転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 ギルド職員は僕をじっと見ている。僕は適当な椅子に座って寛いでいる。変に動くとまた不正がどうのと言いがかりをつけられそうなので、じっとギルマスが来るのを待っている。

 およそ10分程でギルマスが解体倉庫へ降りて来た。

「どうした?トラブルか?」

 おいおい、受付嬢は説明もしないで連れて来たのか?って、受付嬢来てないし。

「このBランクハンターが、昇級試験で不正を働いたと私は考えて居ます。恐らくですが、これまでにも色々と不正を行っていた常習者だと私は思います。」

 ギルマスは僕の顔をちらっと見てから発言する。

「ほう?で、その不正の証拠は?」

「1つは僅か4時間で7匹のワイバーン狩って来た事。もう1つは、そのワイバーン7匹をアイテムボックスに入れて持って来たと言う嘘をついた事です。」

「ふむ、反論はあるか?」

 ギルマスが僕の方を向いて聞いて来た。

「僕の実力はご存じのはずです。それにアイテムボックスの大きさも知ってますよね?」

 今度はギルド職員の方へ向きなおして、話をする。

「この者の実力はSランク相当はある。事実オークキングの亜種を倒し、更にオークを200匹単独で倒し、その全てをアイテムボックスに入れてギルドまで運んできた実績がある。」

「そんな馬鹿な事を信じろと?それにオークとワイバーンでは強さが違います。」

「そのワイバーンがどう倒されているか良く見てみろ。」

 ギルマスの言葉に職員が動く。

「翼に傷一つ無い。どうやって倒したんだ?」

 通常ワイバーンは翼に穴を開けて地面に落下させてから倒す。

「いや、普通に首を落として倒しましたが?」

「そんな状態の良いワイバーンが世間に出回っていると思うか?」

「つまりそれは、不正に購入した物では無く、こいつが倒したって言う事ですか?」

 む?こいつ呼ばわりは酷くない?

「まあ、こいつはこう言う規格外の奴なんだよ。試験は合格だ、Aランクに昇格だ。無理にとは言わんが、こう言う奴も居るので早めにSランクに上がって置いた方が良いぞ。」

 ギルマスまでこいつ呼ばわりですか?

 ギルド職員は現実を受け入れられない様で茫然としている。

「エイジだったよな?悪いがちょっと俺の部屋まで来てくれ。」

 ん?ギルマスが何か用事があるらしい。また依頼か?

 ギルド職員にギルマスが、僕の昇級手続きをして置くように命令してから、上に戻る。僕はギルマスの後をついて行く。

「済まんな。今後はこう言う事が無いように、お前さんの実力を周知して置くよ。」

「ありがとうございます。」

 あれ?ありがたいのか?僕の実力はあまり広めたくないのだが。

「お前は知らないと思うが、マルコスと言うSランクハンターが居る。そいつがお前の活躍を聞いて、ライバル心を燃やしている様だ。」

「え?僕はBランカーですよ?なんでSランカーが僕なんかを?」

「マルコスが目を付けていたSランクハンターをお前が模擬戦で倒したからだな。」

 ああ、あれはやっぱり勝っちゃイケない奴だったんだ。

「で、僕にどうしろと?」

「ギルドとしてはトラブルは困る。が、もっと困るのは有能なSランクハンターが使えなくなる事だ。マルコスが仕掛けて来ても手加減して貰えないか?」

「襲われても反撃するなと?」

「そこまでは言わないが、潰れない程度にしておいてやってくれ。」

 なんだろう、理不尽さを感じる。

「そのマルコスってのは、そんなに有能なんですか?」

「そうだな、お前が居なければ、いずれ、このギルドのナンバー1になっていただろうな。」

「僕はナンバー1になるつもりは無いですけど?」

「つもりは無くても、実質今現在お前がナンバー1だぞ。」

 ちょっと待って、なんで勝手にナンバー1になってるの?それってギルマスの中だけの話だよね?

「Bランカーがナンバー1ってどうなんです?それは言わない方が良いのでは無いでしょうか?Sランカーの存在意義に関わりますよ。」

「今日中にお前はAランカーになる。まあ、近い内にSランクに昇格するだろう?それまでは大っぴらに、この話はしないさ。」

 大っぴらにって事は、何処かではそう言う話がされているって言う事だよね?

