Archaic Almanac 群雄流星群

しゅーげつ

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第四部 夢幻のレミニセンス

62.三人の庶子の懊悩

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 《約束の日》の前日――帝国第二皇子ロニー・ガーランドは、レインフォール上空に居た。


随行しているはずの兵士は一人もおらず、単騎で最後の合流地へ向かう羽目になった理由――
それは昨日の出来事に遡る。


 経由地となったターニュ半島の廃砦は、その陰鬱な有様に違わず密議と欺瞞に満ちており、
幽閉され憔悴しきっていた青年が救出されるまで、様々な紆余曲折が繰り広げられた。


 全ての発端は見た目は温和で笑顔の貼り付いた優男が、帝国の協力者であった領主親子を、
相次いで処分した凶行にある。名前は――ロータルと呼ばれていた。


 そこからの余事はロニーに取っては全てが不可解だったが、
ロータルは自らが連れて来た、恰幅の良い中年男を突如打ちのめした。
呆気に取られる兵士達の前で無抵抗に殴られる男が、呻きながら倒れるまで、
誰一人として声を発する事が出来なかった。

 ただ一人ロータルが地面に蹲った男に掛けた言葉――それだけが頭に焼き付いて離れない。



 次いで彼は無言で砦内へと押し入り、しばらくしてから一人の青年を連れて出た。

 丁度その時、森の小道から一人の女が、片手で大男を引きずりながら現れたのだ。
 よく分からない任務に命を賭けさせられていたロニー以下、帝国先遣隊は皆硬直していた。

そんな中、見た目は柔和な女が信じられない事を口にした。


 「あら、処分してしまったんですねぇ……そこの方々、この人達を運んでくれますか?」

 「構わないでしょ? あ、いい感じに畑に荷車があるね、アレ使わせて貰うかい?」
 「良いですねぇ。さ、日が暮れると面倒ですし……はい、急いで急いで」


 まるで上官から指示を下すかのように、慇懃ながら無礼な物言いに、帝国兵四人は従った。

その時に彼等が憶えた感情の正体は誰にも判らないが、恐らく近いのは《恐怖》だろう。


 血だらけの両腕と衣服にそぐわない蒼白の美貌と、何故か恍惚と気を失う無傷の男。

 笑顔を崩さずに話す優男と美女は、どのように男二人と保護した青年を運ぶかを段取りし、
明らかに敵であるはずの兵士を勝手に勘定に入れ――

そして遺体を放置して去ってしまった。


 その間、ロニーは女に一瞥されただけで指一本動かせずに、事態をただ見送った。

 もし戦闘になれば勝てたかも知れないが、才能や技術とは性質の違う得体のしれない圧に、
《生存本能》が抗う事を許さなかった。


 何よりも見逃された理由に全く思い当たらない。その奇妙さが選択の正しさを後押しする。
 唯一つ残されたのは任務を――一人で継続しなければならない現実のみだった。



 ――悪いね――

 ロータルが中年男に呟いた言葉、その意味を考えている間に、レインフォールの広大な森、
そしてその中にポツンと拡がる空洞がロニーが見下ろす前景に映り込んだ。

 鉄と炎、岩と風が支配する帝都では、余り見られない景色にほんの少し心を躍らせながら、
先行したリアーナが拓いたのであろう着地点に目掛けて手綱を引き、緩やかに滑降を始める。

視界を占める青は次第に緑へと変わり、巨大な飛翔物から逃れるように散る鳥を追い立てて、
ズシッという重い音を浮かせた腰と膝で受け、

半日ぶりの大地を踏みしめた。



 レインフォール大森林――王都の南側に広がる高地一帯は帝都皇城でも良く知られていた。
皇帝が光臨した場所であり、奪還すべき聖地だと帝国上層子息は常日頃から教育されている。

面白みも無いただの原生林だなと、任務を全うすべく湖へと向かうロニーが現地に着いた時、
既に日は傾き始め、残された猶予はあと僅かとなっていた。


 「うーん……なんなんだろあれ。石の柱と天板……中に一体何が」

 初めて石柱を見た者に共通する感想を踏襲するロニーは、浅瀬を掻き分け中央へ向かった。

湖水は冷たく、中央に向かう程に微かに温かい。ザラっとした石柱も少し暖かい気がする。


 石柱の中に騎竜か火蜥蜴が閉じ込められていて、中から炎でも噴き散らかしているのか?

