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来訪①
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ガルディア王国と獣王国ビステリアによる戦争が終結し、両国の間で新たな和平協定が締結される中、スズネたち宿り木は三大都市の一つリザリオにある冒険者ギルド本部から呼び出しを受けていた。
用件は、もちろん今回の戦争に関する報告である。
ギルド本部から報告要請を受けた当初は一日で終わるはずであった。
しかし、それは予定を大幅に超えて三日間にも及ぶ長丁場となった。
「んーーーーー。はぁーーーーー。やっと終わったっすーーーーー」
「さすがに僕も疲れました」
「みんな本当にお疲れさま」
三日ぶりの解放。
ようやく終えたギルドへの報告。
ギルドマスターであるメリッサによる獣王国との戦争に関しての聴き取り、その中でも特に獣王ゼリックとの戦闘及びやり取りについて事細かな情報の提供を求められたのだった。
その間はほとんどギルド本部の応接室に缶詰状態にされ、寝食の時以外は自由を許されなかったため、そこから解き放たれた開放感に浸りながら全員が安堵した表情を浮かべていた。
「ホント疲れたわ~。誰かさんがさっさと聞かれたことに答えていれば、こんなに何日も拘束されなかったのに」
「フンッ。別にこの国のためにやったわけでもないのに、わざわざ個人間で起きたことを話す必要などないだろ」
「そのせいでアタシたちまで三日間も缶詰にされたのよ!なんか言うことはないの?」
「無い。別に頼んだわけでもないしな。お前らだけ先に帰ればよかっただけの話だ」
「リーダーのスズネが残るって言うんだから、アタシたちだけ帰るわけにはいかないでしょ!!」
「まぁ~まぁ~落ち着いてよミリア。そのことに関してはみんなもゴメンね。私のわがままに付き合ってもらっちゃって」
「そ…そんな。スズネのせいなんかではないですよ。私も最初からご主人様と共に残るつもりでしたから」
一日で終わるはずだった聴き取りが三日間にも及ぶことになった理由 ───── その原因はクロノにあった。
実際に両軍入り乱れての戦いとなった戦闘地については、今回戦争の最前線に配置されたトライデントとローズガーデンから話を聞くことが出来たのだが、獣王国の王城への突撃時に関する件と獣王ゼリックとの戦いについては宿り木に聞くしか方法がなかった。
それ故に救護班として参加したはずのスズネ、そしてその護衛という名目で参加した宿り木までもがギルド本部へと招集され、ギルド職員から聴取を受けることとなったのだ。
しかし、クロノだけがその申し入れを頑なに拒否した。
その結果、ギルド職員では手に負えなくなり、ギルドマスターであるメリッサが直々に聴取へと赴いたわけなのだが、それでもクロノはなかなか口を開こうとしなかった。
それでも最終的にはメリッサから提示されたある条件の下で、細かな詳細を省いた事の顛末を話すことで合意に至ったのであった。
「ところで、なんで急に話す気になったんすか?ギルマスと二人で話してから急に態度が軟化したみたいだったっすけど、何か言われたんすか?」
「お前らには関係のない話だ。あのババアと俺の利害が一致しただけのことだ」
「まぁ~でも話がまとまって良かったよ」
「あーーーーー。退屈なのじゃ!さっさとホームに帰るのじゃ!!わっちは早く帰って魔法の勉強がしたいのじゃ!!!」
三日間も魔法を学ぶ時間を奪われ我慢の限界を迎えたラーニャ。
その開放感を前になかなか動き出そうとしない他のメンバーたちに苛立ちを感じ、とうとう癇癪を起こす。
「ラーニャの言う通りだ。いつまでも過去に囚われて駄々こねてる奴はほっといてさっさと帰るぞ」
「誰が駄々こねてるって!!」
「落ち着いてくださいミリア」
「さぁ~それじゃ私たちのホームに帰ろう」
こうして戦争の疲れも抜けていない中で行われた聴取も終わり、スズネたちはようやくホームへと帰還したのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
スズネたちが冒険者の街リザリオにあるギルド本部での聴取からホームへと戻り、ガルディア王国と獣王国ビステリアによる和平協定が締結されてから数日後 ──────── 。
