ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。

光子

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100話 ハズレ嫁

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「私はお姉様みたいに仕事にかまけて、旦那様のことをほったらかしにしないし、何よりお姉様より100倍可愛いから、メト様の横に並んで歩いても恥ずかしくありませんしーー」


「あの糞女、ルエル様にふざけた口をっ!」
「ぶっつぶしてやるよ!」

「落ち着いて下さい!私は大丈夫ですから!」

 馬車から聞き耳を立ててる状況なのだが、エレノアの発言に怒り心頭で馬車から降りようとするヴェルデとサンスを、必死で止める。

 今、貴方達、結構強いんですよ?!貴方達が本気を出したら、エレノアなんて本当にぶっつぶされるんですよ!こんな街のど真ん中で止めて?!


「ーー私なら、メト様に似た、可愛い子供を産んで差し上げれます」
「……」

 必死で二人を止めている最中にも聞こえてくる、エレノアの言葉は、私を傷付けるものばかり。
 どれだけーーー私を傷付ければ気が済むの?私はーーー好きで子供が出来ない体になったワケじゃないのに!

「……本当に学習能力が無いようだな」

 メトは魔法を唱えると、エレノアの周囲に、以前よりも大きくて頑丈な氷の牢を作り、閉じ込めた。

「きゃあ?!またっ?!何で!メト様っ!」

 街中で魔法ぶっぱなしたーー!嘘でしょう?!注目の的ですよ?!

「よっしゃあ!流石ルーフェス様!」
「ヴェルデ、サンス!喜ばないで!」


「お前みたいな猿以下の頭の悪い女と話すのは疲れる。ああ、猿に失礼か」
「なっ?!酷い!」
「はいはい、もー止めよーな。これ以上俺の主、怒らせんなよ。メト怒ったらめんどくせーんだから」

 まだ懲りずに口を開こうとするエレノアを、ラットが制止する。
 面倒臭い妹で本当にごめんなさい……。

 そのまま、エレノアじぶんを放置し、その場を去ろうとするメトの後ろ姿に向かって、エレノアは牢の隙間から手を伸ばした。

「待って!本当にいいんですか?!もし、シャイン様に何かあったら、ルーフェス公爵家の跡継ぎがいなくなってしまうんですよ?!そしたら、子供の産めないルエルお姉様じゃなくて、私の方がーー!」

 エレノアの台詞に、ピタッと、メトの足が止まる。

「……そう言えば、捕らえた元・ファンファンクラン子爵が、興味深いことを言っていたよ。とある女に、シャインの話をされた。とね」
「えーーと」
「直接的にシャインに危害を加えろと発言したワケではなさそうだが、ベッドの上で何度も何度も、俺の大切な存在はシャインで、失えば俺が失意のどん底に落ちる。やら、ルエルを妻に選んだことを後悔する。と話したらしい」

 振り向いたメトの表情は、今まで見た中で、一番、冷たく、殺気も垣間見えた。
 私も、無意識に強く掌を握りしめた。

 やっぱり、エレノアが、元・ファンファンクラン子爵に、シャインのことを吹き込んたのねーー!

「わ、私はただ、世間話にお話しただけです!それでファンファンクラン様がシャイン様を襲うなんて、思ってもみませんでした!」

「……そうだね。君はただ、シャインのことを話しただけ。ルエルに虐められていると、涙ながらに語っただけ。殺害を仄めかしたわけじゃない」

 だから、エレノアを罰することは出来ないーー!
 悔しい……!だからエレノアは、元・ファンファンクラン子爵が捕まっても、動じなかった。自分は何も関与していないと言い切れるから。

「逢瀬の最中にする会話ではないと思うけどね」
「それは!私だって、あんなおじさんとしたくありませんでした!でも、あれはーーー」

「俺はね、貞操観念が著しく欠落してる女も嫌いなんだよ。誰にでも股を開く女に興味が無い」

「え?あ、いや、それは、そのーーえっと、ファンファンクラン様に、無理矢理…」

 目が泳ぎながら、苦しい言い訳をするエレノア。
 無理矢理されながら世間話にシャインのことを話すって、どんなシチュエーションよ。

「ーーー言っておくけどーーールーフェス公爵家に喧嘩を売って、ただで済むとは思わないことだね」

「ひっ!嫌っ!違います!私、メト様に喧嘩を売るつもりなんてーー!」

「猿以下の脳みそでも理解しろ。俺は、君みたいな馬鹿で愚かな女が死ぬ程嫌いだ。君みたいな、いらないよ」

 ハズレ嫁ーーーそれは、私がずっと言われ続けてきた言葉。

「わーー私が、ハズレ、嫁?」

「分かったら、二度と俺の妻になれると勘違いしないでね。俺の妻は、ルエルだけだ」

 ふと、馬車の中にいる私と、目があった。
 まさか、初めから私がここにいるの、気付いてたの……?

 言い終えると、今度こそ、メトとラットは、氷の牢に閉じ込められているエレノアを残して、その場を去った。


「ルーフェス様、マジ、カッコイイッスねー!」
「て、俺等もそろそろ行かなきゃ、会議遅れるッスよ!」
「え?!やばっ!」

 思わぬ場面に遭遇して、この場に留まり過ぎた!
 馬車の御者に話して、急いで出発してもらう。

 振り向くと、氷の牢の中から、1人、わんわん泣き喚くエレノアの姿が見えた。
 同情はしない。
 貴女は、シャインを危険な目に合わせたーー!絶対に許さない!私が、地獄に叩き落としてあげる。
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