そんなとりとめもない仮説を脳裏に浮かべたり、振り払ったりしながらグルっと一周回って、
結局は特に何も変わった所はないという結論に辿り着く。


 石柱の調査任務はあくまで《確認》であり、監視でも破壊でもない。

 異変が無ければ良いと、予定通りの方角へ向かい草木を掻き分ける。
 やがて人の手が入った林道に至り、道なりに湖から離れると

――ログハウスが見えた。


 予定通りであればリアーナと落ち合えるはずで、そこから二人で任務を継続する事になる。
玄関ポーチの階段をソロリと上がり、意を決してドアをノックした。


 ……応答がない。


 周囲を見回して気配に注意しながら、取っ手を握り――引く。
 ギギギっと擦る音に焦りながら、諦めて手に力を込め、開く。


 ……誰も居ない。


 夕日が照らす室内は、生活感はありながらも誰も居なかった。
 微かな安堵の後に襲って来た不安を誤魔化すかのように、ロニーは頬を掻いて項垂れた。 



  ***



 《約束の日》の前夜――エスパニ領主次男ラウル・エスパニョールは自室で目を覚ました。

避難民を連れセビリスに着いて、街の西側に野営地を手配して周辺の街に支援を募った後で、
気を失うように自邸のロビーで倒れ込んだ。

張り詰めた緊張が疲労で途切れたのだろう。


 夢現の狭間に木霊する時鐘と暑さに魘され、目覚めた時には西日に強く焙られた後だった。

枕元のサイドテーブルに置かれた銅製の水差しから温水をグラスに注ぎ、乾いた身体を潤す。
無人の周囲を見渡して、一つ咳ばらいをしてからラウルはメイドを呼んだ。


 「お目覚めですか!?」


 「ええ……どれくらい寝てたんでしょう? キャンプは落ち着きましたか?」
 「あ、はい! 今ちょうど夕食の炊き出しの最中だと聞いてます!」
 落ち着きのない新人メイドが努めて元気に応える姿に気まずさを感じて、窓の外を眺めた。

いつもと変わらない街並みに懐かしさを覚えながら――北側の空に立ち昇る白煙に気付く。


 「あれ……火事ですかね? あんな所で野焼きはしないでしょうし」
 「あ! そういえば……隧道が崩れたって、さっき衛兵の人達が騒いでました!」

 「へぇ……そうなんですね。隧道が……」
 回りきらない頭でメイドの言葉の意味を咀嚼するラウルは、少し間を置いて立ち上がり――
ふらついてベッドから転げ落ちた。


 「だ、大丈夫ですか!? メイド長をお呼びしましょうか!?」
 「そ、そんな事より! なんて言いました!? 隧道が崩れたって!? 本当ですか!?」

 「え、えええ!? は、はい! 詳しい事は分かりませんが、何か爆発があったって――」
 「――こ、こうしちゃいられない!!」
 這い上がるように立ち、頭を振ったラウルは脱がされていたハーフコートを羽織る。


 「ど、どちらへ!? もう日が暮れますし、衛兵に任せて休まれた方が……」

 「そ、そうは行かないんです! もしかしたらまだ向こうに――」
 「――やぁやぁ失礼しますよ?」
 ラウルが目をやった扉は自動で開かれ、姿を見せたのはパルベスメイヤーのラザレだった。


エスパニ行きの直前に会った時と変わらずに、飄々と豊かな腹部を擦りながら距離を詰める。


 「いやぁご無事で何より! ですが、お聞きになりましたか? ガリバル隧道爆破事件! 
大変な事態になりましたなぁ……まさか我が姪があのような蛮行に走るとは」


 「姪……リーゼさんですか? 一体何があったと言うんです!」

 「手配中の戦人を連れ隧道を爆破した後、逃走しまして……目下捜索中ですなぁ」



  ***


  山合に響く鐘を爆破が掻き消した頃、延々襲い来る河鰐の処理に疲弊したヴィーノ達は、
隙を見て土精術で高台を造成し、休息を挟んでいた。


 跳躍しない鰐は当然高所には上がって来れないが、下で犇き大口を開けて待ち構えている。
崖から覗き込んで苦虫を噛んだような顔をしたルシアノは、両手足を広げ寝ころんだ。


 「だぁぁぁぁ! キリ無いっスねこれ。いつまで続くんスかね……」

 「仕方ないわよ。土精術で桟道でも作って貰えたら戦う必要も無いんだけど」
 チラッと視線を送るキサラに、集めた焚き木を放射状に組むヴィーノは枝を手に、振った。


 「無茶言うんじゃねぇ、ガス欠だっての。今日はここで一泊だな、下がうるさいけどよ」
 「ガス? ってかヴィーノさん……本当にそれ喰うんスか?」
 ルシアノが仰向けのまま指差す先には、小ぶりな鰐がひっくり返って横たわっていた。

