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「可愛いな、本当に…」
俺たちの子供を自分で産むことができて、物凄く嬉しかった。たとえ、目が俺のを引き継いで碧眼だとしてもだ。
この子が目を開くのをリエルと起きてからずっと待ってた。すると、パチリと目を覚ましたとき、俺と同じ目をしていることに酷く動揺した。この子も俺と同じく蔑まれるようになったら、どうしようと…だけど、それに気がついたリエルが俺にこう言ったのだ。
『大丈夫だよ、カイト兄上。貴方が力を示したことで色に対する差別はだいぶなくなったと思うよ。それに、敵もだいぶ減ったから、カイト兄上のときよりだいぶ排除しやすくなった』
頼りになるが…怖い。俺のときにいろいろしていたのは知っていたが、普通に『排除』という言葉が出ることに恐怖を感じた。
前世では魔王という存在は悪だと思っていたけど、今世では魔族の中で最も力が強い者という認識に変わった。だが、こういう発言を聞くと前世の認識も間違ってないかもなと思う。
そんな怖い魔王様はあまりにも遅いとベルンに引きずられて、執務室に連れてかれた…情けない。俺は、子供が自分のことは自分で出来るようになるまで執務はお休みだ。俺の身体から出るまで1ヶ月しかかからなかったのだ。魔族というのは、どんだけ早く成長するのだろうか。凄く楽しみにしている。
ふと時計を見ると、長い針が12時を指していた。多分そのうちリエルが迎えにきて、昼食をとりに行くだろう。
「カイト兄上、行こっ」
ほら来たな、最近リエルならいいということでノックするなと言ってある。いや、決していちいち返事するのがめんどうとかではないんだ…
というか、お前…
「なんで、正装してるんだ?今日は何かあったのか…」
俺が把握しているのに、そんな予定はなかった気がするのだが…
魔国は他の人国との関係を絶っているから、魔王が正装する機会は凄く少ない。
「ううん、これからあるんだよ」
それなら、食べてから着替えた方がいい気がするのだが…
「ほら、行くよ!」
なんか、物凄く急いでるな。そんなに急ぎの用があるなら、俺との食事断ればいいのに…
「おい、なんで此処に?」
基本、俺たちが最近食事するのはオニキス宮殿の中庭だ。しかし、今リエルに連れてこられたのは、父上とお別れした場所…母上が作った庭だ。
「此処なら母上が見守ってくれてるような気がして」
母上というのは、リエルのではなく多分俺の産みの母だろう。
なんで母上が見守ってるからと言って此処に来たんだろうか、と考えているとリエルが急に跪いた。おいっ、正装が汚れるぞと注意しようとしたのだが…
「カイト兄上…いや、カイト」
(?!!!?!)
は、初めて兄上なしで呼ばれた。さすがに鈍い俺でも何が行われようとしてるのか分かった。
「私と結婚して、勇者に倒されるときがくるまで隣で見守っていてください」
3度目のプロポーズを受けたが、これが1番嬉しい。今まではなんか焦ったような、急ぐようなプロポーズだった…まるで早く俺を縛りつけたいと言われてる気がした。だけど、今回は俺を愛してるから、結婚したいというのが伝わってきた。
「あぁ、勿論だ。俺もお前と結婚したい」
やっと結婚できる。俺たちは男同士で、王族同士で、兄弟である。そんな2人が結婚するというのは俺たちだけだろう。だから、これから何を言われるか分からない。だけど、リエルがいればどんな状況でも乗り越えていける。
「あぁ、嬉しい。結婚式が楽しみだね。誰を呼ぼうか?オニキス宮殿とサファイア宮殿の者は呼ぶとして、従者の3人もでしょ…父上も来てくれるかな」
「父上も一応呼んでみよう。来れそうになかったら、2人で報告しに行こう」
どちらにしろ、父上のいるあの場所へ行きたい。
「そうしよう…それから、私たちの子にも見守ってもらおう。そういえば、カイト兄上は名前決めた?…なんか、しっかりこないのしか、考えられなくって」
あの子の名前か、一応決めてみたのだが…これは、前世の知識からだからいいのか分からない。
「あぁ、一応な。『マレ』なんてどうだ?」
「マレ…いい名前だね。なんか、思いついても、モヤモヤしてたけど、ストンと胸に落ちたよ。今日から、あの子の名前はマレだ」
マレ…あの子は俺の希望の子。俺が…いや、俺たちが幸せにするよ。
俺はたくさん生きる…リエルを勇者なんか、いや人神なんかに殺させたりなんかさせない。魔王が死ぬとき、伴侶も死ぬ。つまりは、リエルが死ぬとき、俺も死ぬということだ。そんな未来など考えたくない。
これからの未来どうなるか、分からない。だけど、俺は幸せだということだけは分かる。リエルの腕の中にいて、守ってもらえている。
今度は俺の番だ。マレを守って、リエルとマレと幸せになる。
そう決めたんだ。
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
完結しました!読んでくださってありがとうございました!!