「あーーーーー。そろそろ身体の傷も癒えてきたことだし、クエストでも受けに行きたいわ」
「わっちも覚えた魔法の試し撃ちがしたいのじゃ。出来れば大きな獲物の方がいいんじゃがな。どれほどの威力となるのか知りたいんじゃ」
「確かに。みんな十分に休息も取れたことだし、今日は久しぶりに冒険者ギルドに行って依頼書でも見てこようか」
宿り木として初めて参加した大規模な戦い。
それによって受けた心身への疲労を回復させるために各々が思い思いに休日を過ごしてきたのだが、それも十分に癒えたと判断し、冒険者としての活動を再開させることとなった。
そんな彼女たちが新たな冒険への期待に胸を膨らませながら意気揚々と準備に取り掛かっていると ─────── 。
ドンドンドン ──────── 。
スズネたちが集まるリビングまで響くほどの大きな音が鳴り、その音に反応しながら全員が顔を見合わせる。
「誰よ、こんな時に」
「今日って誰かと約束とかしてたっすか?」
「そんな予定は無いはずだけど、とりあえず出てくるね」
ガチャッ ──────── 。
「はーい。お待たせしました」
駆け足でスズネが玄関へと向かい扉を開けると、そこには彼女も予想だにしていなかった人物が立っていた。
「えっ!?えっ!?えっ!?」
「当然の訪問ですまない。少しお邪魔させてもらってもいいかな?」
「えっ!?あっ…はい…。どうぞお入りください」
「ちょっとスズネ、何をそんなに大きな声出してんのよ。いったい誰が ───── 」
そのあまりの衝撃に家中に響き渡るほどの大声を上げてしまうスズネ。
そして、その状況を心配して玄関まで駆けつけたミリアであったのだが、彼女もまたそのあり得ない光景を前に驚きの声を上げるのであった。
「えっ!?はぁ!?なんで!?」
「私も驚いてるんだけど、一回落ち着こうミリア」
「いやいやいやいやいや。落ち着いてなんかいられないでしょ!なんでこんなところにレオンハルト様がいるのよ!!」
その声もまた家中に響き渡り、リビングにいた他のメンバーたちも驚きの表情と共に駆けつけたのだった。
まさかの国王レオンハルト直々の訪問。
それは夢か幻か。
その瞬間、スズネたちの中に今の状況を理解出来る者など一人としておらず、ただただその存在感に圧倒されるのであった。
「それでは少しお邪魔させてもらうよ」
用件は、もちろん今回の戦争に関する報告である。
ギルド本部から報告要請を受けた当初は一日で終わるはずであった。
しかし、それは予定を大幅に超えて三日間にも及ぶ長丁場となった。
「んーーーーー。はぁーーーーー。やっと終わったっすーーーーー」
「さすがに僕も疲れました」
「みんな本当にお疲れさま」
三日ぶりの解放。
ようやく終えたギルドへの報告。
ギルドマスターであるメリッサによる獣王国との戦争に関しての聴き取り、その中でも特に獣王ゼリックとの戦闘及びやり取りについて事細かな情報の提供を求められたのだった。
その間はほとんどギルド本部の応接室に缶詰状態にされ、寝食の時以外は自由を許されなかったため、そこから解き放たれた開放感に浸りながら全員が安堵した表情を浮かべていた。
「ホント疲れたわ~。誰かさんがさっさと聞かれたことに答えていれば、こんなに何日も拘束されなかったのに」
「フンッ。別にこの国のためにやったわけでもないのに、わざわざ個人間で起きたことを話す必要などないだろ」
「そのせいでアタシたちまで三日間も缶詰にされたのよ!なんか言うことはないの?」
「無い。別に頼んだわけでもないしな。お前らだけ先に帰ればよかっただけの話だ」
「リーダーのスズネが残るって言うんだから、アタシたちだけ帰るわけにはいかないでしょ!!」
「まぁ~まぁ~落ち着いてよミリア。そのことに関してはみんなもゴメンね。私のわがままに付き合ってもらっちゃって」
「そ…そんな。スズネのせいなんかではないですよ。私も最初からご主人様と共に残るつもりでしたから」
一日で終わるはずだった聴き取りが三日間にも及ぶことになった理由 ───── その原因はクロノにあった。
実際に両軍入り乱れての戦いとなった戦闘地については、今回戦争の最前線に配置されたトライデントとローズガーデンから話を聞くことが出来たのだが、獣王国の王城への突撃時に関する件と獣王ゼリックとの戦いについては宿り木に聞くしか方法がなかった。
