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101話 カインからのラブレター
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マルクス伯爵邸改め、ボロ屋ーーー。
「あの女、まだ戻らんのか?!」
ボロ屋では、マルクス伯爵が、家を出て行ったエレノアに対して、怒りを露わにしていた。
「子供をほっぽり出して、何を考えているんだ!肝心のクリプト伯爵からの援助も無いしーー!何の為にエレノアを嫁に迎え入れたと思ってるんだ!」
バンッと、机の上を乱暴に叩く。
「本当よ!家事も一切しないし、仕事だってしない…!その上、援助も貰えないなんてーー!唯一の救いは、跡継ぎを産んだことくらいよ!」
マルクス伯爵夫人も、同じように、エレノアに対して憤りを口にした。
エレノアが家出して、今日で1週間が経ったーーー。
愛する妻が家出をしたのに、僕の心は穏やかだった。何故なら、僕はやっと、本物の愛に気付いたからだ。
「ねぇ父様、母様。エレノアと離婚して、ルエルと再婚したら駄目かな?」
「何を言い出すんだ?!あんなハズレ嫁!」
「そうよ!折角離婚出来たのにーー」
「落ち着いてよ。ルエルがハズレ嫁だった一番の理由は、子供が出来ないことだったでしょ?でも今は、子供がいるじゃないか」
エレノアは、僕達の子供を連れて行かなかった。
離婚となれば、子供の親権は母親にとられることが多いけど、エレノア自身に子育てする気が無いなら、親権はこちらがとれるだろう。
「ね?ルエルと再婚したら、また上手くいくと思うんだ」
僕の考えに、父様と母様も黙り込んだ。
そうだよね、ルエルは嫁として確かにいたらなかったけど、僕達がまた、上手く使ってさえあげれば、きっと、僕達の役に立てるんだ。
「……仕方無いな。いいだろう、認めよう」
「良かった…!」
「ただし!」
父様は念を押すように、力強く、僕に忠告した。
「ルーフェス様と、ルエル…様が、望むなら。だ!2人が離婚を望まず、ルエル様がお前との再婚を望まないのなら、無理強いは止めろ!ルーフェス様に決して逆らうな!喧嘩を売るな!」
父様と母様は、先の魔物襲撃事件から、ルーフェス様を極端に恐れるようになった。
同時に、今はまだルーフェス公爵夫人であるルエルにも、敬称をつけたりする。まだ不意にハズレ嫁とか言っちゃってるけどね。
父様に気を使わせるなんて、本当にルエルは嫁として駄目だなぁ。
「大丈夫だよ。ルエルは間違いなく僕との再婚を喜ぶと思うよ!ルーフェス様だって、ルエルが離婚を望めば、応じて下さるよ」
本当にルエルを愛してるなら、ルエルの幸せの為に、身を引くべきだからな。
さぁ、ルエルに手紙を書こう。
随分遠回りしてしまったけど、僕はやっぱり、君が好きなんだ。傷付けてしまった分、僕はルエルを愛すって誓うよ。だから、僕のもとに早く戻っておいでーーー愛しのルエル。
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