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第5章 外国編
外国で推理
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ローグとミーラとリオル。この3人の運命共同体がここに出来上がった。
「ほう。あなた様がそのような者どもと手を組むとは意外ですな」
「黙れ! こうでもしないとこの場を切り抜けられん! この帝国を貴様らの好きにさせるわけにはいかんのだ!」
どこかやけくそさも感じさせる怒鳴り声を出すリオル。それもそのはずだ。彼女はローグと戦った時にだいぶ疲弊しているのだ。まだ全快でない状態でクロズクの男と一対一で戦うのは不利だ。何としてでも自分が生き残って祖国を正さねばならない。そのためなら手段は選んでいられない。それが彼女の思いだった。
(噂通り愛国心の強い女性のようだな。自分のプライドよりも祖国のために生き残る手段を選ぶか)
リオルからすれば嫌っている王国の出身の人間と手を組むなど屈辱でしかないことはローグも理解している。それでもそんな手段を選んだ彼女をローグは見直した。好印象を持った。
(どうやら単なる熱血女じゃないようだな。まあ、立場からして利用するのは当然だったがな)
「ふむ、我らを悪く思うのは結構。ならば王国生まれのそこの二人。貴様らはリオル様につくか? この帝国で犯罪者とされる者ぞ?」
「え!?」
「……」
クロズクの男はローグとミーラに問いかけてきた。話しかけられるとは思わなかったのかミーラはギョッと怖気づいてしまう。ローグは無言で男を見る。
「リオル様は皇帝陛下に毒を盛った反逆者。そのようなものに手を貸せば同罪。まして王国出身者となれば不法入国も加わって死刑は免れぬぞ?」
「ええ!? 死刑!?」
「さよう。ただし、今からでもリオル様を置いて逃げてくれるならば見逃してやってもいい」
「……へ?」
「お、おい! 何を言い出すんだ!?」
「もしくは、我に協力してくれるというならば我の計らいで不法入国の罪も無しに……」
「嘘だな」
「「「!」」」
クロズクの男が最後まで言い終わる前に、ローグが話を遮った。ほだされそうになったミーラも、そんなミーラに警戒するリオルも、クロズクの男もローグに注目する。
「我の話が嘘と? その根拠はどこにあるのか? 我の話が本当だったら貴様らの救いとなる話ぞ?」
「何故、俺たち二人が王国出身だと分かった?」
「……!」
「え?」
「俺達が王国出身ってことはそこの皇女様が見抜いたことだ。だがそれは対決の前だったはずだ。対決の最中か終わった後でも皇女様を殺す機会があったのに何でそれをしなかった?」
「あっ!」
「そういえば……そうだ、何故……?」
「……何が言いたい?」
「対決の時にお前は離れた位置にいた。だが、俺達に近づいてきたせいで皇女様に気付かれた。本当に皇女の命が狙いなら対決の最中に近づいていればよかったのにだ」
「…………」
「どういうこと?」
「まさか……他に何かあるのか?」
ローグの話はもっともだ。リオルを殺すためにクロズクの男が近くにいたのなら、対決が終わった直後に疲弊したリオルを襲撃すればいい。そこが最高のタイミングのはずだ。リオルの暗殺だけが目的ならば。
「お前は最初から俺達3人を殺すつもりだった。もしくは俺たち二人だけが暗殺の対象だったってことだろ」
「「ええ!?」」
「俺達が対決を始めたから、終わった後に勝ったほうを始末しようって魂胆だったんじゃないか? 状況からしてさあ?」
「か、勝ったほうって……」
「そういうことか!」
「…………」
ローグが言いたいことはと、ローグとミーラが最初に目をつけられていて、そこにリオルが加わった。3人が人気のない場所で対決を始めたことをいいことに、疲弊した状態になった3人をまとめて始末しようというものだ。
「……ローグ・ナイトか。頭の切れる少年だ。王国を混乱に陥れただけのことはある」
「本当だった!?」
「なんて奴だ! 卑怯者めが!」
「当たってたようだな」
クロズクの男は肯定した。ローグの推理が正しかったのだ。男からすれば後者の話が事実だった。数週間前に王国から暴動をpkpした反逆者の情報をもたらされ、帝国にその情報提供と見つけたら捕縛か抹殺を要求してきた。その内容はクロズクにも伝わっており、彼らもローグ達の捜索を始めていたのだ。
そして、とある宿で寝泊まりしていることを突き止めて、この男が出向いたところで、帝国の反逆者となったリオルとローグが対決するという状況に出くわしたのだ。リオルが勝つと思って、決着がつくまで様子を見ていた男だったが意外な展開になってしまった。
「仕方がない。3人まとめて死んでもらうとしよう。そのうち二人は疲弊していることであるしな。もう一人も弱そうだし」
「やってみろ」
