
「それならば表の戦場で役立ててほしいものだな。こそこそ裏から敵を背後から切るのではなくてな」
「そういわれましても、我らの技は裏方のほうにこそ力を発揮するのです。わざわざ不利な条件で披露するなど愚かしいですぞ」
「……ふん」
ローグが心の中で勝手なことを思っている間にも話は進む。そして、リオルは男に嫌そうな顔で問いかける。
「クロズクが出向くということは私が目当てか?」
「さよう。帝国の混乱を防ぐためにもお命頂戴させてもらいます」
「誰の命令だ、妹か? 兄上か?」
「「…………!」」
リオルは己を殺そうとする男に、怒りと悲しみが入り混じった声で質問した。家族の中で誰が自分の死を望んでいるのか。ローグとミーラは静かに聞く。しかし、男の口からは意外な答えが返ってきた。
「いいえ。我らの意志です」
「何? どういうことだ!?」
「へ?」
「何?」
「リオル様が反逆者ということが決まった時、我らが独断で判断して行動に移してもらったのですよ。『今の』リオル様はい無くなったほうがいいと」
「何だと! 貴様らの独断でそんなことを進めていいと思っているのか!?」
「「…………!?」」
リオルは激昂する。それに対して男はさらに煽るかのように余裕な調子で語る。
「さようでございます。我らほどの組織ならば独断行動さえもある程度は目をつむってもらえましょう」
「ふざけるな! 貴様らのやり口は気に入らなかったが、そこまで思い上がるとはな!」
「我らを軽んじるあなた様こそ思い上がってはいませんか? いや、もはや皇族全体でしょうか」
「我ら皇族をそこまで軽んじるか! はっ! まさか、父上の病は貴様らが……!?」
「何、どういうこと……?」
「そういうことか……」
皇帝の病は毒によるもの。毒ということは人の手が加えられたことを意味する。皇帝ほどの重要人物に毒を盛ることができる者はかなり限られてくる。それは血のつながった親族や信頼される家臣が思い浮かぶところだ。帝国では誰もが親族の手によると思うだろう。第一皇女のリオルですら同じ思いだった。
「……それに関しては一切お答えできませんな。そもそも、今のあなた様が知って何になるのですかね。ここで死ぬというのに」
「「「っ!」」」
男は言い終わったと同時に、地面を蹴ってリオルと距離を詰めた。そして、
ガッキーン!
男の小刀とリオルの剣がぶつかった。男の攻撃をリオルが上手く防いだのだ。
「……ひえ?」
「まだあんな動きができたのか。疲弊してると思ったのだが」
「ほう。我が技を受け止めるだけの余力を残していようとは」
「舐めるなよ。私がどれほどの戦場に立ったと思っている!」
「それもそうですな。単なるおてんば姫というわけではないことは承知でした」
「ほざけ!」
男とリオルはほぼ同時に地面を蹴って後ろへと下がった。男はさっきの位置に戻り、リオルはローグのすぐ真横に移動した。
「ローグ・ナイト! 手を貸してもらおう。奴に見つかってしまった以上、お前も狙われることだろうからな。今は私と共に戦ってもらおう。帝国の正義のために!」
「んなっ!? ちょっ、皇女様!?」
「……ちっ、まあ、利害は一致するから協力はしてやろう」
ローグとミーラとリオル。この3人の運命共同体がここに出来上がった。
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