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あれから数日経って完成したピアスが届いた。
「すっげえー」
届いたのは高級そうなジュエリーケースに入ったこれまた高級そうなピアスだ。
俺はただ加工した魔石を金具に取り付けてくれるだけかと思っていた。
だが、実際に目の前にあるピアスは魔石の周りにキラキラした白や魔石と同系色の宝石が散りばめられていた。いかにも金持ちが付けてそうなピアスだ。
前世の俺だったら絶対に浮いてしまっていたデザインだろう。今世の俺なら多分大丈夫だと思う。もちろん、イケメンなリエルにも。
今世の俺の顔は美形な方だと思う。前世に比べたらの話なんだけどね。この世界は顔面偏差値が高い。その中でも群を抜いているのが父上とリエルだ。本当にキラキラしてるもんな。
「カイト様、昼食のお時間です」
もうそんな時間か。
ちなみに、ここ数日からは庭で食事を取るようにしている。兄と弟が食事するのは当たり前発言通り、どんなに忙しくてもリエルは一緒に食事をしてくれる。たまに父上もいる。
俺の部屋は3階にあるのだが、そこまで来てもらうのは申し訳なさすぎて庭で食事するようにした。
本当は王宮で食事するのがいいのだろうが、ハリウスの料理がいいという俺の我儘だ。それをリエルに伝えたら、
『私もハリウスの料理食べたいからサファイア宮殿がいい』って、よく出来た弟だ。本当に…つくづく感謝。
それでは時間もないので、庭にレッツゴー!
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
「カイト兄上!!」
凄い勢いで駆け寄って来たのは言わずもがな、リエルだ。
最近気づいたんだけど、リエルは俺に対してと他に対しての態度が全然違う。他の奴らにはこう次期魔王らしい威厳ある感じなのに、俺に対してはなんか犬?みたいだ。ご主人様大好き犬…って、それだとリエルが俺を大好きみたいじゃないか。
…多分好かれてる方だとは思うのだが、その好意の表し方が犬なのだ。
俺を見つけたら駆け寄って、抱きしめて…食事していると、隙あらば膝の上に乗せようとしてくる。
最初は恥ずかしくて抵抗してたけど、面倒くさくてやめた。てか、もう慣れた。
「リエル、執務お疲れ様」
「ありがとう、カイト兄上」
今もこうやって抱きしめられているのだが…って身体が浮いた?
「なんだこの状況は?!」
なぜ、よりにもよってお姫様抱っこをチョイスしたー?!それが許されるのは恋人だ。俺らは兄弟だろ?
「ちょっと暴れないでよ。落とされたくないでしょ?」
…それは痛いから嫌だ。あの『落とされたくないでしょ?』の部分がマジだった。あれは脅し慣れた人の顔だった…俺の弟ながら怖い。
そして、抱っこされたままテーブルに到着した。俺の嫌な予想が当たってしまうとすれば座る場所は…
「今日は私が食べさせてあげるから、カイト兄上は口を開けるだけでいいからね」
やっぱり、リエルの膝の上に座らさせられた。しかもあーん付きらしい。そんなのいらんわ!
「いや、遠慮し…」
「ん?なんか言った?」
「イヤ、ナンデモナイ」
今日は一段と面倒くさいな。なんだ?いい事でもあったのかな。
「そう?じゃっ、はい。あーん」
「あ、あーん」
そのあとは地獄の時間だったとだけ言っておこう。
そんな時間も過ぎ去った為、ピアスを渡すことにした。
「リエル、渡したいものがあるんだ」
「なーに?」
ポケットの中にしまっていたリエルのピアスが入ったジュエリーケースを取り出した。
「開けてみてくれ」
「うわぁっ、凄い綺麗!嬉しいな、カイト兄上の瞳の色だ。ありがとう!」
やっぱりバレたか、瞳の色だと…
渡すのも恥ずかしいが、これからつけるのも恥ずかしい。
「実はお前のと一緒に、俺のも用意して貰ったんだ」
そう言って取り出したのはリエルの瞳と同じ黒色のピアス。あとでこっそりつけてバレるより今バラした方がまだマシだ。
「わぁ、お揃いなんだね。今つけてあげるね」
対面で膝の上で座り直された俺の耳にピアスがつけられた。この流れでいくと…
「やっぱり似合うね、この不思議な形がいい味出してる。じゃ、今度はカイト兄上の番ね」
やっぱり俺がお前につけるのかよー。つけて貰うまで気づかなかったが、顔が近すぎるのだ。あまり近くで見ると眩しいんだよな。つけられる時は目を閉じられたけど、つける時はそうはいかない。目が潰れないか不安だ。
「実は魔石を加工してみたんだ。イメージしたらこんな形になった」
「やっぱ凄いな、カイト兄上は。とっても素敵だよ」
この形を説明しろと言われたら困るから、まぐれで出来たのだということにした。
「よし、つけ終わったぞ」
目が潰れない為に、リエルの耳に集中した俺はすぐにつけ終われた。
「どうかな?」
「あぁ、よく似合ってる」
思った通り凄く似合ってる。キラキラ度が増した気がするのは俺だけか?
「本当にありがとう、これで執務がより頑張れるよ」
「あぁ、頑張ってこい」
「行ってくるね」
とても喜んでくれたみたいでよかったとウキウキして帰っていくリエルを見送りながら思った。
ただ次の日、お礼にと俺の元に届いた高級そうな服は無視したい。そこに貼られたメッセージも…
『親愛なるカイト兄上へ
ピアス本当にありがとう!
お礼に服を送ったよ。
お揃いなんだ、どうかな?
リエルより 』
お揃いはもう懲り懲りだ!