それ故に救護班として参加したはずのスズネ、そしてその護衛という名目で参加した宿り木までもがギルド本部へと招集され、ギルド職員から聴取を受けることとなったのだ。
しかし、クロノだけがその申し入れを頑なに拒否した。
その結果、ギルド職員では手に負えなくなり、ギルドマスターであるメリッサが直々に聴取へと赴いたわけなのだが、それでもクロノはなかなか口を開こうとしなかった。
それでも最終的にはメリッサから提示されたある条件の下で、細かな詳細を省いた事の顛末を話すことで合意に至ったのであった。
「ところで、なんで急に話す気になったんすか?ギルマスと二人で話してから急に態度が軟化したみたいだったっすけど、何か言われたんすか?」
「お前らには関係のない話だ。あのババアと俺の利害が一致しただけのことだ」
「まぁ~でも話がまとまって良かったよ」
「あーーーーー。退屈なのじゃ!さっさとホームに帰るのじゃ!!わっちは早く帰って魔法の勉強がしたいのじゃ!!!」
三日間も魔法を学ぶ時間を奪われ我慢の限界を迎えたラーニャ。
その開放感を前になかなか動き出そうとしない他のメンバーたちに苛立ちを感じ、とうとう癇癪を起こす。
「ラーニャの言う通りだ。いつまでも過去に囚われて駄々こねてる奴はほっといてさっさと帰るぞ」
「誰が駄々こねてるって!!」
「落ち着いてくださいミリア」
「さぁ~それじゃ私たちのホームに帰ろう」
こうして戦争の疲れも抜けていない中で行われた聴取も終わり、スズネたちはようやくホームへと帰還したのであった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
スズネたちが冒険者の街リザリオにあるギルド本部での聴取からホームへと戻り、ガルディア王国と獣王国ビステリアによる和平協定が締結されてから数日後 ──────── 。
「あーーーーー。そろそろ身体の傷も癒えてきたことだし、クエストでも受けに行きたいわ」
「わっちも覚えた魔法の試し撃ちがしたいのじゃ。出来れば大きな獲物の方がいいんじゃがな。どれほどの威力となるのか知りたいんじゃ」
「確かに。みんな十分に休息も取れたことだし、今日は久しぶりに冒険者ギルドに行って依頼書でも見てこようか」
宿り木として初めて参加した大規模な戦い。
それによって受けた心身への疲労を回復させるために各々が思い思いに休日を過ごしてきたのだが、それも十分に癒えたと判断し、冒険者としての活動を再開させることとなった。
そんな彼女たちが新たな冒険への期待に胸を膨らませながら意気揚々と準備に取り掛かっていると ─────── 。
ドンドンドン ──────── 。
スズネたちが集まるリビングまで響くほどの大きな音が鳴り、その音に反応しながら全員が顔を見合わせる。
「誰よ、こんな時に」
「今日って誰かと約束とかしてたっすか?」
「そんな予定は無いはずだけど、とりあえず出てくるね」
ガチャッ ──────── 。
「はーい。お待たせしました」
駆け足でスズネが玄関へと向かい扉を開けると、そこには彼女も予想だにしていなかった人物が立っていた。
「えっ!?えっ!?えっ!?」
「当然の訪問ですまない。少しお邪魔させてもらってもいいかな?」
「えっ!?あっ…はい…。どうぞお入りください」
「ちょっとスズネ、何をそんなに大きな声出してんのよ。いったい誰が ───── 」
そのあまりの衝撃に家中に響き渡るほどの大声を上げてしまうスズネ。
そして、その状況を心配して玄関まで駆けつけたミリアであったのだが、彼女もまたそのあり得ない光景を前に驚きの声を上げるのであった。
「えっ!?はぁ!?なんで!?」
「私も驚いてるんだけど、一回落ち着こうミリア」
「いやいやいやいやいや。落ち着いてなんかいられないでしょ!なんでこんなところにレオンハルト様がいるのよ!!」
その声もまた家中に響き渡り、リビングにいた他のメンバーたちも驚きの表情と共に駆けつけたのだった。
まさかの国王レオンハルト直々の訪問。
それは夢か幻か。
その瞬間、スズネたちの中に今の状況を理解出来る者など一人としておらず、ただただその存在感に圧倒されるのであった。
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