転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃

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今日は王宮探検をするぞー!


これまで自分の部屋に引き籠もってきたせいで王宮の造りがなんとなくしか分からない。王族としてこれはダメだろうと思っていたが、1人で行ったとして迷子にでもなってしまったら嫌だと踏み込めなかった。

だけど、そこに救世主が現れた!!

『カイト兄上、私の執務室の場所知らないでしょ?私も今日は午後から執務お休みしていいと許可貰ったから、ついでに王宮も案内するよ』

本当に良くできた弟だ。いつもリエルには助けてもらって、感謝してばかりだ。

だからといって何かお礼をしようとすると、この前みたいにお礼のお礼が返ってくる。だから、いつも『ありがとう』と言葉でしか伝えれない。
今度、お返しは何もいらない!と言って物を投げつけるか…


「カイト兄上ー、いけるー?」

「あぁ、行ける」



リエルもお待ちのようだ。ほとんどが行ったことがないところだから楽しみだ。




➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖




俺の心はルンルンしててスキップしたい気分なのだが、王宮は一般開放されていることもあって抑えてる。
今まで無表情だった俺が急に笑顔を見せたらみんなビックリして君悪がるだろうから、楽しくてニッコニコになりたい気持ちを抑えて無表情を作っている。


そんな俺の横でリエルはというとわざとらしい笑みで挨拶を返している。
仲が深まった今なら分かるがあれは作り笑顔だ。普通の人なら騙されるだろうけどな。

「カイト兄上、どこか行ってみたいところある?」

うーん、行きたいところか…
やっぱりこれだけ広いと全部は回りきれないのか。残念だけどこれは仕方ないからな。

「…図書室へ行ってみたい」

これは必須だ。前世から俺は本大好きっ子だった。そして、カイトもそうだったみたいだ。人の友達が出来なかったら本が友達になってくれるんだよ(遠い目)

「分かった。後で行こうね」




そこから、リエルの執務室、図書室、厨房、客間の順で回ってきた。

リエルの執務室までの道のりは覚えたし、図書室は俺の思っていた以上に広くて本が沢山あった。

探検するのはすっごく楽しかったのだが、ずっと歩きっぱなしのせいで疲れてきた。それに、目もキョロキョロずっとしてきた訳だから疲れてきた。

「カイト兄上、疲れたよね。次で最後だから少しだけ我慢してね。今日は王宮で甘味を食べよう。冷たい氷菓子を頼んだんだ」

氷菓子!一度この世界に来てから食べたことがあるのだが、凄く美味しいのだ。
氷がふわふわしてて、上には果物を煮詰めたものが乗っている。思わずパクパク食べてしまったのだが、頭がキーンとすることはなかった。不思議なものだな。

「それは凄く楽しみだ」





リエルに連れられて来たところは…
『魔王の間』だった。
来たと言っても、扉の前に立っているだけだがな。場所を知れたのは嬉しい。

ここはとても特別な場所である。
魔王とそしてある者しか入れない。
入る資格があると言っても無闇に入れる訳ではない。
ある者は数年~数百年、訪れる時は定まっていない。
そして、そいつはさまざまな試練を乗り越えてこの場所まで辿りつく。


そこで、魔王とある者は剣を交えるのだ。

勝ったものには〈名声〉が、負けたものには〈死〉が与えられる。

こんな場所、一生使われなくていい。
俺の前から誰もいなくなって欲しくない。
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