「ま、負けないから!」
「卑怯者に屈しはせん!」
3人は心から一致団結した。
「ほう。あなた様がそのような者どもと手を組むとは意外ですな」
「黙れ! こうでもしないとこの場を切り抜けられん! この帝国を貴様らの好きにさせるわけにはいかんのだ!」
どこかやけくそさも感じさせる怒鳴り声を出すリオル。それもそのはずだ。彼女はローグと戦った時にだいぶ疲弊しているのだ。まだ全快でない状態でクロズクの男と一対一で戦うのは不利だ。何としてでも自分が生き残って祖国を正さねばならない。そのためなら手段は選んでいられない。それが彼女の思いだった。
(噂通り愛国心の強い女性のようだな。自分のプライドよりも祖国のために生き残る手段を選ぶか)
リオルからすれば嫌っている王国の出身の人間と手を組むなど屈辱でしかないことはローグも理解している。それでもそんな手段を選んだ彼女をローグは見直した。好印象を持った。
(どうやら単なる熱血女じゃないようだな。まあ、立場からして利用するのは当然だったがな)
「ふむ、我らを悪く思うのは結構。ならば王国生まれのそこの二人。貴様らはリオル様につくか? この帝国で犯罪者とされる者ぞ?」
「え!?」
「……」
クロズクの男はローグとミーラに問いかけてきた。話しかけられるとは思わなかったのかミーラはギョッと怖気づいてしまう。ローグは無言で男を見る。
「リオル様は皇帝陛下に毒を盛った反逆者。そのようなものに手を貸せば同罪。まして王国出身者となれば不法入国も加わって死刑は免れぬぞ?」
「ええ!? 死刑!?」
「さよう。ただし、今からでもリオル様を置いて逃げてくれるならば見逃してやってもいい」
「……へ?」
「お、おい! 何を言い出すんだ!?」
「もしくは、我に協力してくれるというならば我の計らいで不法入国の罪も無しに……」
「嘘だな」
「「「!」」」
クロズクの男が最後まで言い終わる前に、ローグが話を遮った。ほだされそうになったミーラも、そんなミーラに警戒するリオルも、クロズクの男もローグに注目する。
「我の話が嘘と? その根拠はどこにあるのか? 我の話が本当だったら貴様らの救いとなる話ぞ?」
「何故、俺たち二人が王国出身だと分かった?」
「……!」
「え?」
「俺達が王国出身ってことはそこの皇女様が見抜いたことだ。だがそれは対決の前だったはずだ。対決の最中か終わった後でも皇女様を殺す機会があったのに何でそれをしなかった?」
「あっ!」
「そういえば……そうだ、何故……?」
「……何が言いたい?」
「対決の時にお前は離れた位置にいた。だが、俺達に近づいてきたせいで皇女様に気付かれた。本当に皇女の命が狙いなら対決の最中に近づいていればよかったのにだ」
「…………」
「どういうこと?」
「まさか……他に何かあるのか?」
ローグの話はもっともだ。リオルを殺すためにクロズクの男が近くにいたのなら、対決が終わった直後に疲弊したリオルを襲撃すればいい。そこが最高のタイミングのはずだ。リオルの暗殺だけが目的ならば。
「お前は最初から俺達3人を殺すつもりだった。もしくは俺たち二人だけが暗殺の対象だったってことだろ」
「「ええ!?」」
「俺達が対決を始めたから、終わった後に勝ったほうを始末しようって魂胆だったんじゃないか? 状況からしてさあ?」
「か、勝ったほうって……」
「そういうことか!」
「…………」
ローグが言いたいことはと、ローグとミーラが最初に目をつけられていて、そこにリオルが加わった。3人が人気のない場所で対決を始めたことをいいことに、疲弊した状態になった3人をまとめて始末しようというものだ。
「……ローグ・ナイトか。頭の切れる少年だ。王国を混乱に陥れただけのことはある」
「本当だった!?」
「なんて奴だ! 卑怯者めが!」
「当たってたようだな」
クロズクの男は肯定した。ローグの推理が正しかったのだ。男からすれば後者の話が事実だった。数週間前に王国から暴動をpkpした反逆者の情報をもたらされ、帝国にその情報提供と見つけたら捕縛か抹殺を要求してきた。その内容はクロズクにも伝わっており、彼らもローグ達の捜索を始めていたのだ。
そして、とある宿で寝泊まりしていることを突き止めて、この男が出向いたところで、帝国の反逆者となったリオルとローグが対決するという状況に出くわしたのだ。リオルが勝つと思って、決着がつくまで様子を見ていた男だったが意外な展開になってしまった。
「仕方がない。3人まとめて死んでもらうとしよう。そのうち二人は疲弊していることであるしな。もう一人も弱そうだし」
「やってみろ」
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「卑怯者に屈しはせん!」
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