初めてのことばかりで、いろいろ苦戦したり、ミスしましたが楽しかったです。
感想やミス報告、お気に入り登録、助かりました。きちんと読んでくださっている方がいると分かると凄くやる気が出ました。本当にありがとうございます。
俺たちの子供を自分で産むことができて、物凄く嬉しかった。たとえ、目が俺のを引き継いで碧眼だとしてもだ。
この子が目を開くのをリエルと起きてからずっと待ってた。すると、パチリと目を覚ましたとき、俺と同じ目をしていることに酷く動揺した。この子も俺と同じく蔑まれるようになったら、どうしようと…だけど、それに気がついたリエルが俺にこう言ったのだ。
『大丈夫だよ、カイト兄上。貴方が力を示したことで色に対する差別はだいぶなくなったと思うよ。それに、敵もだいぶ減ったから、カイト兄上のときよりだいぶ排除しやすくなった』
頼りになるが…怖い。俺のときにいろいろしていたのは知っていたが、普通に『排除』という言葉が出ることに恐怖を感じた。
前世では魔王という存在は悪だと思っていたけど、今世では魔族の中で最も力が強い者という認識に変わった。だが、こういう発言を聞くと前世の認識も間違ってないかもなと思う。
そんな怖い魔王様はあまりにも遅いとベルンに引きずられて、執務室に連れてかれた…情けない。俺は、子供が自分のことは自分で出来るようになるまで執務はお休みだ。俺の身体から出るまで1ヶ月しかかからなかったのだ。魔族というのは、どんだけ早く成長するのだろうか。凄く楽しみにしている。
ふと時計を見ると、長い針が12時を指していた。多分そのうちリエルが迎えにきて、昼食をとりに行くだろう。
「カイト兄上、行こっ」
ほら来たな、最近リエルならいいということでノックするなと言ってある。いや、決していちいち返事するのがめんどうとかではないんだ…
というか、お前…
「なんで、正装してるんだ?今日は何かあったのか…」
俺が把握しているのに、そんな予定はなかった気がするのだが…
魔国は他の人国との関係を絶っているから、魔王が正装する機会は凄く少ない。
「ううん、これからあるんだよ」
それなら、食べてから着替えた方がいい気がするのだが…
「ほら、行くよ!」
なんか、物凄く急いでるな。そんなに急ぎの用があるなら、俺との食事断ればいいのに…
「おい、なんで此処に?」
基本、俺たちが最近食事するのはオニキス宮殿の中庭だ。しかし、今リエルに連れてこられたのは、父上とお別れした場所…母上が作った庭だ。
「此処なら母上が見守ってくれてるような気がして」
母上というのは、リエルのではなく多分俺の産みの母だろう。
なんで母上が見守ってるからと言って此処に来たんだろうか、と考えているとリエルが急に跪いた。おいっ、正装が汚れるぞと注意しようとしたのだが…
「カイト兄上…いや、カイト」
(?!!!?!)
は、初めて兄上なしで呼ばれた。さすがに鈍い俺でも何が行われようとしてるのか分かった。
「私と結婚して、勇者に倒されるときがくるまで隣で見守っていてください」
3度目のプロポーズを受けたが、これが1番嬉しい。今まではなんか焦ったような、急ぐようなプロポーズだった…まるで早く俺を縛りつけたいと言われてる気がした。だけど、今回は俺を愛してるから、結婚したいというのが伝わってきた。
「あぁ、勿論だ。俺もお前と結婚したい」
やっと結婚できる。俺たちは男同士で、王族同士で、兄弟である。そんな2人が結婚するというのは俺たちだけだろう。だから、これから何を言われるか分からない。だけど、リエルがいればどんな状況でも乗り越えていける。
「あぁ、嬉しい。結婚式が楽しみだね。誰を呼ぼうか?オニキス宮殿とサファイア宮殿の者は呼ぶとして、従者の3人もでしょ…父上も来てくれるかな」
「父上も一応呼んでみよう。来れそうになかったら、2人で報告しに行こう」
どちらにしろ、父上のいるあの場所へ行きたい。
「そうしよう…それから、私たちの子にも見守ってもらおう。そういえば、カイト兄上は名前決めた?…なんか、しっかりこないのしか、考えられなくって」
あの子の名前か、一応決めてみたのだが…これは、前世の知識からだからいいのか分からない。
「あぁ、一応な。『マレ』なんてどうだ?」
「マレ…いい名前だね。なんか、思いついても、モヤモヤしてたけど、ストンと胸に落ちたよ。今日から、あの子の名前はマレだ」
マレ…あの子は俺の希望の子。俺が…いや、俺たちが幸せにするよ。
俺はたくさん生きる…リエルを勇者なんか、いや人神なんかに殺させたりなんかさせない。魔王が死ぬとき、伴侶も死ぬ。つまりは、リエルが死ぬとき、俺も死ぬということだ。そんな未来など考えたくない。
これからの未来どうなるか、分からない。だけど、俺は幸せだということだけは分かる。リエルの腕の中にいて、守ってもらえている。
今度は俺の番だ。マレを守って、リエルとマレと幸せになる。
そう決めたんだ。
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
完結しました!読んでくださってありがとうございました!!
初めてのことばかりで、いろいろ苦戦したり、ミスしましたが楽しかったです。
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