「解りました。とりあえず、そのマルコスとやらと関わらなければ良い訳ですよね?」

「まあ、そう言う事だ。頼んだぞ。」

 窓口でハンターカードを更新してAランクの物を貰い、ギルドを出た。

 ギルドを出た所で懐かしい顔に会った。漆黒の闇のリーダーのおっさんだ。名前なんだっけ?

「よう、久しぶりだな。最近は緋色の風とはつるんで無いのか?」

「ああ、あいつらも1人前になった様だし、僕は必要無いでしょう。そっちは相変わらずですか?」

「いや、何人かメンバーが変わったな。基本Cランクに上がったらメンバーから抜けて貰う事にしている。代わりにEランクが何人か入った。」

「人を育てるのは楽しいですからね。」

 おっさんは厳つい顔に似合わず、面倒見が良い。だが、顔が災いして、入って来るメンバーは不良ハンターが多い。その不良ハンターを1人前に矯正しているので、ギルドの信頼も厚い。

「そう言えば、お前、Sランクのマルコスに何か恨まれる様な事したか?」

「いえ、そのマルコスって言う人を知りませんし。」

「ふむ、マルコスが何やらお前の事を嗅ぎまわって居るぞ。」
 
 僕の情報収集をしているのか?あまり知られると不味い事もあるし、止めたいが、関わりたくないし、どうしよう?

「その、マルコスってのは、どんな奴かおっさんは知ってるの?」

「まあ、詳しいって程じゃ無いが、有名人だからな。曲者揃いのSランカーにしては比較的素直で礼儀正しい。ギルド内での評価も良い。」

「なるほど、いわゆる優等生って奴か?」

「いや、それがな、唯一欠点を上げるとすると、極度の魔法嫌いなんだよ。魔法使いを毛嫌いしている。だから、奴のパーティーには魔法使いが居ない。」

 ほう?僕が嫌われている原因もその辺にあるのかもしれないな。

「僕とは正反対の様ですね。」

「ほう?自分の事を良く解ってるじゃねぇか。お前は捻くれてる上に目上に対する礼儀がなって無いからなぁ。」

 いや、そっちを言ったんじゃ無いんだが。

「って事は、純粋な剣士なのか?」

「そうだ。奴の師匠が同じパーティーのリーダーで剣聖と呼ばれるSランクハンターだ。師匠の方はハンターとしては峠を越えている。現状ではマルコスの方が強いとも噂されているな。」

 剣聖の弟子ねぇ。なんか急に胡散臭くなったな。しかも魔法嫌いって、魔法が下手だから嫉妬してるだけなんじゃ?

 まあ、良い。会わなければ済む話だ。

「ところで、おっさん。こんな時間になんでギルドに?」

「ああ、ギルドの裏手に練習場があるのは知っているか?」

「昇級試験を受ける時に見たけど?」

「週に1度、そこで低ランクのハンターに稽古を付けているんだ。」

「おっさん、そんな事もやってるの?本当に面倒見が良いね。」

「お前もたまには参加せんか?低ランクの相手をするのも結構面白いぞ。ん?あれは。」

 途中でおっさんが視線を僕の後ろに向けたので思わず振り返ってしまった。

「マルコスだ。」

 え?ギルド内に居たの?って言うかもろ目が合ってしまった。

「エイジさんですね?お会いしたいと思っていました。」

 そうですか、僕は会いたくなかったです。

 マルコスは剣士の割に線が細い印象だ。金髪で背が高く、女性にモテそうだ。

「Sランクハンターに名前を憶えて頂けるとは恐縮です。」

「君は色々と派手な噂が多いので、皆注目していますよ。」

 あら?そんなに目立ってたかな?

「ところで、マルコスさんが僕に会いたかったと言うのは何か理由でも?」

「ええ、一度模擬戦でもしませんか?」

「Sランクのマルコスさんと僕がですか?剣聖のお弟子さんとも聞いています。僕は剣士では無く魔法使いなので模擬戦は無理があると思いますが?」

「では、ジャスト―ルは魔法使いに剣で負けたと言うのか?」

 えっと、ジャスト―ルって誰でしょう?
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