 「他に喰うもんねぇだろ。水はウィルフが生成出来るっつーし我慢しろ」
 不意に話を振られたウィルフは酒袋を呷り、ルシアノに渡す素振りを見せる。

 「要らね……それキッツいんだよ。余計喉が渇くっての……」


 重い空気の中、崖下の騒がしさが収まり始め、パチパチと爆ぜる音と夕闇が場を支配する。

ヴィーノは無言で黒皮を剥ぎ、白肉を削ぎ枝に挿し、何かの香草をまぶして焚き火に添える。
野営作業をナイフ一本で手際よく進め、次第に香ばしい匂いが周囲に充満する。


 「……何気に良い感じの香りが漂って来たっスね」

 「そろそろ焼けるぞ、起きろルッチ。キサラ嬢、組んだ葉鍋に水を生成して貰ってくれ」
 「こんなので良いのかしら……私余り器用じゃないから、漏れてきそうだけど」
 ヴィーノが剥いた樹皮で円筒のカップを作ったキサラは、ウィルフにそれらを手渡す。

 ウィルフは左手を残った鰐の半身に添えて小さく唱え、器を清水で満たしていく。
 「ちょ……もしかしてその水って……」
 「ん? ああ、鰐の血から生成してもらってんだよ。嫌なら河の泥水汲みに行くか?」
 「いや……遠慮しとくっス。まぁ単に気分の問題っスね」

 「アレはアレで便利だぞ? フードドライヤー代わりになっから後でジャーキーを――」
 「――ヴィーノさんの言う事はたまに分かんないんスよね……まぁ、いただきまっス!」
 大きく口を開けて肉を頬張るルシアノを眺めてから、キサラも軽く齧りついた。


 「……ん? 結構イケるっスね!? 鳥っつか、魚っつか……よくわかんないっスけど」
 「この……スパイスが良い感じね。どこで売ってるの?」
 「ん? これか? 自家製だな。あんまもう残ってないけどよ」
 ひらひらっと小さな壺を振ったヴィーノは、ポーチに押し込んで肉を口にした。

 全員が鰐肉で腹を満たし、木と鉄の味のする何とも言えない水で喉を潤して、日は暮れた。


ルシアノとキサラは地面に横たわり、焚火の傍ではヴィーノとウィルフが向かい合っている。
差し出された酒を軽く流し込んで、作成中のジャーキーを摘まんだ。


 「っかー……キッツいなこれ。スパイシーな甘み……ウィスキか何かか?」
 「ウィスキ? イグニスキーの事か? だったら違うね、これはムーンシャインだよ」

 「ムーンシャインって……密造酒ってことか?」
 「へぇ、良く知ってるね? 禁酒法が出来て帝国北部の辺境で造られるようになったんだ」

 「禁酒法? 何だってそんなもん作ったんだ」
 「さぁ? バカバカしいよな。こんな嗜好品に重税を掛けて、免許制にしてんだから」

 「免許制……酒造にって事か。帝国でアルコール依存症でも増えたのか?」
 「アル……? 依存って言ったって、酒より酷いMADが流行ってるんだから無意味だよ」

 「マッド? なんだそりゃ」
 「帝国が作ってるポーション……じゃないな、今はタブレットになってるから」

 「タブレット……薬物か何かか?」
 「薬物? 意味が分からないけど、何かの蔓とか植物を使って小さな赤い粒を作るんだ」

 「粒……完全に麻薬じゃないのかそれ。アイツ何でそんなもんまで……」
 「アイツ?」
 ヴィーノとウィルフ――これまで生きて来た背景が違い過ぎる二人は話が空転してしまう。
それでも許された時間と互いに探り合う意識が、次第に実を結び始める。


 「いや……まぁお前には色々聞きたい事があるな。そういえば人を探してると言ってたが、
それは王国の人間なのか? わざわざ亡命してくるくらいだ」

 「王国……では無いと思う。いや、知らないんだよ。元々は王都に居たと言う事くらいで」

 「王都……肉親か何かか? 帝国に渡ったって事はエスパニの人間の可能性が高いが」
 「そう思ってこの嫌な任務にも参加したんだけど、どうもそういう感じでも無かったな……
彼と似たような肌の色をした人は誰も居なかったから」
 「……肌色?」
 「ん? ああ、他には居ない濃い褐色の肌をした……師匠でね。彼を探してるんだよ」


 話を聞きながら、ヴィーノは先日セロナ橋の上でウィルフが使った炎槍術を思い起こす。
 「お前……それってもしかして、リオン……いや、ライオネル・アーロンか?」


 
 ヴィーノが口にした名に目を見開いたウィルフは、憚らずに声を上げ、立ち上がった。 
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