そんなカイトは知らない。
これからもリエルによってお揃いが増えていくことを…
「すっげえー」
届いたのは高級そうなジュエリーケースに入ったこれまた高級そうなピアスだ。
俺はただ加工した魔石を金具に取り付けてくれるだけかと思っていた。
だが、実際に目の前にあるピアスは魔石の周りにキラキラした白や魔石と同系色の宝石が散りばめられていた。いかにも金持ちが付けてそうなピアスだ。
前世の俺だったら絶対に浮いてしまっていたデザインだろう。今世の俺なら多分大丈夫だと思う。もちろん、イケメンなリエルにも。
今世の俺の顔は美形な方だと思う。前世に比べたらの話なんだけどね。この世界は顔面偏差値が高い。その中でも群を抜いているのが父上とリエルだ。本当にキラキラしてるもんな。
「カイト様、昼食のお時間です」
もうそんな時間か。
ちなみに、ここ数日からは庭で食事を取るようにしている。兄と弟が食事するのは当たり前発言通り、どんなに忙しくてもリエルは一緒に食事をしてくれる。たまに父上もいる。
俺の部屋は3階にあるのだが、そこまで来てもらうのは申し訳なさすぎて庭で食事するようにした。
本当は王宮で食事するのがいいのだろうが、ハリウスの料理がいいという俺の我儘だ。それをリエルに伝えたら、
『私もハリウスの料理食べたいからサファイア宮殿がいい』って、よく出来た弟だ。本当に…つくづく感謝。
それでは時間もないので、庭にレッツゴー!
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
「カイト兄上!!」
凄い勢いで駆け寄って来たのは言わずもがな、リエルだ。
最近気づいたんだけど、リエルは俺に対してと他に対しての態度が全然違う。他の奴らにはこう次期魔王らしい威厳ある感じなのに、俺に対してはなんか犬?みたいだ。ご主人様大好き犬…って、それだとリエルが俺を大好きみたいじゃないか。
…多分好かれてる方だとは思うのだが、その好意の表し方が犬なのだ。
俺を見つけたら駆け寄って、抱きしめて…食事していると、隙あらば膝の上に乗せようとしてくる。
最初は恥ずかしくて抵抗してたけど、面倒くさくてやめた。てか、もう慣れた。
「リエル、執務お疲れ様」
「ありがとう、カイト兄上」
今もこうやって抱きしめられているのだが…って身体が浮いた?
「なんだこの状況は?!」
なぜ、よりにもよってお姫様抱っこをチョイスしたー?!それが許されるのは恋人だ。俺らは兄弟だろ?
「ちょっと暴れないでよ。落とされたくないでしょ?」
…それは痛いから嫌だ。あの『落とされたくないでしょ?』の部分がマジだった。あれは脅し慣れた人の顔だった…俺の弟ながら怖い。
そして、抱っこされたままテーブルに到着した。俺の嫌な予想が当たってしまうとすれば座る場所は…
「今日は私が食べさせてあげるから、カイト兄上は口を開けるだけでいいからね」
やっぱり、リエルの膝の上に座らさせられた。しかもあーん付きらしい。そんなのいらんわ!
「いや、遠慮し…」
「ん?なんか言った?」
「イヤ、ナンデモナイ」
今日は一段と面倒くさいな。なんだ?いい事でもあったのかな。
「そう?じゃっ、はい。あーん」
「あ、あーん」
そのあとは地獄の時間だったとだけ言っておこう。
そんな時間も過ぎ去った為、ピアスを渡すことにした。
「リエル、渡したいものがあるんだ」
「なーに?」
ポケットの中にしまっていたリエルのピアスが入ったジュエリーケースを取り出した。
「開けてみてくれ」
「うわぁっ、凄い綺麗!嬉しいな、カイト兄上の瞳の色だ。ありがとう!」
やっぱりバレたか、瞳の色だと…
渡すのも恥ずかしいが、これからつけるのも恥ずかしい。
「実はお前のと一緒に、俺のも用意して貰ったんだ」
そう言って取り出したのはリエルの瞳と同じ黒色のピアス。あとでこっそりつけてバレるより今バラした方がまだマシだ。
「わぁ、お揃いなんだね。今つけてあげるね」
対面で膝の上で座り直された俺の耳にピアスがつけられた。この流れでいくと…
「やっぱり似合うね、この不思議な形がいい味出してる。じゃ、今度はカイト兄上の番ね」
やっぱり俺がお前につけるのかよー。つけて貰うまで気づかなかったが、顔が近すぎるのだ。あまり近くで見ると眩しいんだよな。つけられる時は目を閉じられたけど、つける時はそうはいかない。目が潰れないか不安だ。
「実は魔石を加工してみたんだ。イメージしたらこんな形になった」
「やっぱ凄いな、カイト兄上は。とっても素敵だよ」
この形を説明しろと言われたら困るから、まぐれで出来たのだということにした。
「よし、つけ終わったぞ」
目が潰れない為に、リエルの耳に集中した俺はすぐにつけ終われた。
「どうかな?」
「あぁ、よく似合ってる」
思った通り凄く似合ってる。キラキラ度が増した気がするのは俺だけか?
「本当にありがとう、これで執務がより頑張れるよ」
「あぁ、頑張ってこい」
「行ってくるね」
とても喜んでくれたみたいでよかったとウキウキして帰っていくリエルを見送りながら思った。
ただ次の日、お礼にと俺の元に届いた高級そうな服は無視したい。そこに貼られたメッセージも…
『親愛なるカイト兄上へ
ピアス本当にありがとう!
お礼に服を送ったよ。
お揃いなんだ、どうかな?
リエルより 』
お揃いはもう懲り懲りだ!
そんなカイトは知らない。
これからもリエルによってお揃いが増えていくことを…
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